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がんの発生要因と予防

印刷用ページを表示する掲載日2023年1月16日

【目次】

  1. 5つの健康習慣の実践
  2. 「感染」も,がんの主要な原因です
  3. 参考になるサイト

※このページは,国立がん研究センターがん情報サービスのコンテンツを引用して作成しています。

 

日本人におけるがんの発生要因

 下図は,日本人のがんの中で,原因が生活習慣や感染であると思われる割合をまとめたものです。「全体(※1)」の項目に示されている,男性のがんの43.4%,女性のがんの25.3%は,ここにあげた生活習慣や感染が原因でがんとなったと考えられています。特に,男性では「喫煙」,女性では「感染」が大きな要因の一つとなっています。

【日本人におけるがんの要因】
日本人におけるがんの要因

(国立がん研究センターがん情報サービス)

(※1)棒グラフ中の項目「全体」は、他の項目の合計の数値ではなく、2つ以上の生活習慣が複合して原因となる「がんの罹患」も含めた数値です。

 

日本人のためのがん予防法

 国立がん研究センターをはじめとする研究グループ「社会と健康研究センター」では,日本人を対象としたこれまでの研究を調べ,その結果,日本人のがんの予防にとって重要な要因として,「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」「感染」の6つを取りあげ,「日本人のためのがん予防法」を定めました。
 
 このうち「感染」を除く要因は,日ごろの生活習慣にかかわるものです。
 次の5つの健康習慣を実践するというあなた自身の努力で,がんになる確率を低くしていくことが可能です。

がんリスクを減らす健康習慣

(国立がん研究センターがん情報サービス)

 

 実際に,国立がん研究センターが,日本全国の11の保健所の協力を得て,調査開始時点で年齢40歳から69歳の男女,総計140,420 人を対象に,生活習慣とがんやほかの病気のり患についての追跡調査を実施したところ,この5つの健康習慣を実践する人は,0または1つ実践する人に比べ,男性で43%,女性で37% がんになるリスクが低くなるという推計が示されています。

「5つの健康習慣」を実施することでがんになるリスクが低くなります。

5つのうち実践した健康習慣の数

 (国立がん研究センターがん情報サービス)

 

5つの健康習慣の実践

(1) 禁煙する(たばこは吸わない。他人のたばこの煙を避ける。)

 たばこは肺がんをはじめ多くのがんに関連することが示されており,たばこを吸う人は吸わない人に比べて,がんになるリスクが約1.5倍高まることがわかっています。また,受動喫煙でも肺がん(特に腺がんタイプ)や乳がんのリスクは高くなります。

 

(2) 節酒する

 1日あたりの平均アルコール摂取量が,純エタノール量で23g未満の人に比べ,46g以上の場合で40%程度,69g以上で60%程度,がんになるリスクが高くなります。飲む場合は純エタノール量換算で1日あたり約23g程度までとし,飲まない人,飲めない人は無理に飲まないようにしましょう。

飲酒量の目安(1日あたり純エタノール量換算で23g程度)

毎日飲む人は以下のいずれかの量までにとどめましょう。

  • 日本酒 … 1合
  • ビール大瓶(633ml) … 1本
  • 焼酎・泡盛 … 原液で1合の2/3
  • ウィスキー・ブランデー … ダブル1杯
  • ワイン … ボトル1/3程度 

 (国立がん研究センターがん情報サービス)

 

(3) 食生活を見直す

 「塩分のとりすぎ」「野菜や果物をとらない」「熱すぎる飲み物や食べ物をとること」が,がんの原因になるということが明らかになっています。このことから,塩分を抑え,野菜と果物を食べ,熱い飲み物や食べ物は少し冷ましてからとるという3つのポイントを守ることで,日本人に多い胃がんのリスクや,食道がん,食道炎のリスクが低くなります。

 

(4) 体を動かす

 国立がん研究センターの研究報告(※2)によると,男女とも,身体活動量が高い人ほど,何らかのがんになるリスクが低下していました。特に,高齢者や,休日などにスポーツや運動をする機会が多い人では,よりはっきりとリスクの低下がみられました。

 厚生労働省は,「健康づくりのための身体活動基準2013」の中で,18歳から64歳の人の身体活動について,“歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を毎日60分行うこと”,それに加え,“息がはずみ,汗をかく程度の運動を毎週60分程度行うこと”を推奨しています。同様に,65歳以上の高齢者については,“強度を問わず,身体活動を毎日40分行うこと”を推奨していますので,目安の一つとしてみてください。

(※2)社会と健康研究センター 多目的コホート研究

 

(5) 適正体重を維持する

 中高年の日本人を対象に行われた研究報告をまとめ,がんによる死亡のリスクと,総死亡(すべての原因による死亡)のリスクが,BMI(※3)値によって,どう変化しているかをBMI値23.0~24.9を基準(1.0)としてグラフに表すと,下表のようになっています。

(※3)BMI:Body Mass Index 肥満度を表す指標です。値が高くなるほど,肥満度が高いことを表します。

BMI値と死亡リスクとの関連(日本の7つのコホート研究のプール解析)
BMI値と死亡リスクとの関連

(国立がん研究センターがん情報サービス)

 この図をみると,男女とも,がんを含むすべての原因による死亡リスクは,太りすぎでも痩せすぎでも高くなることがわかります。健康全体のことを考えると,男性はBMI値21~27,女性は21~25の範囲になるように体重を管理するのがよいようです。

 

「感染」も,がんの主要な原因です

 日本人のがんの原因として,女性で一番,男性でも二番目に多いのが「感染」です。

 肝臓がんの原因となる肝炎ウイルス感染の有無を知り,感染している場合は適切な措置をとることが重要です。
 広島県では,無料肝炎ウイルス検査の実施や,治療費の助成など,肝炎対策に取り組んでいます。広島がんネットのがん種別メニュー「肝臓がん」に関するページには,広島県の肝炎ウイルス感染者の状況や,無料肝炎ウイルス検査などについてのページをご案内しています。参考にしてください。

 肝炎ウイルスに感染しているかどうかは,肝炎ウイルス検査(肝機能検査とは異なります。)を受けないと分かりません。これまでに1度も検査を受けたことがない方は,ぜひ肝炎ウイルス検査を受けましょう。

 また,胃がんの原因となるピロリ菌の感染検査を機会があれば受け,感染している場合は胃がんに関係の深い生活習慣に注意し,定期的に胃の検診を受けるとともに,症状や詳しい検査結果をもとに主治医に相談するなど適切に対処してください。
 ※他にも,子宮頸がんなどの原因となるウイルスとして,ヒトパピローマウイルス(HPV)などが知られています。

 

参考になるサイト

がんの発生原因と予防(国立がん研究センターがん情報サービス)

 このページの掲載内容の詳細については,国立がん研究センターがん情報サービスのサイトに掲載されています。
 詳しい情報を確認して,生活習慣などを見直すきっかけを作り,今日から早速“がん予防”についてできることから始めてみませんか?

 

広島県健康づくり県民運動推進会議

 ひろしま健康づくり県民運動推進会議は,すべての県民が健やかでこころ豊かに生活できる社会を目指して、様々な関係機関や団体が連携して活動を積極的に推進している団体で,生活習慣や社会環境(食生活,適正体重,たばこなど)の改善に向けた取り組みを行っています。サイトでは,県内の健康づくりに関する地域のイベント情報等を発信していますので,ご活用ください。

 

がんを防ぐための新12か条

 「がんを防ぐための新12か条」は,国立がん研究センターがん予防・検診研究センターがまとめたもので、がん研究振興財団から2011年に公開されました。日本人を対象とした疫学調査や、現時点で妥当な研究方法で明らかとされている証拠を元にまとめられています。
 あなたにできる“がん予防”を考える際に,参考にしてみてください。

※画像をクリックするとダウンロードできます。
がんを防ぐための新12か条
がんを防ぐための新12か条 (PDFファイル)(1.98MB)

 

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