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治療と仕事の両立支援

印刷用ページを表示する掲載日2020年6月15日

【目次】

 

現状と課題

現状

 国立がん研究センターがん情報サービスの「がん登録・統計 最新がん統計」によると,がん患者の約3割が就労世代(生産年齢人口:15~65歳)でがんを発症するといわれています。また,平成22年国民生活基礎調査によると,仕事を持ちながらがん治療のために通院している方は約32万5千人いるといわれています。

 また,本県の地域がん登録データによると,20歳から64歳までの就労可能年齢のがんの有病者(がん生存者で5年以内にがんと診断された者,平成24(2012)年末時点)は,がん患者全体の約3割を占め,2万人を超えている状況です。

 現在,日本人の2人に1人ががんにかかるといわれていますが,がんと診断される方が増える一方で,医療の進歩(手術の負担軽減や抗がん剤・放射線治療による副作用のコントロールなど)により,がん種によっては完治が期待できるものや,かなり長期にわたる安定状態が期待できる病気になってきました。そうした状況をふまえ,がんにり患した方が,仕事へ早期復帰することや,治療しながら働き続けることが可能になってきています。

 

課題

 平成25(2013)年に実施されたがん患者に対する実態調査では,がんと診断された後の仕事の状況の変化について,依願退職又は解雇された者の割合は34%であり,平成16(2004)年(34%)と比べて変化していないことから,引き続き,がん患者の離職防止を支援していくことが求められています。

 

がんの診断時点に勤めていた会社や事業等について
仕事状況の変化
【出典】厚生労働省がん研究,2013「がん体験者の悩みや負担等に関する実態調査報告書」

 

 また,平成27(2015)年の「働くがん患者の職場復帰に関する研究」による調査では,がんと診断され,退職した患者のうち,診断がなされてから最初の治療が開始されるまでに退職した者が4割を超えていることから,がん患者が診断時から治療と仕事を両立させるための情報提供や相談支援を受けることのできる体制整備が重要となっています。

 

がん患者の離職状況
がん患者の離職状況グラフ
【出典】厚生労働省がん研究,2015「働くがん患者の職場復帰支援に関する研究」

 

皆様にお願いしたいこと

 大切なことは,がんになってもすぐに仕事を辞めないことです。

 多くのがんにおいて,「がんになったから治療に専念するために仕事はやめないと…」,「がんになったから長期間入院しないといけないから…」というのは一昔前の話になっています。治療に関する医療技術の進歩や,副作用をかなり抑えることができるようになってきたことなどにより,平均入院日数は年々減少し,現在では,通院によってがん治療を行うことができる患者さんも多くなりました。

 

悪性新生物(がん)における退院患者平均在院日数の推移
平均在院日数のグラフ
【出典】厚生労働省「患者調査」

 

 また,企業側としても,これまで会社に貢献し,業務に精通している貴重な人材を簡単に失うことは不利益のほうが大きく,柔軟な働き方(休暇・時差勤務など)を認めたり,業務内容を症状に合わせて配慮するなど,両立支援に向けた取組の輪が広がってきています。

 もちろん,あなたの気持ちや家族の状況など踏まえて,「仕事を辞める」という選択が必要な場合もあります。ただ,もし可能であれば,まずは主治医や担当看護師,職場の上司の方などと,治療と仕事の両立について話し合ってみてください。治療と仕事の両立についてしっかり考え,納得してがん治療に臨んでいただくことは,あなたの療養生活をより良いものにすることにつながるかもしれません。

 

お悩みはがん相談支援センターへ

 「職場に迷惑がかかるかも…」,「病状について何をどこまで会社に伝えたらいいのだろう…」,「何から始めたらいいかわからない…」という方は,まずがん診療連携拠点病院のがん相談支援センターにご相談ください。

 がん相談支援センターでは,がん患者さんの治療と仕事の両立支援に関する相談についても,看護師や社会福祉士などが対応し,制度のご紹介やアドバイスなどを行っています。また,必要に応じてハローワークなどの他機関と連携したり,場合によってはあなたの会社と意見書などをやり取りし,就労上必要な配慮の検討や治療計画の見直しなどを行うことも可能です。

 

がん相談支援センターに設置されている両立支援専用の相談窓口

 がん相談支援センターには,広島産業保健総合支援センター(以下「産保センター」といいます。)と連携し,治療と仕事の両立支援専用の相談窓口が設けられている場合があります。
 この相談窓口では,産保センターが派遣する,社会保険労務士などの資格をもつ両立支援促進員による相談支援を受けることができます。両立支援促進員は調整役として,症状や治療計画,職場で配慮することなどを踏まえて,働き続けられるような体制づくりをサポートしてくれます。
 令和2年6月現在,11のがん診療連携拠点病院に設置されています。詳しくは,下記リンク先をご確認ください。

 

がんと仕事のQ&A

 国立がん研究センターがん情報サービスのサイト「がんと仕事のQ&A」には,がんの診断から復職までの間に就労上注意することや個々の状況に応じた具体的なアドバイス,復職後の働き方だけでなく,新しい職場への応募におけるポイントや,医療費や生活費などお金に関すること,家事・育児に至るまで,就労世代のがん患者さんの日常生活に関するヒントがたくさん掲載されています。(正社員だけでなく,アルバイトやパートの方,自営業者の方や求職中の方向けの情報もあります。)

 

 同じく国立がん研究センターがん情報サービスのサイト「がんと共に生きる『まず一歩前へ』」には,がん患者さんの治療と仕事の両立支援に向けて,がん患者さんやその家族だけでなく,企業の方や,地域の方,また病院関係者の目線から体験談やアドバイスなどが掲載されています。
 また,企業の方向けに,がんになっても安心して働ける職場づくりに関するガイドブック(大企業編・中小企業編)なども掲載されています。

 

参考になるページなど

Teamがん対策ひろしま

 広島県では,社員のがんに関する正しい知識の普及・啓発やがん検診受診率向上,治療と仕事の両立支援,地域へのがん検診啓発活動,がん患者団体等への支援など,総合的ながん対策に主体的かつ積極的に取り組む企業を,「Teamがん対策ひろしま」登録企業として登録し,その取り組みを支援しています。

 広島県内にも,がん患者さんの治療と仕事の両立支援に取り組む企業がたくさんあります!ぜひ参考にご覧ください。

 

ハローワーク広島東による長期療養者への出張就職相談

 広島大学病院及び広島市立広島市民病院では,がんをはじめとした疾病の長期療養をしながら,働きたいという方の就職を支援するために,ハローワーク広島東の専門担当者「就職支援ナビゲーター」による出張就職相談が月に1回開催されています。

 症状や通院状況に配慮した求人探しや,仕事復帰の不安解消のための相談に応じているほか,応募書類の作成や面接の受け方などについて,あなたの療養状況を踏まえたアドバイスをしてもらえます。

 詳しくは,各病院のサイトをご確認ください。

 

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