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「転移性脊髄圧迫(てんいせいせきずいあっぱく)」を知っていますか?

印刷用ページを表示する掲載日2021年3月3日

がんが骨に転移し,脊髄を圧迫することで 回復不可能な両足まひ」 になる可能性があります

転移性脊髄圧迫とは

転移性脊髄圧迫とは,脊椎・脊髄腫瘍が脊髄を圧迫し,疼痛・脊髄神経障害を起こす病態のことで,そのほとんどが,がんが骨に転移することで発症します。

進行すると圧迫された脊髄の部分よりも下の神経機能が失われ,両足のまひなど,回復が不可能な状態に陥る可能性があります。

症状は時間経過とともに進行し,

 →自立歩行可能な患者さんの場合,歩行機能が維持できるのは約90%
 →支持歩行可能で患者さんの場合,歩行機能が維持できるのは約60%
 →足が動くけど歩行不能な患者さんの場合,歩行可能までの回復が期待できるのは約40%
 →足が全く動かず歩行不能な患者さんの場合,歩行可能までの回復が期待できるのは約10%

と,歩行可能な状態で治療を開始するのがとても重要です。

 

朝には脚のしびれだけだったにもかかわらず,その日の午後には脚が動かなくなる方もおられ,一刻も早い治療が重要となります。

日本臨床腫瘍学会の骨転移診療ガイドラインによると,転移性脊髄圧迫はがんの人の約1割で生じているとされているにも関わらず,がん患者の間ではもちろん,がん治療を専門とする医師の間でも認知度が低いというのが現状です。

〈参考〉

参考画像

初期症状を感じたら,すぐさま受診を!

転移性脊髄圧迫の初期症状としては,以下のものが挙げられます。

  • 脚がしびれる
  • 脚の感覚が鈍い
  • 脚を動かしにくい
  • 脚に力が入らない
  • 便意・尿意を感じない
  • 排泄できない

特に骨転移がんと診断された方で,上記のような症状がある方は,すぐさま医療機関を受診してください。
その他の部位のがんと診断された方も「転移性脊髄圧迫」の症状をよく覚えていただき,上記の症状がないか十分に注意してください。
※特に乳がんや前立腺がん,肺がんは骨に転移しやすいと言われています。

転移性脊髄圧迫チラシ (その他のファイル)(187KB)
チラシ

※当チラシはご自由にお使いいただいて構いません。
 院内掲示等に積極的にご活用ください。

転移性脊髄圧迫の治療について

転移性脊髄圧迫の治療では,痛みや神経症状を減らすため,直ちにステロイド点滴を始めます。
その上で,がんが転移した脊椎に緊急放射線照射をするのが一般的で,手術でがんを取り除くこともあります。

放射線治療の効果は,より症状が軽い段階で治療を始めるほど高いとされており,まさに時間との戦いです。

まとめ

○症状は時間単位で急速に進行(朝にはしびれだけ→午後には脚が動かなくなる方も)

○症状の進行とともに治療効果は低下

○足が全く動かず歩行不能な患者さんの場合,歩行可能までの回復が期待できるのは約10%

○初期症状を見逃さずに早期の受診をし,一刻も早く治療を開始することが重要!

 

「転移性脊髄圧迫(てんいせいせきずいあっぱく)」 覚えていただけましたでしょうか。

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