令和7年9月12日に、小田原委員がかえで幼稚園を訪問しました
広島県では、「遊び 学び 育つひろしまっ子!」推進プランを通じて、小学校でも乳幼児期の教育方針が共通認識されています。全校で、園との協力により、研修や公開授業を行い、教育課程を見直しています。これにより、子供がスムーズに小学校に入学できるよう努めています。
今回は、かえで幼稚園を訪問しました。かえで幼稚園の理事長には乳幼児教育支援センターの幼児教育アドバイザーを引き受けていただいています。
年長児のクラスでは、保育合宿に向けたグループ分けが行われていました。ひらがな順にグループ分けをしたにもかかわらず、人数が合わないアクシデントが発生。園児たちが、「そこの二人が違うと思う!」「○○ちゃんは今日お休み!」と意見を出し合う中、1人の児童が連絡帳とグループリストを見比べて、リストから名前が漏れている子がいることを突き止めました。「『な』がつく子が1人少ないんだよ!」という声が響きました。こうした日常の活動の中からも、園児たちが自ら考え行動する様子を伺うことができました。
クラスの視察の後は、園庭に設置されている職員お手製のピザ釜やミニ田んぼ、隣接する豊かな自然を生かした「かえでの森」など、周囲の環境を存分に活かした施設を見学させていただきました。園児の皆さんは帰りのお迎えを待っている時間も、園庭を元気に走り回ったり、泥団子を作ったり、ターザンロープで遊んだり、ログハウスの中でおままごとをしたりと、思いっきり体を動かして遊んでいました。
施設見学の後は、この日1日保育体験研修に参加していた小学校の先生2名と園の先生方による振返りに参加しました。振返りでは保育体験を通じて、小学校で活かせそうなことについての話し合いが行われていました。1人の先生は、印象に残った出来事として、高いところから降りられなくなった園児に対して、子供が降り方の見本を示したり、小さい台を持ってきて手助けしたりしたりしている様子を周りの幼稚園の先生がじっと見守っていたことを挙げていました。子供たちの助け合いの結果、その園児は自力で降りられるようになりました。子供たちの力を引き出す姿勢をより一層大切にしていきたいと話していました。
もう1人の先生は、子供たちのやりたいことを尊重する姿勢を取り上げていました。子供の意思を重視することが意欲や主体性を育むことにつながると実感したので、今後は児童が自分の気持ちで動けるよう声かけを行っていきたいとのことでした。
今回の視察は、幼保小連携の取組が小学校教育の効率的な実践につながっていく場面を見学する貴重な機会となりました。