令和7年7月11日に、志々田委員が広島県立祇園北高等学校を訪問しました
祇園北高等学校は、昭和58年に開校した、理数コースを有する全日制普通科の高校です。
校訓は「敬愛・信義・忍耐」であり、それぞれ次のような意味をもっています。「敬愛」とは、自他を尊敬する心、礼儀正しさや協調性などの「豊かな人間性」を表します。「信義」は、真心をもって約束を守り、人としての責務を忠実に果たす「貢献感」を示します。そして「忍耐」は、課題や困難に立ち向かい、それを乗り越えていく「やり抜く力」を表します。
これらの校訓のもと、文武両道を実践し、グローバルな広い視野と高い志をもって学び続ける生徒育成に力を入れています。
訪問当日は、まず、校長先生から学校の取組について説明していただきました。
祇園北高校は、令和6年度「高等学校DX加速化推進事業」(通称:DXハイスクール)に採択され、「部活動×探究」をキーワードに、生徒一人一人の「好き」を学びにつなげる取組を推進しています。
部活動を探究活動の一部として位置付けることで、生徒たちは自分の好きなことに主体的に取り組んでいます。
また、広島経済大学と祇園北高校野球部による地域の小学生たちの下校を見守る活動や、吹奏楽部が昨年度のDX講演会の御縁で世界的指揮者・西本智実さんに招かれ、大阪・関西万博バチカンナショナルデーでの合唱に参加するなど、地域や社会と繫がるさまざまな取組も行っているようです。
さらに、スポーツチームであるサンフレッチェ広島や広島サンダーズのアナリストの方を招いた講演会を実施し、スポーツにおけるデータ分析を通じて、社会貢献の多様性を学ぶ機会も提供しているそうです。
次に、理数コース1年生の「理数探究基礎」の授業を視察しました。
理数コースでは、普通科コースの「総合的な探究の時間」に変わって、理数の視点を用いた「理数探究」が行われています。
1年生は、2年生の本格的な探究に向けて基礎を学ばれているようです。実際の授業では、教科書だけではなく、動画を用いた授業展開が行われていました。
各自の一人1台PC内のスプレッドシートアプリを用いて「移動平均」や「回帰分析」などの手法を学んでいました。
2年生が1年生をサポートする仕組みやペア学習を通じて、互いに教え合い、相談しながら学ぶ姿が印象的でした。生徒たちは、主体的に課題に取り組み、協働しながら学びを深めていました。
最後に、意見交換が行われました。
志々田委員からは、地域おこし協力隊や地域コーディネーターとの連携を通じた学びの仕組みや、地域、学校、さらには産業界や大学が連携する体制の構築が重要であると述べられました。
また、理数探究授業を担当する先生からは、祇園北高校の生徒たちが「自分の好きなことをテーマに課題を見付け、自ら学びを深める」姿勢を身に付けていることを評価されていました。
その中には、先生方の想像を超える興味深いテーマを課題設定する生徒もいるとのことです。
さらに、先生方も日々工夫を凝らしながら、生徒たちに豊かな学びの場を提供しており、国語の授業ではプレゼンテーション力を、英語の授業では文化的視点を養う授業展開も部分的に行われているとの説明がありました。
志々田委員は、地元志向の強い生徒を地域や世界へとつなげ、地元で精一杯活躍できる環境があることに期待感を示されていました。