本県では,乳幼児期の教育・保育を実現するための基本的な考え方と取組内容を示した「『遊び 学び 育つひろしまっ子!』推進プラン(第2期)」を策定し,プランに掲げる「家庭教育支援の充実」に向け取り組んでいます。
このプランの策定にあたり実施した調査で,3歳児の保護者の半数が,自ら子供を持つまで幼い子供の世話を全く経験したことがなく,多くの保護者が悩みや不安を抱えている実態が明らかになりました。
こうしたことから,乳幼児教育支援センターでは,これから親になるための準備段階である妊娠期において,両親学級や乳幼児健診等の機会を活用し,子育てに必要な知識や情報,親としての自己理解を深めるための取組を進めています。
また,中学校・高等学校の段階から,子育ての意義,親や家族の役割,子供との関わり方等を学ぶことができるよう,助産師・保育士等の外部講師の派遣や紹介や事例等の情報提供を行うなど,学習機会が充実するよう支援を行っています。
※ここでは,「親として,また,子育てを支える地域の一員として,子供を産み育てることの意義や,親や家族の役割,子供との関わり方を学ぶ機会」を「親になる準備期の学習」としています。
★☆注目情報☆★
西条農業高等学校で実施された「親になる準備期の学習」の様子を追加しました!
これから親になる中高生等が,将来安心して子育てができるようになるための一つの取組として,県立学校で実施する学習活動を支援する「『親になる準備期の学習』推進事業」を令和4年度から実施しています。
学習の様子を一部御紹介します。
【内容】助産師による講義・実践
【対象】第2学年の「特別活動」
【講師】一般社団法人広島県助産師会 性と健康の相談センターメンバー
当日は,一般社団法人広島県助産師会から10名の助産師が学校を訪問し,乳児保育について講義を行い,その後,赤ちゃんの人形を使って,着替え・おむつ替え,抱っこの仕方などを実際に行いました。
助産師から「赤ちゃんへの声掛けや触れ合いが大切である」とのアドバイスを受け,生徒は,人形に名前を付けて声掛けを行ったり,1名が着替えをさせている間に他の生徒が手を取ってあやしたりしていました。また,抱っこをする時に,本物の赤ちゃんを抱くように,大事そうに優しく抱く姿が見られました。
生徒は「着替えは手順が多くて大変!」と言いながらも,おむつを替えた後に指を入れて,きつさ・緩さを確かめたり,肌着の合わせが右が前になっているかなど細かいところに気を配ったりする様子が見られました。
また,手順に戸惑う生徒に対しては,周りの生徒が,次にやることを教えたり,手を貸したりするなど,グループ全体で助け合いながら,体験を行っていました。
【内容】助産師による講義・実践
【対象】第2学年の「特別活動」
【講師】助産師 児玉 明子さん他
当日は,児玉助産師が学校を訪問し,乳児保育について講義を行い,その後,赤ちゃんの人形を使った沐浴,着替え・おむつ替え,抱っこの仕方・ゲップのさせ方,ミルクの飲ませ方などを実際に行いました。
赤ちゃんとかかわりながら,「気持ちいいね」,「あたたかいね」,「おいしいね」などと,声掛けをしてあげることで,赤ちゃんが安心したり,援助する人への信頼感が育まれるというアドバイスを受け,実技に悪戦苦闘しながらも,人形の顔を見ながら実際に声をかける様子が見られました。
生徒からは,「赤ちゃんは壊れてしまうのではないかというくらい未熟で,周りの人のサポートがいかに重要かということがわかった。」,「わからないことばかりで怖かったけれど,実際に体験してみて,分かることが増えた。」,「言葉はわからなくてもアイコンタクトをとったり,話しかけたりすることが大切だと分かった。」,「お母さんがこんなに大切に育ててくれたんだとお母さんへの愛が増した。」等の感想が述べられ,とても貴重な体験となったようです。
【内容】乳幼児との触れ合い体験
【対象】第3学年の「特別活動」
【講師】ママの働き方応援隊 広島東校活動メンバー
当日は,赤ちゃんとそのお母さんが学校を訪問し,生徒にお母さんの出産や育児体験を話したり,生徒からの寝かしつけのコツや離乳食に対する質問に答えたりしました。
生徒は,実際に,赤ちゃんを抱っこしたり,絵本の読み聞かせをしたり,着替えを手伝ったりさせたり,ベビーカーに実際に乗せて動かし,参加した生徒からは,「自分が知っている知識より育児や出産はとても大変だと分かった。初めて赤ちゃんを抱いて,赤ちゃんが小さくて愛らしいと強く思いました。」「育児の大変さ,難しさ等の話を聞いたり,体験して,より知ることができた。自分が経験することになったときは,今日の話を思い出して活かしたい。」「出産や育児の大変さがわかり,家に帰ったらお母さんに『ありがとう』と伝えたい。」等の感想が述べられ,とても貴重な体験となったようです。
【内容】乳幼児との触れ合い体験
【対象】第2学年の「生活文化」選択者,第3学年の「家庭発展」選択者
【講師】ママの働き方応援隊 広島東校活動メンバー
当日は,赤ちゃんとそのお母さんが学校を訪問し,生徒にお母さんの実体験を話したり,生徒が,実際に,赤ちゃんを抱っこしたり,ミルクをあげたり,ベビーカーに実際にのせて動かしたりしました。
参加した生徒からは,「赤ちゃんはとても温かい。」「実際にミルクをあげる体験をして,哺乳瓶の先にミルクが一杯になっていないといけないなど,赤ちゃんにとって飲みやすい角度があったり,いろいろなものを準備したり,考えないといけないことがわかりました。」「長い間抱っこすること、他にも荷物を持っているとけっこう大変。」等の感想が述べられ,とても貴重な体験となったようです。
【内容】助産師による講演
【対象】人間福祉科第1学年「保育基礎」,人間福祉科第2学年「子どもの発達と保育」
【講師】助産師 今井 麻純さん
当日は,今井助産師が学校を訪問し,「命の尊さ」(人間福祉科第1学年の「保育基礎」選択者),「命の現場から」(人間福祉科第2学年の「子どもの発達と保育」選択者)をテーマに講話をされました。
参加した生徒からは,「今井先生は自分が楽しいと思える子供の生み方をしていて,出産には痛いや怖いというイメージがありましたが変わりました。」「学校の授業では教えてもらえないことをたくさん知ることができました。将来お母さんになったとき『自分を愛す』ことを忘れないようにしたいと思いました。」等の感想が述べられ,とても貴重な体験となったようです。
これまでに活用された講師(団体)の情報です。今後の参考に御活用ください。
・一般社団法人広島県助産師会
助産師による講演等を提供されています。
・NPO法人ママの働き方応援隊
赤ちゃんとママが教育機関や高齢者施設・企業行政などに訪問し,赤ちゃんのもつ「人の善なる心を引き出すちから」で学びや癒し・感動を共有する教育プログラムを提供されています。
・「親の力」をまなびあう学習プログラム「通称:親プロ」
生徒が主体的・対話的に学ぶことができる参加体験型の学習プログラムを提供しています。
本プログラムを運営するファシリテーター(地域講師)の派遣については,広島県立生涯学習センター(082-248-8848)又は各市町の「家庭教育支援担当課」へお問合せください。
「親プロ」中学・高校生向けリーフレット (PDFファイル)(1.36MB)
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