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令和4年度 近世文化展示室

◆ 菅茶山の世界
 江戸時代後期を代表する漢詩人で,教育者・儒学者の菅茶山(かんちゃざん)や,茶山と関係した人々が作成・収集を行った学問・文芸・芸術に関する資料である「重要文化財菅茶山関係資料」を公開し,近世の歴史・文化を紹介します。
「重要文化財菅茶山関係資料」へのリンク⇒​「重要文化財菅茶山関係資料」


◆ 守屋壽コレクション
 令和2年10月に当館に寄贈された国内最大級の古地図コレクション「守屋壽コレクション」の常設展示が始まりました。
「守屋壽コレクション」へのリンク⇒「守屋壽コレクション」

どちらも資料は2か月ごとに入れ替えます。

福山城築城400年記念ロゴマーク福山城400年博-FUKUYAMA CASTLE EXPO 2022-
共催:福山城築城400年記念事業実行委員会

♦第26回特集展示「茶山が収集したモノ【終了】
  会期:12月9日(金曜日)~1月31日(火曜日)
  共催:福山城築城400年記念事業実行委員会

展示の概要

今回の展示は,日本各地の文人たちとの交流や福山藩儒の業務を通じて,菅茶山が収集した書画や器物,古文書や絵図などを紹介します。

展示資料一覧 (PDF)

ここが見どころ

天門山之図
重要文化財 菅茶山関係資料 池大雅画「天門山之図」
(明和7年[1770])(当館蔵)

画像は,明和7年の京都遊学中(茶山23歳)に,収集したモノの一つです。
友人の飯田玄泉(いいだげんせん)の紹介で文人画家の池大雅(いけのたいが)と出会った茶山が,大雅に制作を依頼しました。
玄泉も同題の絵を持っていましたが,それには唐の李白(701~62)の詩(七言絶句「望天門山」か)が賛として書かれ,大雅の落款(らっかん)(作者の署名)は草書体(そうしょたい)でした。
これを嫌った茶山は李白の詩を省き,落款を楷書体(かいしょたい)へ変更した絵にするよう大雅に注文しています。
当時48歳の大雅が若干23歳の茶山の気持ちをくみ取り注文どおりに描き,とても真摯な態度だったと,茶山は絵を納めた箱に書き残しています。

 ※天門山は,安徽(あんき)省当塗(とうと)県の西南を流れる長江の両岸で,長江を挟(はさ)んで門のように対峙(たいじ)する二つの山の総称。

♦守屋壽コレクション「江戸幕府と日本地図」【終了】
  会期:12月9日(金曜日)~1月31日(火曜日)
  共催:福山城築城400年記念事業実行委員会

展示の概要

江戸幕府は通算で6度日本地図を製作しました。いずれの地図もその時代や社会状況も反映した「最先端の日本地図」であり、全国の大名を動員した大プロジェクトでした。
今回はコレクション所収資料から,幕府が製作した日本地図の変遷をたどります。

展示資料一覧 (PDF)

ここが見どころ

松浦静山識輿地全図(部分)
「松浦静山識輿地全図(まつらせいざんしきよちぜんず)(部分)」天明5年[1785]銘
 (守屋壽コレクション・当館蔵)

画像は,江戸時代後期の平戸藩主松浦静山が所蔵していた日本図で,8代将軍徳川吉宗の指示で作られた「享保の日本図」の写しです。
「享保の日本図」は,全国を方角測量して作られたことが特徴で,この地図中にはそれを示す赤い線が引かれており,制作過程が分かる貴重な資料です。
また,吉宗の時代の「享保の日本図」は長らく存在しないと思われていましたが,平成26年(2014)に本資料の存在が明らかとなり,新発見資料として大きな話題となりました。
この度,3年ぶりに公開します!
タテ150cm、ヨコ340cmの大型地図で見ごたえ十分です!!
この機会に是非御覧ください。

第19回全国藩校サミット福山大会関連事業
♦第25回特集展示「菅茶山と交流した藩儒たち【終了】
  会期:10月7日(金曜日)~12月4日(日曜日)
  共催:福山城築城400年記念事業実行委員会

展示の概要

儒学者であった菅茶山は,福山藩のお抱え儒学者である「福山藩儒」としての御用を務めるだけでなく,日本各地の藩儒たちとも交流していました。
今回の展示は,茶山のもとに残された他藩の藩儒たちの資料と,その交流を紹介します。

展示資料一覧 (PDF)

ここが見どころ

谷文晁画「対嶽楼宴集当日真景図(部分)」画像
重要文化財 菅茶山関係資料 谷文晁画「対嶽楼宴集当日真景図(部分)」
(文化元年[1804])(当館蔵)

上の絵は,文化元年(1804)に江戸にいた茶山が,柴野栗山(しばの りつざん)の邸宅を借りて開いた宴の様子です。
宴に参加した白河藩御用絵師の谷文晁(たに ぶんちょう)が描きました。
その他にも,寛政の三博士といわれた柴野栗山,尾藤二洲(びとう じしゅう),古賀精里(こが せいり),頼杏坪(らい きょうへい)(広島藩儒),鈴木芙蓉(すずき ふよう)(徳島藩御用絵師),倉成龍渚(くらなり りょうしょ)(中津藩儒)等が参加しました。

第19回全国藩校サミット福山大会関連事業
♦守屋壽コレクション「城絵図と藩校」【終了】
  会期:10月7日(金曜日)~12月4日(日曜日)
  共催:福山城築城400年記念事業実行委員会

展示の概要

11月19日(土曜日)・20日(日曜日)に福山市で開催される藩校サミットに合わせて,守屋壽コレクションに蒐集される各地の城絵図を展示します。
城下町の成り立ちや特徴を紹介するとともに,各城下町での藩校についても紹介します。

展示資料一覧 (PDF)

ここが見どころ

安芸国広島城図
「安芸国広島城図」(江戸時代 18世紀頃
 (守屋壽コレクション・当館蔵)

上の画像は,浅野氏時代の広島城下を描く絵図です。
構図は、浅野家伝来の「諸国当城之図」に収録される広島城の絵図(十七世紀後半頃の城や城下町の様子を描くとされる=景観年代)と酷似しています。また,文字情報も誤りを含めてほぼすべて踏襲されています。
その一方、地名や建物名は「諸国当城之図」よりも詳細で、城内の三の丸屋敷に「浅野因幡殿屋敷」(三次藩初代藩主浅野長治(あさの ながはる)、藩主在任:1632~75)とあるなど、新たな景観年代の情報を含んでいます。
18世紀に設立される藩校の姿はまだ見えず,17世紀後半の広島城下を描く絵図として貴重です。

♦第24回特集展示「福山藩儒 菅茶山」【終了】
  会期:8月5日(金曜日)~10月2日(日曜日)
  共催:福山城築城400年記念事業実行委員会

展示の概要

菅茶山は廉塾の経営者として有名ですが,福山藩の儒者でもあります。
茶山は,藩が行った様々な文化事業に携わっています。
今回は,福山藩儒としての茶山に関する資料を紹介します。

展示資料一覧 (PDF)

展示品の御紹介

風俗御問状答書
重要文化財 菅茶山関係資料 「風俗御問状答書(ふうぞくおといじょうこたえがき)
(文政2年[1819])(当館蔵)

幕府の学者である屋代弘賢(やしろひろかた)が,諸国に向けて出した風俗に関する質問状に対する答書です。
藩命によって,茶山が編纂しました。
質問の内容は,年中行事や風習などについてで,131項目に及びました。
上の画像は,鞆の浦での鯛網漁の様子を描いたものです。

♦守屋壽コレクション「福山城と福山藩関連資料」 【終了】
  会期:8月5日(金曜日)~10月2日(日曜日)
  共催:福山城築城400年記念事業実行委員会

展示の概要

コレクションの中から,福山城の絵図や福山藩主水野家,阿部家及び家臣に関わる資料を紹介します。

展示資料一覧 (PDF)

新発見!!
江戸時代の福山城石垣の新たな修復事例が判明!
当館所蔵の守屋壽コレクションの絵図資料 「備後国福山城絵図 備後国福山城損所之覚」が,宝暦 9年(1759)の福山藩阿部氏時代による福山城石垣修復に関連して作成された絵図であることが判明しました。
この資料は,今回の「福山城と福山藩関連資料」で展示しています。是非,この機会に御覧ください!

新発見の詳細はこちら (PDF)

備後福山城絵図
「 備後国福山城絵図 備後国福山城損所之覚」
(宝暦9年〔1759〕)(守屋壽コレクション・当館蔵)

展示品の御紹介

福山城並城下図
備後国福山御城並城下之図(びんごのくにふくやまおしろならびにじょうかのず)
17世紀末頃) (守屋壽コレクション・当館蔵)

福山城と城下の絵図です。
城の周辺の上級家臣の屋敷地には,水野家家臣の名前を記載した貼り紙が残ることから,本図は水野家時代のものと推測されます。
なお,本資料と同じ構図の福山城下の絵図は,地元を中心に残されており,阿部氏の時代のものも多く知られています。
本図は同類の図の中でも,早い時期のものと見られます。

♦第23回特集展示「菅茶山と廉塾」 【終了】
  会期:6月3日(金曜日)~7月31日(日曜日)
  共催:福山城築城400年記念事業実行委員会

展示の概要

茶山が地元の広島県福山市神辺町に開いた塾(後の廉塾)は現在,国の特別史跡に指定されています。
今回は,この塾で行われた教育と茶山の塾への思いについて紹介します。

展示資料一覧 (PDF)

ここが見どころ 初公開!!

額字「黄葉夕陽村舎」(修理前)額字「黄葉夕陽村舎」(修理後)
重要文化財 菅茶山関係資料 額字「黄葉夕陽村舎」 前:修理前,後:修理後
(寛政5年[1793])(当館蔵)

廉塾の講堂(講義が行われていた建物)に掲げられていた額です。
中国(清)の年号で「乾隆(けんりゅう)五十八年」と記されており,寛政5年(1793)に書かれたものと思われます。
額に記名がないため作者は不明ですが,「廉塾誌」には清人の陳養山(ちんようざん)が書いたと記されています。
令和3年度に修理した資料です。

♦守屋壽コレクション「近代備後地域の商業資料~『備後の魁(さきがけ)』と引き札~」 【終了】
  会期:6月3日(金曜日)~7月31日(日曜日)
  共催:福山城築城400年記念事業実行委員会

展示の概要

明治17年(1884)に刊行された備後地域の名産を地域別に図入りで記載した小冊子『備後の魁(さきがけ)』と,明治期の福山・尾道など備後地域の商業広告(引き札)を中心に,当時の備後地域の商工業について,紹介します。

展示資料一覧 (PDF)

ここが見どころ

「備後鞆津西町 油屋 太田新蔵」
 『備後の魁』「備後鞆津西町 油屋 太田新蔵」(明治17年[1884]
 (守屋壽コレクション・当館蔵)

『備後の魁』の挿絵からは,明治10年代のこの地域の産業や風俗をうかがうことができます。
これは鞆の浦の商家「油屋(太田新蔵)」を紹介した挿絵です。
この店では備後国の特産の畳表と花茣蓙(はなござ),東城の煙草(たばこ),船舶の道具を扱っています。
挿絵の右下端に錨(いかり)が描かれており,鞆鍛冶(ともかじ)が製作したものと見られます。
明治時代になってから見られるようになった笠を被った洋装の郵便配達員が,手紙を届ける姿も描かれています。

 

第22回特集展示「菅茶山と白河藩【終了】
  会期:4月1日(金曜日)~5月29日(日曜日)
  共催:福山城築城400年記念事業実行委員会

展示の概要

白河藩主で元老中の松平定信は文化財への関心が高く,尾道の浄土寺にある「観世音法楽和歌」に興味を示し,茶山に写しの作成を依頼しています。
今回の展示では,この「観世音法楽和歌」を特別公開し,定信,白河藩士と茶山の親密な交流について紹介します。

展示資料一覧 (PDF)

展示品の御紹介

観世音法楽和歌
重要文化財「紙本墨書観世音法楽和歌(部分)」
(建武3年[1336])(尾道市浄土寺蔵)

「観世音法楽和歌」は建武政権に反旗を翻した足利尊氏が,九州から京都へ向かう途中に尾道に立ち寄り,戦勝を祈願して浄土寺に奉納しました。
詠人は尊氏の外,弟の直義ら6名で,写真右下の花押は尊氏のものです。元老中の松平定信は古器物に興味があり,この法楽和歌の写しが欲しいと,家臣を通じて茶山に依頼しています。
浄土寺の宝物館でしか見ることのできないものを当館にて御覧いただける,またとない機会です!       

磁盃
「磁盃」(江戸時代)(当館寄託資料)

→磁杯に関する茶山マンガはこちら

守屋壽コレクション「蘭学と地図」【終了】
  会期:4月1日(金曜日)~5月29日(日曜日)
  共催:福山城築城400年記念事業実行委員会

 

展示の概要

今回の展示では,コレクションの中から,「解体新書」など蘭学の書籍と,「蘭学系世界地図」と呼ばれる日本語に翻訳された西洋の地図の変遷を紹介します。

展示資料一覧 (PDF)

ここが見どころ

司馬江漢「地球図」寛政4年(1792)
 「地球図」司馬江漢(寛政4年[1792]) (守屋壽コレクション・当館蔵)

  学者・洋風画家で,日本の銅版画の草分け的存在である司馬江漢(しばこうかん)による国内初の銅版世界地図です。
  大槻玄沢(おおつきげんたく)がオランダ人から入手した1720年頃の西洋製の世界地図を基に製作しました。
  地図周辺には海獣イッカクや香辛料のニクズク,サフランなどの図が並んでいます。

解体新書
「解体新書」杉田玄白,前野良沢ほか(安永3年〔1774〕)
 (守屋壽コレクション・当館蔵)

令和4年度 近世文化展示室展示スケジュール

【終了】
▷第22回特集展示「菅茶山と白河藩」
▷守屋壽コレクション「蘭学と地図」
4月1日(金)~5月29日(日)

【終了】
▷第23回特集展示「菅茶山と廉塾」
▷守屋壽コレクション「近代備後地域の商業資料~『備後の魁』と引き札~」
6月3日(金)~7月31日(日)

【終了】
▷第24回特集展示「福山藩儒 菅茶山」
▷守屋壽コレクション「福山藩と福山藩関連資料」
8月5日(金)~10月2日(日)

【終了】
▷第25回特集展示「菅茶山と交流した藩儒たち」
▷守屋壽コレクション「城絵図と藩校」
10月7日(金)~12月4日(日)

【終了】
▷第26回特集展示「茶山が収集したモノ」
▷守屋壽コレクション「江戸幕府と日本地図」
12月9日(金)~1月31日(火)

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