◆ 「菅茶山の世界」
・江戸時代後期を代表する漢詩人で,教育者・儒学者の菅茶山(かんちゃざん)や,茶山と関係した人々が作成・収集を行った学問・文芸・芸術に関する資料である「重要文化財菅茶山関係資料」を公開し,近世の歴史・文化を紹介します。
◆ 守屋壽コレクション
・令和2年10月に当館に寄贈された国内最大級の古地図コレクション「守屋壽コレクション」の常設展示が始まりました。
どちらも資料は2か月ごとに入れ替えます。
福山城400年博-FUKUYAMA CASTLE EXPO 2022-
共催:福山城築城400年記念事業実行委員会
展示の概要
白河藩主で元老中の松平定信は文化財への関心が高く,尾道の浄土寺にある「観世音法楽和歌」に興味を示し,茶山に写しの作成を依頼しています。
今回の展示では,この「観世音法楽和歌」を特別公開し,定信,白河藩士と茶山の親密な交流について紹介します。
展示品の御紹介
重要文化財「紙本墨書観世音法楽和歌(部分)」
(建武3年[1336])(尾道市浄土寺蔵)
「観世音法楽和歌」は,建武政権に反旗を翻した足利尊氏が,九州から京都へ向かう途中に尾道に立ち寄り,戦勝を祈願して浄土寺に奉納しました。
詠人は,尊氏の外,弟の直義ら6名で,写真右下の花押は尊氏のものです。元老中の松平定信は古器物に興味があり,この法楽和歌の写しが欲しいと,家臣を通じて茶山に依頼しています。
浄土寺の宝物館でしか見ることのできないものを,当館にて御覧いただける,またとない機会です!
「磁盃」(江戸時代)(当館寄託資料)
展示の概要
今回の展示では,コレクションの中から,「解体新書」など蘭学の書籍と,「蘭学系世界地図」と呼ばれる日本語に翻訳された西洋の地図の変遷を紹介します。
ここが見どころ!
「地球図」司馬江漢(寛政4年[1792]) (守屋壽コレクション・当館蔵)
学者・洋風画家で,日本の銅版画の草分け的存在である司馬江漢(しばこうかん)による国内初の銅版世界地図です。
大槻玄沢(おおつきげんたく)がオランダ人から入手した1720年頃の西洋製の世界地図を基に製作しました。
地図周辺には海獣イッカクや香辛料のニクズク,サフランなどの図が並んでいます。
「解体新書」杉田玄白,前野良沢ほか(安永3年〔1774〕)
(守屋壽コレクション・当館蔵)
▶第23回特集展示「菅茶山と廉塾」
▶守屋壽コレクション「近代備後地域の商業資料~『備後の魁』と引き札~」
6月3日(金)~7月31日(日)
▶第24回特集展示「福山藩儒 菅茶山」
▶守屋壽コレクション「福山藩と福山藩関連資料」
8月5日(金)~10月2日(日)
▶第25回特集展示「菅茶山と交流した藩儒たち」
▶守屋壽コレクション「城絵図と藩校」
10月7日(金)~12月4日(日)
▶第26回特集展示「茶山が収集したモノ」
▶守屋壽コレクション「江戸幕府と日本地図」
12月9日(金)~1月31日(火)