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守屋壽コレクション

守屋壽(もりやひさし)コレクションとは

守屋 壽コレクションは、守屋 壽氏が、16~19世紀を中心とする日本及び西洋の地図の発展並びに同時期の日本と諸外国との文化交流を示す歴史資料を核とし、近世・近代の鞆の浦や福山市、広島県に関わる資料などをテーマの柱とし、長年にわたり蒐集、形成された日本屈指のコレクションであり、その形成に当たっては、守屋 壽氏の友人である小木佳苗氏の尽力、貢献によるところが大きい。


平成26年2月に848点が当館に寄託され、「幻の江戸幕府の日本地図」と言われ、現存しないと考えられていた「享保の日本図」がコレクション内に含まれていることが判明し話題となりました。その後も追加で寄託され、合計で1,226点となりました。


 そして令和2年10月1日、新たに124点を加えた合計1,350点が、当館に寄贈されました。
 寄贈された資料は、近世文化展示室で2か月ごとに資料を入れ替えて展示しています。

 

 近世文化展示室へのリンク  ⇒近世文化展示室

 

▷主な資料の画像と解説等の情報は
収蔵品データベースへのリンク 収蔵品データベース(外部リンク)
(「分類」の右の▼から「守屋壽コレクション」を選択してください。)

 

▷コレクションの資料一覧は、以下のファイルから御覧いただけます。

 

1 守屋壽コレクションの概要

コレクションは、西洋製の古地図、日本製の古地図、近世日本の対外交渉史関係資料の郷里である広島県福山市にゆかりのある資料などで構成され、このうち核となる古地図資料は451点を数えます。

内訳は、西洋など外国製古地図・絵図が158点、日本製古地図・絵図が293点で、個人コレクターが所有する古地図のコレクションとしては、国内最大の規模です。


本コレクションの特色としては、単に数量だけでなく内容の質が高いことです。国内外の貴重な古地図資料が充実しており、15世紀~19世紀までの地図の製作史をたどることができます。また、シーボルトやペリー、朝鮮通信使など、近世日本の国際的な文化交流を示す資料も充実しています。

区分

点数

歴史資料

外国製古地図・絵図

158点

日本製古地図・絵図

293点

古文書・古典籍など

297点

絵画資料 

198点

そのほか(地図皿・古写真など)

194点

小 計

1,140点

図 書 資 料

210点

コレクション合計

1,350点

 

2 コレクションの見どころ

(1)西洋製地図コレクション
日本が描かれる前の世界地図や伝説の国「ジパング」として描かれた時代の地図から、大航海時代を経て、徐々に日本列島の形が整っていく変遷の様子をたどることができます。
日本に関係する西洋製古地図の個人コレクションでは、国内髄一の規模と内容を誇ります。

 

(2)近世の日本製地図コレクション
江戸時代の世界地図については、ほぼ網羅されています。日本初の木版世界図の「万国総図」・「世界人物図」の対幅や、江戸時代最大の木版地図である「円球万国地海全図」など貴重な資料を含んでいる点も特筆されます。日本地図については、室町時代の行基図と呼ばれる日本地図「日本扶桑國之図」や石川流宣(とものぶ)、長久保赤水(せきすい)などの江戸時代を代表する地図を網羅しています。
また幕府が製作した日本地図については、島原の乱ののちに製作した地図(写し)や「幻の日本図」とされた徳川吉宗の「享保の日本図」、伊能忠敬が作成した東日本の地図の写本(文化元年東日本小図)も含まれています。

 

(3)近世日本の諸外国との交流を示す資料群
 国内の資料では、「解体新書」、「蘭学階梯」、「蘭学事始」など蘭学関係のものや長崎のオランダ人をはじめとする西洋人や中国人に関する絵画資料、ロシア使節レザノフやプチャーチンに関する資料、朝鮮通信使、琉球使節などに関する資料、ペリー来航に関する資料などがあります。
また海外の資料では、ケンペル、シーボルト、ペリーが日本について紹介した書籍の原著があります。

 

(4)郷土に関連する資料群
 近世~近代の鞆の浦に関する資料、福山城の絵図、福山藩主であった水野家や阿部家に関する資料など、福山の歴史に関する資料のほか、幕府の指示で製作された正保の「安芸国絵図」(写し)や、「厳島図屏風」など広島県の歴史にかかわる貴重な資料も含まれています。

 

3 主な資料 

 

(1)西洋製の地図コレクション

プトレマイオスの世界図
シェーデル「プトレマイオスの世界図」(1493年)
アメリカ大陸が描かれる前の世界図で、15世紀の印刷物としても貴重な資料。
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ラングレン「東アジア図」
ラングレン「東アジア図」(1596年)
15世紀後半にポルトガルで作成された地図をもとにしたもので、日本は西日本のみの「エビ型」に描かれている。
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メルカトルアジア図
メルカトル「アジア図」(初版1595年,1620年版)
「メルカトル図法」で知られる地図学者が製作・出版した初の世界地図帳『アトラス』の中のアジア図。
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ダッドレー「日本図」
カルディム「日本図」(1646年)
イエズス会士が作図したものを原図とした「モレイラ型」と呼ばれる初期の日本図で、希少資料。
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(2)日本製の地図コレクション

万国総図   世界人物図
左:「世界人物図」正保2年(1645年) 右:「万国総図」正保2年(1645年)
「万国総図」は日本初の木版世界地図。セットで製作されたが完存するのは、本例以外に1対のみ。
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司馬江漢「地球図」寛政4年(1792)
司馬江漢「地球図」 寛政4年(1792)
江戸時代後期を代表する洋風画家で、蘭学者による日本初の銅版の世界図。
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円球万国地海全図
石塚崔高(いしづかさいこう)「円球万国地海全図」享和2年(1802)
薩摩藩主島津重豪(しげひで)の命により刊行された近世最大の木版製世界地図。
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日本扶桑國之図
「日本扶桑国之図」(室町時代)
室町時代に写された日本地図(「行基図」)。
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日本図
「日本図」江戸時代
島原の乱の教訓から、幕府が製作した日本図の写し。島原に地名が多い特徴は、ほかに例を見ない。日本の地図研究史上、重要な資料。
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松浦静山旧蔵日本図
建部賢弘(たけべかたひろ)「松浦静山旧蔵日本全図(「享保の日本図」)」天明5年(1785)銘
江戸時代後期の平戸藩主松浦静山が所蔵していた日本図で、徳川吉宗のとき制作された「享保の日本図」。
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伊能図文化元年東日本小図
「従尾張国至蝦夷北極出地度量図(沿海地図)及び同図説」
江戸時代後期の測量家伊能忠敬が、文化元年(1804)年に作成した地図の写本。写したのは、越後高田藩の鈴木甘井(かんせい)
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大坂冬の陣図
「大坂冬の陣図」17世紀後半ころ
タテ189cmでヨコ115cmの大型で精緻な大坂冬の陣図。大坂の陣後、50年ほど経った17世紀後半ころの作成とみられる。大坂城の外堀の右下隅に、円弧状に張り出して描かれるのが真田丸で、「真田左衛門」の文字が記されている。

 

(3)近世日本の諸外国との交流を示す資料

ロシア船建造図巻
「露西亜(ロシア)船建造図巻」江戸時代末期
「安政の大地震」による津波で、ロシア使節プチャーチン一行の船が大破したため、日本の船大工とロシア人が協力して新たに洋式船を建造したエピソードを今に伝える絵巻物。
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五稜郭図
「箱館柳野新築陣営之図」安政3年(1856)
安政3年(1856)に築城が開始された五稜郭の絵図。計画当初の設計図を描く。函館の地形が描かれる点で独特。
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ハイネ画「ペリー肖像」
ハイネ画「ペリー提督肖像」(1856年)
『ペリー艦隊日本遠征記』石版グラフィックシーン10枚セットから。
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(4)郷土に関する資料群

「備後国図」(17世紀)
「備後国図」江戸時代
寛永10年(1633)に幕府が作成した日本図の資料とされた国絵図の写し。
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安芸国絵図
「安芸国絵図」江戸時代前期・17世紀
幕命で製作された正保の国絵図の一つ。本資料は3例目で、県内保管では唯一。

 

「備後国福山御城並城下之図」(江戸時代)
「備後国福山御城並城下之図」17世紀末頃
福山城と城下を描いた絵図で、武家屋敷に水野氏時代(17世紀末ころ)の家臣名の付箋がある。
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