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闘茶札(とうちゃふだ)

闘茶札(とうちゃふだ)(草戸千軒町遺跡出土・14世紀前半)

 全国で唯一の貴重品
 室町時代には,産地の異なる複数の茶を飲み分けて勝敗を競う闘茶という遊びがあった。江戸時代初期に廃絶したと考えられる闘茶は,その実態が解明されていない。闘茶のやり方や道具が伝わらない中,草戸千軒町遺跡から全国唯一の闘茶札が出土した。

 室町時代に行われたお茶の飲み比べ遊びに使われた札
 草戸千軒町遺跡から出土した闘茶札は,次のA(10点)とB(4点)の二種類に分類できる。
 
A 形が「物差し」状のもので,幅に比して長さが数倍長い。
 「本 非」(ほん ぴ)
 「都 鄙」(と ひ)
 「新 古」(しん こ)
 「一 二」(いち に)
 「本」は京都栂尾産の茶,「非」栂尾産以外の茶,
 「都」は京都産の茶,「鄙」は地方産の茶,
 「新」は新茶,「古」は古い茶のことと思われる。 
いずれもお茶を飲み分けて,どのお茶かを当てる「闘茶」に使用されたと考えられる。
 B 形や大きさが将棋の駒に近い。
 それぞれ「客」「二」と墨書が読み取れるものがある。
 十種茶(四種のお茶を味で飲み分ける闘茶)で使用されたと考えられる。
 ただし,十種茶と同じ構造で,香木の香りを聞き分ける十種香で使用された可能性もある

 幻の闘茶
 茶道の伝書すら闘茶を記録していないため,室町時代の軍記物や往来物(おうらいもの)などの断片的な描写や記録紙(闘茶の成績表)を手掛かりとして,闘茶の様子を想像復元するしかない。
 例えば『太平記』が描く架空の闘茶会や,室町時代の教科書『異制庭訓往来』が掲載する闘茶の種目名などが情報となる。草戸千軒町遺跡の出土資料は,闘茶会の参加者が木札(闘茶札)を使って回答したことを,明らかにしたのである。

写真・闘茶札

 草戸千軒町遺跡出土の闘茶札 (※左2点がB,右から4点がA)
 (いずれも重要文化財広島県草戸千軒町遺跡出土品)

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