□令和5年8月に移転・リニューアルオープンした動物愛護センターは、野良犬や野良猫の収容が多い広島県の現状を踏まえて、主なコンセプトとして
・譲渡促進のための施設
・命について学ぶ施設
・人が集まる施設
を掲げ、特に犬猫の譲渡事業、普及啓発事業に力を入れて取り組んでいます。
□それだけ多くの方に動物愛護センターのこと(業務のこと)や、保護犬や保護猫のことを知っていただけたということなので、今後の収容頭数の減少や譲渡頭数の増加に繋がると考えています。
県の実績 | 種類 | 令和5年度 | 令和4年度 |
---|---|---|---|
保護・引取頭数 | 犬 | 621 | 989 |
猫 | 369 | 284 | |
計 | 990 | 1,273 | |
個人譲渡頭数 | 犬 | 171 | 181 |
猫 | 75 | 56 | |
計 | 246 | 237 |
□保護・引取頭数は、犬が令和4年度から大幅に減少(368頭)しました。一方、猫は増加しており(85頭)、その理由として、猫の多頭飼育崩壊事例が増えていることが挙げられます。
□個人譲渡頭数は、犬は令和5年度からわずかに減少しました(10頭)。個人譲渡頭数は増えませんでしたが、保護・引取頭数が大幅に減少し、譲渡適性の高い犬の収容も減る中で、昨年度並みの頭数を維持できました。
□リニューアルオープン後は、譲渡展示室の運営を広島未来動物共生(株)が担っているため、県は譲渡用となる前の個体の健康管理や馴化・社会化に注力できるようになっており、これまで譲渡できていなかった臆病な個体なども徐々に譲渡できるようになっています。
□個人譲渡率は、保護・引取頭数が大幅に減った影響で、大きく上昇しました。個人譲渡率は、本県の「動物愛護管理推進計画」の中で数値目標として設定しており、県が重要視している数値です。
□リニューアルオープン後は、土曜日と日曜日も開館して、譲渡会や動物ふれあいなどの普及啓発事業を実施しています。週末の施設運営は官民で分担しており、土曜日は県、日曜日は広島未来動物共生(株)が運営しています。
□毎週土曜日は県が、譲渡会や、犬のお散歩体験、バックヤードツアーなどを行う「レギュラーイベント」を実施しており、令和5年度は計31回実施しました。また、「オープニングイベント」や、「どうぶつ愛護のつどい」、「広島ワンヘルスデー」などの特別イベントを3回開催しました。
□日曜日・祝日は、民間の動物愛護団体やボランティアの譲渡会などが頻繁に開催されました。令和5年度は計24回(内22回は譲渡会)もの開催があり、地元広島の動物愛護団体やボランティアの方が一緒に新センターを盛り上げてくれています。
□また、日曜・祝日で動物愛護団体やボランティアの譲渡会等が開催されない日は、広島未来動物共生(株)が譲渡展示している動物のふれあいを実施しており、令和5年度は計15回実施しました。
□土曜日の県のレギュラーイベントは、大きく飼い主向けと一般向け(主に動物を飼っていない方が対象)に分けられます。
□利用者が多かったのは、子供に大人気の「わんことお散歩体験」、大人にも人気の高かった「猫ふれあい体験」、「バックヤードツアー」などでした。
□新センターを運営していく中で、小さな子供(小学3年生以下)向けの動物ふれあい事業のニーズが高まったため、令和6年1月から、「親子DE動物ふれあい教室」を開始しました。
□飼い主向けの教室やセミナーは、新たに犬や猫を飼い始めた方の適正飼養をサポートする重要な取り組みでありますので、今後も地道に継続していきます。
□日曜・祝日には、民間譲渡会が頻繁に開催されており、動物愛護団体やボランティアの方が自分たちで保護した犬や猫を譲渡しています。この民間譲渡会の開催は、新センターになってからの新たな取り組みで、令和5年度は計22回開催されました。
□民間の譲渡会では、その場ですぐに犬や猫を引き渡すことはしていませんので、譲渡希望者と一旦話がまとまった件数を、トライアル決定件数として計上しています。令和5年度の件数は、犬が7件、猫が63件でした。
□譲渡会1回当たりでは3件程度になりますが、この件数は、動物愛護団体やボランティアの方が他の会場で実施している譲渡会と同程度になります。
□民間譲渡会は、土曜日の県の譲渡会と異なり、猫が多く(県は子犬が多い)、犬猫関連グッズが販売されたり、キッチンカーが出店されることもあります。また、会場もブルーヴ研修室(県はアイディオー譲渡犬猫展示室)を使用していますので 、土曜日の県の譲渡会とは趣が異なっています。
□平日(火~金曜日)の普及啓発業務として、動物愛護教室を実施しています。動物愛護教室には、動物ふれあいを中心とした内容で小学3年生以下を対象とした「ふれあい動物愛護教室」と、小学4年生以上を対象とした「命を考える動物愛護教室」があります。
□令和5年度は、 「ふれあい動物愛護教室」を5回、 「命を考える動物愛護教室」を12回、計17回実施しました。
□「命を考える動物愛護教室」では、野良犬・野良猫のこと、不適正飼養や無責任なエサやりのこと、殺処分のことなどを挙げて、参加者に命の大切さを考えてもらっています。
□きれいなwhitefoxふれあいパーク(芝生の広場)やブルーヴ研修室で食事も摂れるため、遠足や社会見学として利用された保育園や小学校もありました。