広島への原爆投下・復興について
核兵器の現状
広島県・へいわ創造機構ひろしま(HOPe)の取り組み
多様な主体の取り組み
参加・行動する

 広島県と2017年にノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、核兵器と安全保障を学び、世界に具体的に貢献し、グローバルに活躍できるリーダーの養成を目指す「核兵器と安全保障を学ぶ 広島-ICANアカデミー」を開講しています。

広島-ICANアカデミーとは

◆名 称:核兵器と安全保障を学ぶ 広島-ICANアカデミー(英語名称: Hiroshima-ICAN Academy on Nuclear Weapons and Global Security)

◆主 催:広島県、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)

◆趣 旨:核兵器と安全保障に関する研修を通して、世界に具体的に貢献し、グローバルに活躍できるリーダーの育成を目指す。

Group photo of Hiroshima-ICAN Academy 2024

 

開催の背景

 1945年8月に広島と長崎に投下された二つの原子爆弾によって、同年末までに広島では約14万人、長崎では7万人を超える方が亡くなられたと推計されています。生き残った方々も、核爆発によって大量に放出された放射線の影響により人体に深刻な障害が引き起こされ、今なお多くの方が障害によって苦しんでいます。 

 しかし、世界には依然として12,520発(2024年6月推計)もの核兵器が存在すると推計されています。そればかりか、核兵器を保有する国は1964年には5か国だったのが、今や9か国にまで増えています。核兵器の拡散防止のための様々な国際的な努力に関わらず、近年では、核兵器の小型化やサイバー技術の発展に伴う新たな核のリスクが高まっています。多くの国々が未だ、これらの核兵器によって国際的な安全が保たれるという考え方にとらわれています。

 広島は、人類史上はじめて核兵器の非人道的な惨害を経験した被爆地として、核兵器に依存した安全保障からの脱却を世界に訴えてきました。

 近年、核兵器の非人道性に関する認識が世界に広がり、2017年には国連で核兵器禁止条約が採択されました。これに貢献した世界の非政府組織(NGO)の連合体「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)は、同年ノーベル平和賞を受賞しました。

  2019年、広島県とICANはパートナーシップを結び、世界の平和に貢献する若いリーダーを育てるための国際的なプログラムを広島で開始することとしました。こうして始まったのが「核兵器と安全保障を学ぶ広島-ICANアカデミー」です。その第1回が2019年に開催され、2020年、2021年はコロナ禍によりオンラインでの開催となりましたが、2022年以降、広島にて対面プログラムを毎年実施しています。

 広島で平和を学んだ将来を担う若い世代が、戦争で傷ついた地域の復興を支える取組に参画するなど、様々な形で平和を希求する活動に持続的に関わることで、 世界中に共感の輪が広がり、国際社会に影響を与え、安心して暮らせる平和な世界の実現に貢献することを目指しています。

平和記念公園ツアーの様子_広島-ICANアカデミー2024

プログラムの内容

 プログラムは、以下の4つの内容を柱として構成されています。

◆ 核兵器の人道的影響
◆ 核兵器と安全保障に関する政治的・法的・技術的側面
◆ 市民社会の活動
◆ 核軍縮と安全保障のための外交と国連の役割

 ※ 講義は全て英語にて実施されます。
 ※ 講師には国内外の専門家、国連関係者、各国大使、NGOメンバー等を迎えて実施しています。

広島-ICANアカデミー 2024 講義の様子

 

過去の開催について

広島-ICANアカデミー 2024(第6回)

 2024年度の広島-ICANアカデミーは、世界各国から選考を通過した参加者が、10月16日(水)から開催のウェビナーによる学習を経て、11月13日(水)から16日(土)の4日間、広島に滞在し、各種講義や被爆者との交流、実地研修等を盛り込んだプログラムに参加しました。

◆テーマ:Sustainable Security for All(持続可能な安全保障を全ての人に)
参加者:15か国・地域から21名(第1部、第2部)
 ※ 核兵器国(NPT規定の核兵器国)からの参加者 10 名(中、仏、英、米)
 ※ 非核兵器国から 11 名(日本、台湾、ウズベキスタン、ボスニア-ヘルツェゴヴィナ、イタリア、ノルウェー、ウクライナ、ケニア、カナダ、アルゼンチン、オーストラリア)

2024 日程
【第1部】オンライン・ラーニング&ウェビナー・セッション

◆開催日:令和6年10月16日(水)、18日(金)、21日(月)、24日(木)、28日(月)
 ※ 10月16日(水)はオリエンテーションのみ。
 ※ 核兵器や安全保障について、各分野の専門家等の講師から、オンライン講義を受講。

【オンライン・ラーニング&ウェビナー・セッション スケジュール】

日 程

内 容

講 師(敬称略)

10/18(金)

核兵器の人道的影響
(The humanitarian consequences of nuclear weapons)

二川一彦 (胎内被爆者)
メアリー・ディクソン (核実験風下住民)

10/21(月)

現在の核リスクと将来の核リスク
(Current and future nuclear risks )

ローラ・コンシダイン (リーズ大学(英国)教授)
ヤスミン・アフィナ
(国連軍縮研究所(UNIDIR)研究員)

10/24(木)

核兵器の社会・経済・環境への影響
(The social, economic, and environmental impacts of nuclear weapons)

ロバート・ジェイコブズ (広島市立大学教授)
フランツィスカ・シュタルク
(ハンブルク大学平和研究・安全保障政策研究所研究員)

10/28(月)

核軍縮のための国連と市民社会の役割
(The roles of the UN and civil society)

メリッサ・パーク
(核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)事務局長)
クリストファー・キング
(国連軍縮部(UNODA)大量破壊兵器部門)

(所属等は実施時のものです)

平和記念公園ツアーの様子(2)_広島-ICANアカデミー 2024

【第2部】広島セッション

◆開催日:令和6年11月13日(水)~16日(土)
◆場 所:広島市内(平和記念公園等)
 ※ 被爆者の証言の聴講や実地研修等を実施。

【広島セッション 主なスケジュール】

月日

時間

行事内容

場所

11/13(水)

10:00-12:00

オープニング、オリエンテーション

サテライトキャンパス
ひろしま

13:00-15:00

平和記念公園 見学

平和記念公園

15:00-17:00

平和記念資料館 見学

平和記念資料館

18:30-20:00

歓迎夕食会

ANAクラウンプラザホテル
広島

11/14(木)

9:30-11:00

被爆者との交流

サテライトキャンパス
ひろしま

11:30-12:30

昼食会
(被爆者を囲んで)

サテライトキャンパス
ひろしま

12:30-13:15

被爆者との交流 振り返り

サテライトキャンパス
ひろしま

14:00-16:00

放射線影響研究所(RERF)訪問・見学

放射線影響研究所(比治山)

16:00-16:30

比治山周辺 見学(陸軍墓地など)

比治山周辺

18:00-19:00

ICANについて
(講師:ICAN ティム・ライト氏)

サテライトキャンパス
ひろしま

19:00-21:00

広島のユースアクティビストとの交流

サテライトキャンパス
ひろしま

11/15(金)

11:00-12:00

広島県知事表敬

広島県庁

13:30-14:30

広島市長表敬

平和記念資料館会議室

16:00-18:00

講義:外国人被爆者について
(講師:多賀 俊介氏)

サテライトキャンパス
ひろしま

11/16(土)

8:00- 9:30

広島市内見学
(テーマ:被爆樹木と戦後の広島)

広島市内

9:30-12:00

成果発表準備

エソール広島

13:00-14:00

研修成果発表及び意見交換会
(公開セッション)

エソール広島

14:30-16:00

クロージング

エソール広島

被爆者との交流_広島-ICANアカデミー

広島-ICANアカデミー 2023(第5回)

◆テーマ:「核兵器とグローバルリスク」(Nuclear Weapons and global risks)
◆参加者:18か国29名
 核兵器国からの参加者 :14名 (中国、フランス、ロシア、英国、米国)
 非核兵器国からの参加者:15名 (日本、韓国、台湾、インド、ネパール、トルコ、レバノン、イタリア、ウクライナ、ケニア、モロッコ、ブラジル、ペルー)
 ※ 核兵器国は、核兵器不拡散条約(NPT)の規定による。

 

2023 日程
(第1部)オンライン・ラーニング&ウェビナー・セッション

◆開催日:10月4日(水)、6日(金)、11日(水)、12日(木)、13日(金)、31日(火)
 ※ 核兵器と安全保障について、国連関係者や安全保障の専門家などの講師から、オンラインで学ぶ。

(第2部)広島セッション

◆開催日:10月24日(火)~27日(金)
◆会 場:サテライトキャンパスひろしま(広島県民文化センター 5階 広島県広島市中区大手町1丁目5-3) 他
 ※ 各参加者を広島に受け入れ、被爆者の証言の聴講や実地研修等を実施。 

 

広島-ICANアカデミー 2022(第4回)

◆テーマ:「核兵器と持続可能性」(Nuclear Weapons and Sutainability)
◆参加者:20か国29名
 核兵器国からの参加者 :14名 (中国、フランス、ロシア、英国、米国)
 非核兵器国からの参加者:15名 (日本、モンゴル、インド、ウズベキスタン、イラク、レバノン、オーストリア、イタリア、ルワンダ、南アフリカ、ザンビア、ブラジル、メキシコ、オーストラリア、フィジー)
 ※ 核兵器国は、核兵器不拡散条約(NPT)の規定による。

2022 日程
(第1部)オンライン・ラーニング&ウェビナー・セッション

◆開催日:10月25日(火)、28日(金)、11月1日(火)、4日(金)
 ※ 核兵器と安全保障について、国連関係者や安全保障の専門家などの講師から、オンラインで学ぶ。

(第2部)広島セッション

◆開催日:11月9日(水)~12日(土)
◆会 場:合人社ウェンディひとまちプラザ南館5階(広島県広島市中区袋町6-36) 他
 ※ 各参加者を広島に受け入れ、被爆者の証言の聴講や実地研修等を実施。 

 

広島-ICANアカデミー 2021(第3回)

※新型コロナウイルス感染症の影響によりオンラインのみで開催

◆参加者:18か国 31名(核兵器国 5か国 15名、非核兵器国 13か国 16名)

 

広島-ICANアカデミー 2020(第2回)

※新型コロナウイルス感染症の影響によりオンラインのみで開催

◆参加者:20か国 31名(核兵器国 5か国 15名、非核兵器国 15か国 16名)

 

広島-ICANアカデミー 2019(第1回)

※広島で対面プログラムを開催

◆参加者:11か国 15名(核兵器国 5か国 8名、非核兵器国 6か国 7名)

 

上にもどる