特殊器台 |
特殊壺 |
昭和52(1977)年の矢谷墳丘墓(三次市)の発掘調査で出土した、特殊壺・特殊器台・土器・鉄器・玉類などが指定されています。
指定品の中で特に目を引く特殊器台と特殊壺は、弥生時代後期(2~3世紀)に、吉備南部(現在の岡山県南部)で、有力者の墓に供えるために特別に大きく作られた土器で、吉備から出雲や近畿など各地へ運ばれることもありました。
特殊器台は、高さ99.5cm、口径47.5cmの大型の土器です。表面には、通常の弥生土器にない謎めいた渦巻文様や巴形や三角形の透しが施されており、特別な儀式のための道具であったことを示しています。
特殊壺は、特殊器台の上にのる高さ61.8cm、口径32.7cmの大きな壺で、底は初めからなく、特殊器台同様に儀式用であったと考えられます。
特殊器台や特殊壺は、古墳時代の円筒埴輪の起源と考えられている重要な資料で、これらの出土品をとおして古墳出現前の墳墓や葬送儀礼のあり方、吉備と出雲との関係を推測することができる好例として、平成6年(2004)に重要文化財に指定されました。
(※矢谷墳丘墓は、「矢谷古墳」という名称で、史跡に指定されています。)
矢谷墳丘墓全景 |