広島県の挑戦の「最前線」を紹介します!
人生をもっと“ひろびろ”と ひろしま移住「HIROBIRO.」
今回,このプロジェクトに携わる地域政策局地域力創造課の皆さんに話を聴きました。
―ひろしま移住「HIROBIRO.」とはどんなプロジェクトですか?
有田:移住を通して,人生の可能性を広げたい,チャレンジしたい,そういった方を応援するために,東京に設置した相談窓口を中心に,移住を希望する相談者に寄り添ってサポートしています。
―県が東京に移住相談窓口を設置するのはどうしてですか?
森上:私が担当している東京相談窓口は,広島と東京を繋ぐ重要な役割を担っていると思っています。
東京に相談窓口があることで,移住希望者は気軽に相談でき,広島と繋がる身近な存在として感じていただけるのではないかと思っています。
―東京の相談窓口では,どのように活動していますか?
森上:移住相談は人生相談の側面がありますので,広島への移住によって人生を豊かにして頂きたいという想いで,おひとりおひとりに寄り添った形で,日々,相談者の方々と向き合っています。
移住の取組は,県庁スタッフはじめ,受け皿となる,各市町や地域の方々と連携のもと進められるものですから,信頼関係を構築できるよう,丁寧なやりとりを心がけています。
移住者にとって,より良い形での移住の実現が,広島にとって活力となる取組に繋がると信じて,活動しています。
―広島の県庁と東京の相談窓口は,どのように連携しているのですか?
有田:東京の相談窓口では,東京の動きをリアルタイムでキャッチして,広島の県庁に情報提供してもらっています。
その情報をもとに,首都圏のどのような人にどういった広島県の魅力を伝えれば,その人の未来に光を当てられるかなどを,しっかりと分析し,移住イベントなどを通じた情報発信や移住者を受け入れる仕事の掘り起こし,地域とのネットワークづくりなどを行っています。
首都圏に居住している方に,広島でのより良いライフスタイルを提案するためには,マーケティングの要素をしっかりと取り入れ,広島の県庁と東京の相談窓口が連携して施策に反映する必要性を感じています。
―そのためには,東京での活動は重要になってきますね。
森上:そうですね。窓口での動向やニーズも常に変化していきますし,特に現在,新型コロナウイルスの影響で,大きく活動方法を変更せざるを得なくなりました。
そのあたりの変化を鋭敏にキャッチして,県庁側にタイムリーに情報提供し,素早く施策に反映させることは,移住サポート面や移住イベントなどの情報発信において,大変重要だと認識して活動しています。
また,現在は新型コロナウイルスの関係で参加が難しくなっていますが,これまで様々なジャンルの東京での外部イベントにも積極的に参加して,情報収集とあわせて東京での人脈を広げてきました。中には,繋がりができた方々との連携により,取組の幅が広がった事例もありました。
―県が実施している移住施策で特徴的な取組は何ですか?
前田:広島に移住してもらうことが施策の目標ですが,その前段階として,多くの人に,まず「広島という地域で暮らすイメージ」をもってもらうため,デジタル技術を取り入れた取組を行っています。
例えば,デジタルマーケティングを取り入れた情報発信では,専門知識を有する企業と連携して,首都圏などで移住や広島に興味のある人がどういった内容に惹かれるかなどを分析しながら,移住に関するイベントや移住者紹介などをTwitter,インスタグラム,Facebookなどに掲載しています。
また,最先端のAI技術を有する開発者の方々と一緒に,東京の移住相談窓口の森上さんや県庁のメンバーが培ってきた移住に関するノウハウを,AI(LINE AI移住相談窓口 あびぃちゃん)で再現するという,やりがいのあるプロジェクトも進めています。
―やりがいや難しさはどんなところですか?
前田:AI移住相談窓口は,国内トップクラスの技術者と一緒に,移住を社会的な事象と捉えて分析し,開発を進めていくので,自分の思いを表現できます。利用状況をみて,AI移住相談窓口の対応が相談者を広島の暮らしに近づけていることが分かっており,手応えを感じています。
また,運用する上で,移住相談者や地域の方々の声を聞くことはとても重要で,移住イベントの開催にも携わっています。
県内のいろいろな地域のキーパーソンと繋がって,その地域のことを知る楽しみはとても大きいのですが,どうやったら県外の方々に移住イベントを通じて,人を含めたこの地域の魅力を伝えられるかを考える難しさもあります。
その中で,イベント参加者からの反響はとてもやりがいにつながっています。
久保:私は,主として地域のキーパーソンと一緒に移住セミナーを開催し,地域と相談者が直接つながることができる場を作っています。
広島や東京のキーパーソンと意見交換しながら,時には直接会いに行って,地域の特色や求める人材などのヒアリングを行います。まずは私自身が地域の魅力を知るために,キーパーソンと一緒に山登りをしたこともあります。
また,セミナーのテーマは,地域の魅力や暮らしの紹介だけでなく,ワーケーションなどの新しい働き方の提案から,ご当地グルメまで,幅広いテーマに戦略的にチャレンジしています。
―かなり自由な発想で事業を進めているのですね。
久保:相談者に「チャレンジしたい」と思っている方が多いからこそ,それに応えられるように,何事も前向きに,柔軟に取り組むようにしています。
また,私は入庁してまだ3年目ですが,企業の社長や,第一人者と呼ばれる方など,様々な立場,業種,職種の方と話をする機会が多く,知らなかった考え方や生き方と触れてきました。おかげで,かなりアイデアマンになってきたんじゃないかと思います。(笑)
-東京と広島で働く場所は違いますが,かなり連携できているようですね。職場の雰囲気はどうですか?
森上:ほとんど毎日,県庁のグループ員とは電話やメール,オンライン会議で頻繁にやり取りしていて,同じ職場にいるくらいの感覚です。
東京相談窓口に県職員がいることで,現場の動向なども直に伝えられますし,提案も気軽に行うことができていると思っています。新しいチャレンジもしやすい環境だと感じています。
前田:私は5年前に民間企業から県庁に転職し,今の職場に配属となりましたが,採用時からチームメンバーとして温かく迎えてもらえる職場・グループであり,休日は地域のキーパーソン主催イベントにグループメンバーと一緒に参加したり,楽しく過ごしてきました。
良い人間関係が,仕事で必要なことは伝えられると言ったメリハリある連携を可能にしているのだと思います。
久保:先輩方はみんな優しくておしゃべりです。悩んでいたら,それとなくヒントをくれるし,分からないことを尋ねたらすぐに教えてくれます。
ちょっとした雑談から生まれたアイデアを事業に反映させてくれることもあります。それが突飛なアイデアであっても,否定せず,実現するための課題や意見を出してくれるので,かなりのびのびと働くことができています。
-今後,移住の取組を通じて,どのような広島県にしたいですか?
有田:あらゆる価値観のひとが集まって,多様な働き方,暮らし方ができる県にしたいですね。そうすれば,人それぞれ違う目指すライフスタイルを実現できます。出会う人のライフスタイルが新鮮で驚かされるって楽しいじゃないですか!