(6) 深山峡緑地環境保全地域

印刷用ページを表示する掲載日2023年6月1日

深山峡(みやまきょう)緑地環境保全地域

指定：昭和49年7月18日
所在：山県郡安芸太田町大字加計及び下殿
面積：31.48ヘクタール

　この地域は、旧加計町の市街地に西接する深山峡の特色ある渓谷を中心として、地域住民の良好な生活環境を形成しています。
　この峡谷は、直線距離では1,500メートルほどですが、谷壁が50メートルもあり、高度は300メートルも下っているので、谷底はかなり急傾斜で、九つにもおよぶ大小の滝があります。峡内最大の深山ノ滝は、落差が30メートルあり、滝しぶきは白煙を思わせるものがあります。
　峡谷の植生としては、ケヤキを主とした河床林が主なものですが、峡谷に沿って植物相は豊富であり、自然の探勝並びに観察地として手近な存在です。
　モリアオガエル、カジカ、アマゴなど山地渓流動物、ヤマセミ、カワセミ、カワガラスなどの峡谷鳥類、アミカ、ヒラタカゲロウなどの水生昆虫が生息し、ムカシトンボ、ムカシヤンマなどの山地渓流性の著名な昆虫類も生息しています。
　この保全地域は、多彩な植物相とあいまって、とりわけ小鳥類の生息が豊富です。
　古くから政治、経済、文化の中心であった旧加計町の市街地に隣接しているという地理的条件から、この地域は、小規模の峡谷にもかかわらず、地域住民に親しまれてきました。また、峡谷にある滝や露岩にも「男滝」、「夫婦滝」、「畳岩」、「包丁岩」、「鬼の足跡」などと古来より名付けられています。

深山滝
深山滝の写真