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災害対策本部

広島県でも地震・津波で被害!? 「広島県地震被害想定」を見てみよう!

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今、地震が起きたらどうする?命を守る行動ができるのか、備えは万全か―。

大地震はいつ起こってもおかしくありません。南海トラフ巨大地震が起こると、広島県では、全市町で震度5強から6強を観測する可能性があり、津波が沿岸部に到達する可能性も。いざというときに迷わず、すぐに行動できるよう、地震被害想定を正しく理解しておきましょう。

南海トラフ巨大地震が起きたら?

亀裂や隆起が発生した道路
令和6年能登半島地震で発生した道路被害の様子

南海トラフ巨大地震が起きたら―。広島県が2025年10月、地震被害想定を12年ぶりに更新しました。最新のデータを使用することで、より詳しいリスクが見えてきました。

広島県の被害想定

自身被害想定の概要図

今回の被害想定は、マグニチュード9.0の巨大地震により、広島県では南東部を中心とした広い範囲で震度5強以上、最大震度6強の揺れが起こることを想定しています。また、津波により1万2000ヘクタール以上の広い範囲で浸水が発生することが想定されています。

これらの揺れ・津波による被害は甚大で、建物は約9万棟が全壊し、約1万4000人が犠牲になると想定されています。上下水道や電力、通信等のライフラインについても大きな被害が生じ、70万人を超える避難者が生じる見込みとなっています。

また、今回初めて示した災害関連死者数は約1900~3700人にのぼっています。ただし、これらの想定結果は最悪の条件で計算したもの。ひとり一人が対策に取り組むことで減らすことができます。

南海トラフ地震を想定した「ひろしま自然災害体験VR」

広島県でも津波の危険

牡蠣いかだがある瀬戸内の海

瀬戸内海から津波が来るの?多くの広島県民は、想像しにくいかもしれません。しかし、津波は来ます。県沿岸部ではどこでも津波が到達する可能性があり、県内では最大4メートルの津波が想定されています。

また、津波は海からだけではなく、川を遡って来ます。堤防が損傷した場合、津波が到達する前であっても、潮位の影響でじわじわと浸水が始まるケースも想定されています。浸水リスクは、1万2000ヘクタール以上。広島市中心部の中区などは、多くのエリアが浸水想定区域 に含まれています。(例:広島市中心部の浸水想定区域図)

広島県で想定される、南海トラフ巨大地震による犠牲者約1万4000人のうち、約1万3000人が津波によるものと予測されています。ただしこの予測は、地震が起こったらすぐに避難する人の割合を、20%(5人に1人) と低い割合に仮定して計算したもの。ひとり一人が早めの避難を心がけることで、助かる命は多くなります。

津波は通常の波とは異なり、膨大な水の塊が押し寄せます。ひざ下が巻き込まれるだけでも、その威力で足を取られ、身動きができなくなります。腰より上まで巻き込まれると、命を落とす可能性も。

津波から身を守るためには、早めの避難が重要です。津波が予想される地震が発生した場合には、一刻も早く沿岸部や川沿いから離れて、高台やビルに避難してください。

広島県津波浸水想定図はこちら

その行動で、被害を軽減

机の下に隠れる家族

災害から命を守るためには、日頃から対策していくことが大切です。地震が発生した際は、どうすればよいのでしょうか?

地震が起こったときには

安全行動1,2,3

まずは、自分の身の安全を確保することを最優先にしてください。シーン別に紹介します。

家の中
  • 姿勢を低くし、丈夫な机などの下などに隠れ、揺れが収まるまで待つ
  • クッションなどで頭を保護する
  • 家具の転倒や落下物に注意し、窓ガラスから離れる。あわてて外へ飛び出さない。
  • 就寝中に揺れを感じたら、枕や布団で頭を守る。枕元の懐中電灯は必須アイテム(スマートフォンの照明でも可)
  • 揺れが収まったら、火元の確認や出口の確保をする
屋外
  • 看板や窓ガラスの落下、ブロック塀の倒壊に注意
  • 海の近くで揺れを感じたら、津波警報を待たずに直ちに「より高い場所」へ避難する
商業施設
  • ショーケースや陳列棚から離れ、エレベーターホールや柱付近などに身を寄せ、カバンなどで頭を保護する
  • 慌てて出口を目指さず、従業員の指示に従う
車を運転中
  • 急ブレーキや急ハンドルを避け、ゆっくり道路の左側に停車する

地震が起きても、落ち着いて行動することが大切です。テレビやラジオ、自治体の防災メールなどで正しい情報を入手し、誤情報に惑わされないようにしましょう。

普段からの備えが大切

非常用袋と防災グッズ

地震はいつ発生するか分かりません。発生した瞬間に取れる行動は「日頃からの備え」に左右されます。

地震による負傷の原因の多くは、家具の転倒や落下物、ガラスの破片です。タンスや本棚が倒れて避難路を塞いだり、寝ている自分を直撃したりしないよう、「L字金具」でしっかり固定。出入り口付近には物を置かず、寝室にはできるだけ背の高い家具を置かないレイアウトを心掛けてください。

懐中電灯、ガラス破片から足を守るスリッパや靴、声が出せなくても助けを呼べるホイッスルを置くのをお勧めします。

日頃からの備えについて、詳しくはこの記事をご覧ください。

避難する小学生

【南海トラフはいつ来る?】巨大地震に備えて「今すぐすべき備え」をご紹介します

今地震が起こったとしたら、落ち着いて行動できますか?事前に備えておくべきこと、発生時にどう行動すべきかなど、分かりやすく...

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また、防災グッズの備えも必要です。以下のものをリュックなどにまとめておきましょう。

  • 飲料水(1人1日3リットル) と食料(いずれも最低3日分)
  • モバイルバッテリー
  • 懐中電灯
  • 簡易トイレ
  • ホイッスル
  • 防寒具
  • ラジオ
  • 靴、スリッパ
  • ガムテープ、軍手
  • 救急セット、常備薬

普段から備えておきたい防災グッズなどは、こちらのチェックリストもご覧ください。

防災グッズ

防災士厳選10個!本当に必要な防災グッズは?リストで確認も これがないと困る!

防災って、何を準備していたらいいのでしょう?災害に備えて事前に確認しておきたい項目や防災グッズをまとめました。

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備えは生きるための「第一歩」

松坂篤史さん

広島県は、危機管理を専門的に担う「防災職」を設けています。頻発する自然災害に的確に対応するため、2024年に全国の自治体で初めて設置しました。

その一期生である危機管理課の松坂篤史さんに、地震の危険性や備えの大切さを聞きました。

津波や浸水の危険性は。

「ひざ下くらいなら大丈夫」と思うかもしれませんが、それは間違いです。大人でも足をすくわれ、流されてしまうことも。広島県が津波到達までの時間を最速で「約3時間半」と示していますが、これは最大波(最も高い波) が到達するまでの時間。実際には、それよりも早い段階で第1波が到達することがあります。

さらに広島特有の怖さは「川」にあります。津波が川を遡ってくることや、堤防が壊れて水が流れ込むことも想定されます。だからこそ、警報が発表されてからではなく、強い揺れを感じたらすぐに高い場所へ逃げてください。

備えの大切さを教えてください。

今この瞬間、揺れたらどう動くか、行動のシミュレーションをしてみてください。津波に対しては、すぐに避難することが重要ですが、地震後に持ち出し品を集めたり避難先を確認するのでは遅過ぎます。

大きな災害が起こった直後は防災意識が高まりますが、時間が経つとどうしても防災意識が薄れてしまいます。備えは単なる準備ではなく、あなたと大切な人が生き残るための「第一歩」です。この機会に「第一歩」を踏み出してみませんか。

今後、広島県が力を入れていくことは。

津波や浸水を防ぐための堤防の耐震補強を進めたり、市町と連携して避難所の備蓄物資の拡充も図っています。私としても、県民に正しいリスクや行動を広め、より多くの命を救うための体制を整えることで、災害に強いまちづくりに貢献していきたいです。

自分や家族の命を守るために

避難する4人家族

いつか来る「その時」、パニックになるのか、冷静に命をつなぐのか。それを決めるのは、今この瞬間のあなたの備えです。

広島県は、災害時の一人一人の行動計画を手軽に作れるLINE版のマイ・タイムライン「わが家の避難計画」の利用を呼び掛けています。自分や大切な人の命を守るため、今できることから始めてみませんか?