このページの本文へ
ページの先頭です。

学会発表等

印刷用ページを表示する掲載日2024年12月16日

2024年度 日本食品科学工学会西日本支部会で発表しました

2024年11月9日~10日開催の2024年度 日本食品科学工学会西日本支部会で次の研究成果について発表しました。

  • 凍結含浸法における加熱履歴の異なる動物性食材への物質導入量の評価​(下久、柴田、坂本、宮地、金崎)
    凍結含浸法による物質導入量を食材の硬さ変化率で評価する場合、一定以上の軟化が進んだ食材では実際の物質導入量が把握できていませんでした。そこで色素を食材内に導入し吸光度で定量する評価方法により、加熱履歴(熱変性)の異なるトリムネ肉への物質導入量が把握可能か検証しました。その結果、色素による物質導入量評価法では、食材の加熱履歴に左右されることなく、物質導入量が評価できることが明らかとなりました。

関連する研究成果
広島発!凍結含浸法

  • 有機溶媒を使用しない過酸化物価分析用油脂の抽出方法(低水分の油脂含有食品への適用)(金崎、重田、塩野、山崎)
    これまで油脂含有食品の過酸化物価分析では、有機溶媒による油脂抽出が必要でした。健康面やコスト面から有機溶媒を使用しない、新たな遠心分離よる油脂抽出法を検討しました。事前加熱や食塩水等による洗浄、ゲル化剤の添加等を組み合わせることで、遠心分離により油脂抽出ができることを確認できました。また、抽出された油脂の過酸化物価も従来法と概ね同等であることが確認されました。

関連する研究成果
油脂食品製造技術

  • メタボローム解析手法による醤油の火入れ条件と風味成分・品質の関係性の把握​(坂井、藤原、久河(県立広島大院)、松岡(県立広島大)、馬渕(県立広島大))
    醤油製造の火入れ工程による風味成分変化をメタボローム解析手法を使って評価しました。火入れ条件のうち、加熱時間の影響が大きく、多くの風味成分が変動しました。官能評価では、甘い香りや塩味の項目に影響がみられました。官能評価に影響を与える物質については候補成分があがっており、今後の詳細分析で成分特定を進めていく予定です。

関連する研究成果
発酵調味料製造技術

第6回関西醸造研究セミナーで発表しました

2024年7月30日開催の第6回関西醸造研究セミナーで次の研究成果について発表しました。

  • 清酒製造データを用いたもろみ管理における加水操作の判断指標の作成と検証​(荒瀬、谷本(発表者)、大場(農技C)、岡野(西工Cアカデミー)、石田(西工Cアカデミー)、山崎、大土井)
    清酒製造のもろみ工程において、適切タイミングで加水操作が実施できるように支援する「もろみ管理支援システム」を開発しました。システムに基づいて醸造試験を行ったところ、通常の加水判断を行った場合と遜色ない醸造経過及び製品品質となり、本モデルの有効性が確認できました。今後、検証を進めて予測精度の更なる向上を行う予定です。

関連する研究成果
デジタル技術を活用した発酵管理

日本食品科学工学会 第71回大会で発表しました

2024年8月29日~8月31日開催(※台風のため会場開催は中止され講演要旨公開をもって発表の代替)の日本食品科学工学会 第71回大会で次の研究成果について発表しました。

  • レモンに含まれる苦味成分リモニンのGC/MSによる分析検討(中津、重田、大坂)
    レモン果皮に含まれる苦味成分リモニンについて、一般的に食品で用いられているメタボローム分析の手法で成分抽出し、GC/MSで分析できるか検討しました。その結果、クロロホルム層のサンプルは、分析値(リモニンピーク面積比)と官能評価(TI苦味面積値)に関連がある可能性が示唆されました。一方、メタノール・水層のサンプルは、分析値と官能評価に関連が認められず、リモニノエートA環ラクトンやリモニン配糖体を検出していた可能性が考えられました。今後、分析精度を向上させることで、レモンの苦味が簡易に分析できる手法として確立したいと考えます。

関連する研究成果
カンキツ加工技術

  • 浸潤処理の違いが糖漬けレモンの品質に及ぼす影響(大坂、重田、中津)
    スライスレモンを糖漬け加工する場合、事前に減圧処理により果皮に水溶液を浸潤することで、その後の糖漬け工程による硬さ変化、含浸糖度、香気成分への影響を検討しました。事前浸潤により硬さは低下し、その中でも浸潤液の糖濃度が低い方が、より硬さが低下する傾向を確認しました。加工後の外皮への含浸糖度は、浸潤液の糖濃度が高くなるに従い高くなりました。香気成分は、浸潤処理条件により劣化臭と呼ばれるシメンの割合が異なり、浸潤処理により糖漬けレモンの香りを制御できる可能性が示唆されました。

関連する研究成果
カンキツ加工技術

  • 有機溶媒ゼロで行う低水分フライ食品からの遠心分離による過酸化物価分析用油脂の抽出(塩野、重田、山崎、金崎)
    ​フライ食品などに含まれる油脂の酸化劣化は過酸化物価(PV)を測定して評価されています。食品から測定に必要な油脂を抽出するには、有害な有機溶媒を必要としていましたが、これに代わる簡便な抽出法を開発しました。試料加温と遠心分離、塩水溶液洗浄、ゲル化剤による清澄化を組み合わせることで、有機溶媒を使用しない油脂抽出が可能となりました。

関連する研究成果
油脂食品製造技術

  • 凍結含浸法における高分子物質導入量の定量的評価方法の開発(金崎、柴田、下久、坂本、宮地)
    ​食材中に物質を導入する技術として、「凍結含浸法」や改良した「常圧含浸法」などを実用化しています。これらの処理方法により、食材中に導入された物質量を定量できる評価方法を検討しました。色素タンパク質(フィコシアニン)を食材中に導入して、吸光度を測定することで、高分子物質の導入量を定量的に評価することができました。また、脂質が多い食材の場合でも、塩化カルシウムを添加することで問題なく評価することができました。

関連する研究成果
広島発!凍結含浸法

  • 凍結含浸法における食材への物質導入量の比較(下久、柴田、坂本、宮地、金崎)
    食材中に酵素などの物質を導入する凍結含浸法を実用化しています。技術改良を進め、新たに「高温急速含浸法」と「常圧含浸法」を開発しました。3つの物質導入法を比較するため、色素タンパク質を指標にした新たな導入量評価の方法を検討しました。これまでの酵素による導入量評価法では、食材の加熱状態によっては評価が難しい場合がありましたが、新たな色素タンパク質による導入量評価法では、食材の状態に影響されず評価できることが確認されました。

関連する研究成果
広島発!凍結含浸法

  • 減圧低温加熱調理器を用いた食材の軟化(宮地、柴田、下久、坂本、金崎)
    ​これまでに食材中に物質を導入する技術として高温急速含浸法を実用化しています。これは加温した食材を減圧することで発生する水蒸気の体積膨張・収縮を利用した技術です。加熱しながら減圧する減圧加熱処理でも食材内に酵素を導入し、軟化食材を調製できるか検討しました。減圧回数や減圧時間を変化させて比較したところ、減圧回数が多いほど、減圧時間が長いほど食材が軟化することを確認しました。減圧加熱処理を用いることで、これまでの高温急速含浸法よりも簡便に短時間で処理できることが期待されました。

関連する研究成果
広島発!凍結含浸法

学会発表等(令和2年4月~令和6年3月)

荒瀬、樋口、大土井(2024年1月22日). 加盟公設試験研究機関における技術支援・企業支援の取組紹介 酒造工程におけるアルコール濃度予測技術の開発. 令和5年度第64回 産業技術連携推進会議.

樋口、柴田、坂井(2023年11月20日~22日). 果皮酢製造技術の開発と商品化 皮ごと美味しいカンキツ加工技術. アグリビジネス創出フェア出展説明(全国食品関係試験研究場所長会).

樋口、柴田、渡邊、下久(2023年11月9日). 赤紫蘇ふりかけ製造工程における廃棄物の食品素材化のための実証研究. NPO法人広島循環型社会推進機構研究課題令和5年度中間発表会.

中津、樋口(2023年11月8日). 皮ごと美味しいカンキツ加工技術. 農研機構食品研究成果展示会2023.

尾形(前橋工科大)、野田(前橋工科大)、千吉良(前橋工科大)、松浦(前橋工科大)、中村(前橋工科大)、藤原(2023年10月5日). 味噌から分離された自然交雑体allodiploid Zygosaccharomyces 属酵母について. 日本醸造学会.

荒瀬、谷本、大場(農技C)、岡野(アカデミー)、石田(アカデミー)、山崎、大土井(2023年10月4日). 清酒製造データを用いたもろみ管理における加水操作の判断指標の作成と検証. 日本醸造学会.

荒瀬、山崎、谷本、勝場(農技C)、古田(農技C)、大場(農技C)、大土井(2023年10月4日). 広島県オリジナル酒造用好適米品種「広系酒 44 号」、「広系酒 45 号」の醸造特性について. 日本醸造学会.

山崎(2023年9月3日~5日). 広島6号酵母を活用した交配育種による輸出用清酒の品質向上に寄与する清酒酵母の開発. 第75回日本生物工学会大会.

久河(県立広大)、坂井、藤原、藪、馬渕(県立広大)(2023年8月26日). 酵母の違い及び乳酸菌添加が醤油の風味成分プロファイルに及ぼす影響. 公益社団法人日本食品科学工学会第70回大会.

中津、重田、大坂(2023年8月26日). レモン果皮への液体浸潤が苦味に及ぼす影響. 公益社団法人日本食品科学工学会第70回大会.

重田、中津、大坂(2023年8月26日). レモン果皮への液体浸潤が食塊形成と嚥下に及ぼす影響. 公益社団法人日本食品科学工学会第70回大会.

宮地(2023年8月26日). 凍結含技術を用いた食材内でのオリゴ糖生成. 公益社団法人日本食品科学工学会第70回大会.

坂本(2023年8月26日). 常圧含浸法を用いた食材内でのタンパク質分解物の生成. 公益社団法人日本食品科学工学会第70回大会.

下久、柴田、渡邊、坂本、宮地(2023年8月26日). 常圧含浸法による食材への油脂導入の検討. 公益社団法人日本食品科学工学会第70回大会.

中津(2023年4月24日). レモンの可能性を広げる新たな技術-皮ごとレモンを美味しく食べられます‐. 広島バイオテクノロジー推進協議会第8回Web講演会.

山崎、大場、荒瀬、平田(サタケ)、梶原(サタケ)、川上(サタケ)、大土井(2022年12月1日). cBNロールを搭載した新型精米機による扁平・原形精白米の醸造特性(ポスター). 農林水産省 農林水産技術会議事務局 研究推進課産学連携室、アグリビジネス創出フェア 2022 in 東海.

柴田、中津、渡邊、浜名、下久、坂本、宮地(2022年12月1日). 凍結含浸法が進化!高温急速含浸法(HiTRI製法)の開発(ポスター). 農林水産省 農林水産技術会議事務局 研究推進課産学連携室、アグリビジネス創出フェア 2022 in 東海.

中津(2022年8月29日). 第34回中四国伝熱セミナー「酵素含浸技術を応用した乾燥食品素材の多孔質性向上と食感との関係」. 中四国熱科学・工学研究会、日本伝熱学会中四国支部.

宮地(2022年8月26日). 常圧含浸法を用いた食材の軟化事例. 公益社団法人日本食品科学工学会第69回大会.

坂本(2022年8月26日). 凍結含浸法及び常圧含浸法により軟化した食材の消化性. 公益社団法人日本食品科学工学会第69回大会.

下久(2022年8月26日). 減圧を用いない食材内物質導入法(常圧含浸法)の開発. 公益社団法人日本食品科学工学会第69回大会.

重田(2022年8月26日). レモン果皮の食感改善に及ぼす液体浸潤の影響. 公益社団法人日本食品科学工学会第69回大会.

藤原朋子(2022年6月29日). 広島県の耐塩性酵母の製パンへの適用と接合育種手法による多様な特性を有する株の獲得. 公益財団法人高木俊介パン科学技術振興財団、2021年度助成研究発表会.

山崎梨沙、大場健司 、荒瀬雄也、平田悠達、梶原一信、川上晃司、大土井律之(2021年11月15日). 扁平精白米の醸造特性と製成酒への貯蔵劣化臭低減効果. 日本生物工学会、第73回日本生物工学会大会.

藤原朋子(2021年10月7日). 広島県内製造味噌から分離した蔵つき耐塩性酵母Zygosaccharomyces sp.のシュムー形成による接合性評価. 日本醸造学会、令和3年度日本醸造学会大会.

樋口浩一、中津沙弥香、谷本暁、石川武、張卓然(2021年1月7日). 熱風乾燥による防災備蓄食に適した大型動物性乾燥食品素材の開発(成果概要と技術移転状況の報告). JST、 西日本豪雨復興支援事業報告会.

平田悠達、梶原一信、橋本悠希、川上晃司、大場健司、荒瀬雄也、山崎梨沙、大土井律之(2020年10月21日-27). 扁平、原形、球形精白米の酒造適性. 日本醸造学会、令和2年度日本醸造学会大会 (Web).

藤原朋子、尾形智夫、黒木克明(2020年10月21日-27). 広島県内で製造された味噌から分離した蔵つきの耐塩性酵母の特性. 日本醸造学会、令和2年度日本醸造学会大会 (Web).

おすすめコンテンツ