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令和3年度食品工業技術センター研究成果発表について

印刷用ページを表示する掲載日2023年4月27日

当センターでは,毎年研究成果の発表を行っており,今年度は,昨年度に引き続き,オンラインで発表します。

今年度は,例年の口頭発表を,令和4年1月17日にオンラインセミナーとして実施し,例年のポスター発表を,HP上で行いました。オンラインセミナーの録画動画は次のページでご覧いただけます。

オンラインセミナー録画動画

センター長あいさつ

オンラインセミナー

1 日時

令和4年1月17日(月曜日)13時30分 ~ 15時30分
*セミナーは終了しました。セミナーの様子を録画した動画を公開しています(3参照)。 

2 内容

(1)新型精米機の開発と扁平・原形精白米の醸造特性解析(30分程度。質疑応答含む(以下同様。))

株式会社サタケ技術本部 穀物加工グループ長 川上晃司,
食品工業技術センター 主任研究員 山崎梨沙

清酒醸造において,米のタンパク質は醸造中に麹の酵素により分解され,雑味の原因となるアミノ酸になることから,米は低タンパク質が望ましく,そのためには精米による高精白が求められます。精米技術としては,球形精米が一般的ですが,効率的にタンパク質を除去する扁平・原形精米の技術確立が検討されてきました。この度,株式会社サタケが,扁平・原形精米の精米時間を大幅に短縮する立方晶窒化ホウ素の砥石(cBNロール)を採用した新型精米機EDB15A・40Aを開発したことで,扁平・原形精白米の実規模での使用が現実的となりました。本発表では,砥石及び精米機の開発と,扁平・原形精白米の醸造特性について紹介します。

精米の写真
各精米の写真

新型精米機 cBN砥石
左から新型精米機,cBN砥石

(2) 広島県産小豆を用いた新たな地産地消菓子開発における調査研究(20分程度)

食品工業技術センター 主任研究員 今井佳積
広島県の菓子業界では,地域特産物を活用した新たなお菓子として,県産小豆を使った「ひろしま地産地消菓子」の開発に取り組んでおり,県内では大納言小豆の栽培が2017年から始まっています。当センターでは技術支援の一環として,県産小豆の特性に関する調査研究を実施しました。県産小豆は,北海道産と比較しても大粒で,色が濃く,粒餡の力強さやポリフェノールの機能性等が魅力となる可能性がありそうです。発表で詳しくご紹介します。
また,広島県産小豆に関する取り組みについては,次の「オンラインセミナー録画動画」のページに掲載の動画の他,次のページでも紹介しています。​
広島県産小豆の生産振興及び使用による「ひろしま地産地消菓子」の開発
広島県産のあずき
広島県産小豆

(3)技術支援制度(研究制度,新規設備(GC-MS等))の紹介(20分程度)

食品工業技術センター 次長 樋口浩一

企業様からの技術相談に基づき,センターで利用可能な各種制度「依頼試験」,「技術的課題解決支援事業(ギカジ)」,「受託研究」,「現地指導」,「企業等研究員受入」,「共同研究」,「設備利用」をご紹介します。その中で,昨年度,新規導入した質量分析ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)について,ご紹介します。また,企業における人材育成のための「技術者研修」の制度についてもご紹介します。

GS-MS
ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)

3 オンラインセミナー録画動画

オンラインセミナーの様子を収めた動画を次のページで公開しています。

オンラインセミナー録画動画

食品製造に関する研究成果(ポスター発表)

研究成果の詳細はタイトルのリンク先でご覧いただけます。

イエローベルのさのうの製造方法

通常のレモンは,果肉が柔らかいためさのうの製造が難しいですが,本県育成品種「イエローベル」を使用し,その特性を生かして加工することで,つぶつぶ食感の高品質なさのうが得られます。

乾燥レモンの外観品質の向上方法

乾燥スライスレモンでは時折皮の白い部分(アルベド)に赤色斑紋が出ることが課題でした。課題解決には,酸化防止剤溶液への事前浸漬が有効であることがわかりました。

浅漬け等の日持ち向上技術の開発

微生物が増えやすく賞味期限の短いハクサイ等の浅漬けや一部の惣菜について,有機酸、多糖類、香辛料抽出物などの微生物の増殖を抑制する日持ち向上剤を適切に添加することで賞味期限を延長する技術を開発しました。

油脂加工食品の保存における温度の影響について

油脂加工食品の賞味期限設定や品質変化を早く把握するため,油脂劣化が一般に10℃で約2倍促進するとされていることを利用して,常温より温度を上げた保存試験(加速試験)を行うことがあります。品質管理の指標である過酸化物価・酸価が常温での保存試験と加速試験で同様の挙動を示すか試験し,知見を得ました。

食材への物質含浸技術の開発 ~ 凍結含浸法,高温急速含浸法,常圧含浸法 ~

食材に酵素等の物質を急速導入する凍結含浸法を開発して20年。形を保持したやわらか食の製造技術として利用されています。生産現場の要望から,量産化のための高温急速含浸法,圧力処理を使用しない簡易な常圧含浸法を開発しました。3つの物質含浸法の特徴を紹介します。

広島県内製造味噌から分離した耐塩性酵母Zygosaccharomyces sp.のシュムー形成による接合性評価

食品工業技術センターでは,広島県内で製造された味噌から,多様な特性を有する蔵つきの耐塩性酵母を分離し,保有しています。これらの株を交雑育種資源として活用するために,接合性評価を行いました。

技術支援等に関する成果(ポスター発表)

詳細はタイトルのリンク先でご覧いただけます。

新規に導入した食品加工用設備利用機器

今年,新たに設備利用等の制度でご利用いただける機器を2点追加しました。食品加工向け機器「減圧加熱調理器」と「卓上加熱かくはん機(IH)」で,小規模な試作にご利用いただける容量です。これらの機器と試作例を紹介します。

技術支援制度の紹介

当センターの提供する技術支援制度の紹介と各制度の利用実績を紹介します。

研究制度紹介

個々の企業が抱える様々な技術課題を解決するために利用できる研究制度を紹介します。

知的財産紹介

当センターで開発した食品加工技術「常圧含浸法」が令和3年7月29日に特許登録されましたので,その概要と利用方法を紹介します。

広報状況紹介

当センターは,研究成果や,技術支援制度を広くご利用いただくため,広報活動に取組んでいます。その活動内容及び成果をご紹介します。

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