このページの本文へ
ページの先頭です。

浅漬け等の日持ち向上技術の開発

印刷用ページを表示する掲載日2022年1月11日

重田有仁,今井佳積,塩野忠彦,下久由希,谷本暁

1.背景

浅漬けは塩分が少なく,加熱殺菌も行わないため,微生物が増殖しやすく,賞味期限が短い製品です。従って,店頭において賞味期限や納品期限切れになり易く,製造企業にとってコスト増になる上,食品ロスの増加にもつながることから,特に賞味期限の延長が求められています。
食品工業技術センターでは,微生物の増殖を抑制する効果を有する有機酸,多糖類,香辛料抽出物等の日持ち向上剤を組み合わせて添加することにより,浅漬けの賞味期限延長に取り組みました。

2.方法

実験計画法を利用した日持ち向上剤の組み合わせ効果の評価

多種類の日持ち向上剤の組み合わせ効果を効率的に評価するため,少ない実験数で組み合わせ効果の評価が可能な実験計画の作成・解析を行う実験計画法ソフトウェア(JMP,SAS社製)を用い,高い効果を示す条件を探索しました。ハクサイやキュウリの浅漬けを用いて賞味期限の延長効果を検証しました。また,浅漬けに加え,常温流通する賞味期限の短い惣菜についても日持ち向上剤の組み合わせによる効果を検証しました。

3.結果

(1)ハクサイ浅漬けによる日持ち延長効果の検証

探索した結果を基に,効果が高い条件(組合せパターン(1)),比較的効果が高く,呈味性への影響が少ない条件(組合せパターン(2))について,県内漬物製造企業においてハクサイ浅漬けの試作を行った結果,従来品は1週間程度の賞味期限であったものが,10日程度に賞味期限を延長できる可能性があることが分かりました。また,10日保存後の試作品の外観・味も顕著な違いはありませんでした。
白菜浅漬けの生菌数の変化

白菜のみための比較

(2)ポテトサラダによる日持ち延長効果の検証

 実験計画法によりポテトサラダ試作品に対する日持ち向上剤の組み合わせ効果を探索した結果,特に有機酸,アミノ酸(及び多糖類製剤)の効果が高いことが分かりました。

ポテトサラダの一般生菌数の変化

4.食品企業に向けたPR

SDGs,食品ロス削減の観点からも,食品の消費・賞味期限の延長技術は社会的にも注目されています。日持ち向上剤は過剰に用いると味覚面で悪影響を及ぼしますが,少量を効果的に用いることで様々な食品の消費・賞味期限を延長できる可能性があります。
食品工業技術センターでは,日持ち向上剤の利用を始め,一般的な食品の腐敗防止,日持ち延長,腐敗原因の推定に関する相談も承っています。実験計画法を活用した試験等のご相談にも対応しますのでお気軽にご利用ください。

おすすめコンテンツ

この記事をシェアする