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新規に導入した食品加工用設備利用機器

印刷用ページを表示する掲載日2022年1月25日

坂本みのり

1 背景

今年,新たに設備利用等の制度でご利用いただける機器を2点追加しました。センターへの技術相談に調味浸透や加熱濃縮の効率化,食品加工での高品質化に関する相談があります。そこで加熱条件の確認等の試作に適した小型の食品加工用機器である「減圧加熱調理器」と「卓上加熱かくはん機(IH)」を導入しました。

2 機器と使用方法

(1)減圧低温加熱調理器:VidePro EVC-220(エスペック)

減圧低温加熱調理器写真

内部圧力を約10~20kPaに減圧しながら加熱調理ができる機器です。IH加熱により1℃単位で温度を設定して調理ができる他,「含浸モード」では減圧時間と減圧・復圧の回数を設定できます。一度に処理できる量は4.8Lです。

調理に減圧を用いることで,短時間で味を浸透させられる,低温でも食材へ素早く熱伝達ができるといった効果が期待できます。

70℃以上に加熱しながらの減圧調理はできませんが,低温調理と減圧調理を組み合わせることで 臭み抜きなどの下処理に利用できる他,加熱が少なく味の染みた新感覚の食品を作ることができます。

(2)卓上加熱かくはん機:KRミニIH(カジワラ)

卓上加熱かくはん機写真

攪拌速度とIHの加熱強度が調節できる小型撹拌機です。一度に処理できる量は12Lです。

攪拌翼は2箇所の回転軸がそれぞれ回転することで鍋全体を底から混合し,食品が焦げ付かず均一に混合・攪拌ができます。加熱の強さは弱火~強火まであり,強度は0~100の数値で操作パネルに表示されます。

練る,煮詰める,炒める,混ぜる等が必要な食品を,加熱強度や時間,攪拌速度等の条件を合わせて試作できます。

3 試作例

(1)減圧低温加熱調理器

【サラダチキン】

味染みが良く,全体がしっとりとしたサラダチキンが40分間の加熱調理で作れます。

使用方法

調味液に漬けた鶏ムネ肉を,「含浸モード」,温度:60℃,減圧時間:3分間,減圧回数:10回の設定で加熱します。

サラダチキン試作過程の写真

(2)卓上加熱かくはん機:KRミニIH(カジワラ)

【練りあん】

使用方法

小豆を煮た生あんに砂糖を加え,焦げ付かないように加熱強度を弱めながら水分が飛ぶまで攪拌します。

写真餡の試作

4 食品企業に向けたPR

これらの機器は新製品開発等に向けた小規模な試作に適した機器です。設備利用制度を利用することで減圧低温加熱調理機は1回(2時間以内)当たり400円,卓上加熱かくはん機は1時間当たり500円で使用できます。

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