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今日の文書館 ~日常の取り組みを発信する~

印刷用ページを表示する掲載日2018年4月10日

「今日の文書館」について

 広島県立文書館は,広島県に関する重要な行政文書・古文書を収集・保存・整理し,それらを県行政に役立てると共に,広く一般に公開する業務を行っています。

 資料の収集・保存・整理という仕事は,文書館にとって,言わば核となる業務ですが,閲覧室の裏側で職員が日々地道に取り組んでいる仕事であるため,通常,一般の利用者の目に触れることはありません。

 そこで,このページでは,文書館がどのような仕事を行っているのか,その日常の姿を発信していきます。目立たないながらも重要な文書館の業務について,広く知っていただきたいと思っています。

 なお,展示や実習・講座など,当館が行う行事については,ここでは準備の様子を中心にお知らせします。各行事の当日の詳しい様子は,「 文書館 Monthly Report 」 で報告しますので,そちらをご覧ください。


2018年3月13日~14日/香川県立文書館と徳島県立文書館を視察しました。

 当館の職員が香川県立文書館と徳島県立文書館を訪問し,文書管理に関する業務〔閲覧室での資料検索用のパソコン利用状況,レファレンスへの対応,専門職員の確保,ボランティアの活用,IPM(総合的有害生物管理法)の実施状況及び災害対策への対応など〕ついて,具体的に教えていただきました。また,行政文書や古文書が保存されている書庫,研究室及び燻蒸庫など,館のバックヤードも見学しました。
 両館とも,経験豊富な専門職員を中心に,文書の受け入れ・整理・保存・利用などの日常業務がバランスよく運営されています。
 香川県立文書館は閲覧室が広々としていて,利用しやすい環境が整っていました。徳島県立文書館では,自主サークルやボランティア活動についてお話をお聞きしましたが,参加者の熱意と文書館職員の地道なサポートがうまくかみ合うことにより,活発な活動が継続していることが分かりました。特色のある各館の取組を学びながら,今回の視察で得たことを今後の当館の業務に生かしていければと思います。

他館視察01 他館視察02 他館視察03 他館視察04

2018年3月11日(日曜日)~12日(月曜日)/神奈川大学日本常民文化研究所の古文書修復実習に参加しました。

 神奈川大学日本常民文化研究所が毎年開催している古文書修復実習に,当館から職員が参加しました。今年で21回目を数えるこの実習は,日本常民文化研究所の所員もしくは出身の方々が講師を務められ,また同大の院生もアシスタントとして参加し,古文書修復の基本的な実技を学び体験する大変充実したカリキュラム構成となっています。
 この実習は,同研究所がかつて長期間借用していた大量の古文書を所蔵者へ返却する際,傷みの激しい文書を修復してから返却しようと,当時の所員らが東京大学史料編纂所の修復技官である中藤靖之氏に修復技術を習い,その技法をもとに修復を行って返却したことから始まったそうです。
 当日は,「記録」「修復」「復原」といった各工程のほか,襖の下張り文書の「剥離」を加えた4工程について,参加者が班に分かれて順に体験しました。文書館職員として,文書保存の基本的な技術を理解するための大変有意義な機会となりました。

古文書修復実習01 古文書修復実習02 古文書修復実習03

2018年3月8日(木曜日)/安芸太田町郷土史研究会戸河内支部18人が収蔵文書の紹介展を見学

 現在,展示室で開催している平成29年度第3回収蔵文書の紹介展「開峡百周年 三段峡(さんだんきょう)の歴史と自然」(平成30年1月10日(水)~ 3月17日(土))に安芸太田町郷土史研究会戸河内支部18人の方が見学に来館されました。当館研究員よる説明を聞きながら熱心に展示を見学され,中には三段峡ゆかりの人物である斎藤軍一(露翠)が小学校での恩師となる方や,可部―三段峡間(平成15年12月1日廃線)の最終日(平成15年11月30日)の切符を持参していただいた方など,郷土の歴史への思いを話されていました。今回の展示も間もなく終了しますが,展示内容については当館HPでご覧いただけます。また,展示した資料などは,閲覧申請をしていただければ誰でも手にとって直接閲覧も可能です。

安芸太田町郷土史研究会戸河内支部見学の様子01安芸太田町郷土史研究会戸河内支部見学の様子03安芸太田町郷土史研究会戸河内支部見学の様子02

 

2018年2月28日(水曜日)/NPO法人 三段峡‐太田川流域研究会のメンバーが三段峡展を見学されました。

 「NPO法人 三段峡‐太田川流域研究会」のメンバー13人が,現在開催中の収蔵文書の紹介展「開峡百周年 三段峡の歴史と自然」を見学されました。ボランティアで三段峡をガイドし,三段峡の魅力を発信するためにはどのようにすればよいかを常に追い求め,「さんけん新聞」という会報も刊行されています。展示見学で展示資料について踏み込んだ質問をされた後,研修室に場所を移して,担当研究員を囲んで,長時間にわたってディスカッションされました。メンバーの中には,展示終了後に展示資料の閲覧を希望する会員もいらっしゃいました。このように展示を通して,利用者の輪が広がっていくことも期待されます。この展示は3月17日(土)まで開催しています。

三段峡展見学の様子_01三段峡展見学の様子_02三段峡展見学の様子_03

2018年2月8日(木曜日)/広文協平成29年度第2回研修会を安芸高田市民文化センターで開催しました。

 広文協では,平成29年度第2回研修会として現地研修を実施しました。安芸高田市民文化センターを会場として,「安芸高田市における学校統廃合に伴う資料保存の現状と課題」と題し,安芸高田市教育委員会よりご報告をいただきました。県中部において冬季での開催としては参加人数が危ぶまれましたが,20名余りの参加がありました。安芸高田市は県内で唯一公文書管理条例(「安芸高田市公文書等の管理に関する条例」)が制定され,条例に基づく公文書管理が行われている自治体です。行政文書の管理とともに,新たな課題である学校資料(学校が保有する文書や現物資料)の保存へも積極的に取り組まれています。これまでの取組と課題について,小学校の統廃合による学校資料の保存・管理について具体的な報告があり,参加者アンケートには「参考になった」という意見が数多く寄せられました。また,報告後に書庫見学があり書庫環境の課題についても説明をいただきました。このような現地での研修会を開催し,市町の取組を共有することも広文協の活動の一つです。

広文協第二回研修会_01 広文協第二回研修会_02 広文協第二回研修会_03 広文協第二回研修会_04

2018年2月6日(火曜日)/安芸太田町郷土史研究会加計支部の方々が展示見学に来館されました。

 平成29年度第3回収蔵文書の紹介展「開峡百周年三段峡(さんだんきょう)の歴史と自然」を平成30年1月10日から,当館展示室で開催しています。この展示観覧に,安芸太田町郷土史研究会加計支部の8名と教育委員会の方が来館されました。展示では,江戸時代からその存在が知られる三段峡が国の名勝に指定されるまでの状況や,三段峡が観光地として多くの人々に愛されてきたことを知ることができます。郷土史研究会の方々は,当館職員による展示の解説に熱心に耳を傾けられ,名勝三段峡に思いを馳せられていました。当館では,このように来館者のご希望により,展示の解説も積極的に行っています。第3回収蔵文書の紹介展は,平成30年3月17日まで開催しています。

安芸太田町郷土史研究会見学の様子01 安芸太田町郷土史研究会見学の様子02 安芸太田町郷土史研究会見学の様子03

2018年1月22日(月曜日)/防塵用ブラシの取り付け

 当館の地下1階にある行政文書庫の扉に防塵用ブラシを取り付けました。書庫内は空調による空気の流れがあり,そのため扉の隙間から空気とともに小さな塵や埃もたくさん入り込んできます。そのような塵や埃を防ぎ,また害虫の侵入を防ぐため,このようなブラシの取り付けは有効です。この日はほかに,2階と地下1階にある古文書庫の入口に粘着マットシートを追加設置しました。書庫環境管理も,少しずつ充実させています。

防塵用ブラシ01 防塵用ブラシ02

2018年1月20日(土曜日)・21日(日曜日)/全国史料ネット研究交流集会

 第4回全国史料ネット研究交流集会が岡山市のノートルダム清心女子大学で開催されました。当館からも職員が参加し,初日に報告を行いました。当館から参加するのは,2015年の第1回以来,3年ぶり2回目になります。

 当館では,2014年8月に広島土砂災害が発生した際に,神戸の史料ネットの方々に被災写真レスキューでお世話になり,それ以来,史料ネットの行事にも関わりを持つようになりました。今回は,被災時の対応だけでなく,被災前の史料所在確認など,「予防」がテーマの一つとなりました。当館からも,これに関連して,県内の史料所在調査について報告を行いました。また,ポスターセッションでは,昨年当館が取り組んだ行政文書庫内でのカビ被害発生への対処内容をまとめたポスターを掲示し,セッションを行いました。

 遠方から「万難を排して参加した」という方もたくさんおられ,アーカイブズの保存に取り組む多くの参加者の熱気を感じることができました。

第4回全国史料ネット研究交流集会01 第4回全国史料ネット研究交流集会02 第4回全国史料ネット研究交流集会03

2018年1月19日(金曜日)~20日(土曜日)/「平成29年度古文書保存基礎講座」に参加しました。

「平成29年度古文書保存基礎講座」が九州国立博物館と筑紫野市歴史博物館で開催され,当館職員も参加しました。一日目は九州国立博物館で「古文書の保存と修理」,「古文書整理の流れ」,「寒糊炊き」を体験しました。2日目は筑紫野市歴史博物館で「掛軸や巻物の取り扱い方」,ブリッジやフラットニングなど「破損した古文書への応急手当」を班ごとに分かれて実習で体験しました。また,国宝修理装こう師による古文書の修理も紹介され,その奥深い世界に触れることもできました。糊と和紙の使い方についても詳しく教えていただきました。

参加者の所属機関は博物館,美術館,文書館と様々でしたが,未整理の近世文書や劣化が進む近現代文書の保存と修理についての悩みや課題には共通点が非常に多く、質疑応答や懇親会では,講師を交えて活発に意見交換が行われました。

今回の講座に参加して,文書の保存には,修復の専門家による適切な修理の継続とともに,職員による維持管理行為(保存環境を整える,応急処置を行う,取扱いに気をつけるなど)が大切だと再認識しました。専門家と連携しながら,自分達にできることを継続して実践していきたいと思います。

古文書保存基礎講座01 古文書保存基礎講座02 古文書保存基礎講座03 古文書保存基礎講座04

2018年1月6日(土曜日)/文書調査員の講演会

  当館の研修・会議室で,古文書解読同好会の主催で講演会が開かれました。登壇されたのは,当館の文書調査員で同好会員の三浦忍さんです。三浦さんは,昨年10月18日から27日にかけて,『中国新聞』緑地帯のコーナーに「文書調査員がゆく」と題して8回にわたる連載記事を書かれました。
 今回の講演会は,この連載記事を受けて,三浦さんから調査員活動にまつわるお話をもっとお聴きしたいという同好会の方々の要望によって実現したものです。

 これまで数多くの古文書の所蔵者宅を回り,保存状況などの調査をしてこられた三浦さん。サラリーマン時代の営業回りの経験を活かしてこまめに地域を歩き,所蔵者との信頼関係を作りながら訪問調査をしてこられました。講演では,そんな三浦さんの人間味あふれる柔和な語り口で調査員活動の経験を語られました。

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2017年11月21日(火曜日)/行政文書・古文書保存管理講習会を開催しました。

 平成29年度行政文書・古文書保存管理講習会を開催しました。午前中は国文学研究資料館の青木睦先生に,「被災アーカイブズの救助・復旧技術の実際」と題した講演をしていただき,午後は青木睦・高科真紀両先生による被災アーカイブズに関連したワークショップを開催しました。
 文書の日常的な管理はもちろんのことですが,被災した時に何をどのように進めて,被災したアーカイブズをどのようにレスキューしていけばよいか,東日本大震災で被災した釜石市の事例をはじめ多くの被災アーカイブズのレスキューに携わった経験に基づく講演内容は,参加者の心に響いたようです。また,午後のワークショップでは8つのブースで,被災アーカイブズを実際にどのようにレスキューするかを,参加者に体験していただきました。参加者の多くは被災アーカイブズにはじめて直面することもあって,各ブースで熱心に取り組まれていました。このようなワークショップでの経験が,いざという時に役に立つはずです。

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 20171113日(月曜日)~17日(金曜日)/デジタル・アーカイブズに関する著作権について学びました。

 アーカイブ研修3は既に前期(5日間)・中期(5日間)が開催され,今回,最後の後期(5日間)に参加しました。内容は,デジタル・アーカイブズ,公文書館の事例研究,紙資料修復実習など多岐にわたります。電子情報技術や画像技術などの進歩により,さまざまな分野で電子化(デジタル化)が進められています。アーカイブズの世界でも電子文書やデジタル・アーカイブズなどへの対応を迫られています。例えば,著作権を巡る問題では,小説家が作成した小説を映画化したり,関連グッズ等にしたりするときには,さまざまな権利・契約が必要となります。デジタル・アーカイブズの場合も同様に考えなくてはなりません。アーカイブズに関する最新情報を学び,課題改善に取り組んでいくことも文書館の大切な仕事です。

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20171111日(土曜日)/広島大学講座「地域アカデミー2017」(第1回)を開催

 平成29年度広島大学・広島県立図書館・広島県立文書館連携事業として,広島大学講座「地域アカデミー2017」(第1回)を開催しました。広島大学の地域アカデミーは大学の本格的な講義をより身近な場所で受講していただける講座です。今回は「近世日本のまち~近世厳島の存立構造~」と題して,広島大学大学院文学研究科中山富広教授にご講演いただき,58名の参加がありました。講演では,季節ごとに開かれる宮島市の賑わい,遊郭,歌舞伎や富くじの興行などについて,現代語訳した史料や絵図,芝居番付,錦絵などを読み解き,江戸時代にレジャーランドの町として栄えた厳島の様子が生き生きと紹介されました。参加者の皆さんからは,「現在の我々が持つ宮島のイメージとは違う興味深い講演だった。」,「解説が具体的でわかりやすかった。」,「歌舞伎などかつての島の賑わいに触れることができた。」など好評の感想が寄せられました。
 また講演終了後には,古文書を収蔵する地下書庫と,宮島の富くじ札と合鑑,芝居番付,『厳島道芝記』,『芸州厳島図会』など当館が収蔵する厳島関連の古文書を見ていただきました。

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2017年10月16日(月曜日)~20日(金曜日)/神奈川県立公文書館で実習しました。

 アーカイブズ研修3(中期)では,国立公文書館での講義・実習の他に,今回は神奈川県立公文書館で実習を行いました。神奈川県立公文書館では,行政文書を全て評価・選別して,保存と判定された文書を歴史的公文書として収蔵しています。実習では,神奈川県での評価・選別基準に則って,本年度収受した行政文書の評価・選別を行い,廃棄・保存の判定をしました。当館でも,毎年,行政文書の評価・選別を行っていますが,膨大な行政文書の内容を確認し,基準に則って評価・選別を行うことは大変な作業です。今回の実習においても,判断基準だけでは保存の根拠にならなかったりする事例もありました。しっかりと評価・選別することは,歴史的公文書を後世に残す意味でも大切なことです。

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20171011日(水曜日)/行政文書の燻蒸(くんじょう)が完了しました。

 2016年12月1日に確認された行政文書の白カビの対策として,これまでカビやほこりを取るために,エタノールでの清拭や新しい文書箱への入換えなどを実施してきました。しかし,カビ対策としては十分ではないため,一旦処置を終えた行政文書を含め,約13,000冊の燻蒸を実施しました。燻蒸は旧海田合同庁舎車庫で行うため,9月18日から専門業者が運搬準備を始め,当館から該当文書を箱詰めして運搬しました。その後3日間かけて燻蒸を行い,10月11日に行政文書は書庫に戻され配架されました。カビ対策はやっと一段落と言いたいところですが,緊急性のある文書から順不同で処置を始めたため,配架された行政文書の登録番号順への並べ替えが必要です。書庫環境に十分に注意してこれから少しずつ並べ替えを実施していきます。

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2017年10月3日(火曜日)/広文協第1回研修会を開催しました。

 広島県市町公文書など保存活用連絡協議会(広文協)の平成29年度第1回の研修会を開催しました。京都市学校歴史博物館の和崎光太郎学芸員に「学校資料の収集・保存・活用」と題して講演をしていただきました。これまで,広文協ではさまざまなテーマを取り上げてきましたが,学校資料に関しては初めての試みです。市町では,平成の大合併や少子化の影響などにより,小学校・中学校の統廃合などが進められています。そのため学校資料は散逸・廃棄の危機に瀕しています。今回の講演では,収集・保存・活用の観点から実例を踏まえて,学校資料についての具体的な取組をご紹介いただきました。講演後の質疑応答では,市町の担当者から多くの質問をいただき,大変参考となったようです。

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2017年9月24日(月曜日)~29日(火曜日)/アーカイブズ研修3に参加しました。

 国立公文書館主催のアーカイブズ研修3(前期)に参加しました。これまで,アーカイブズ研修1・2を受講してきましたが,事前課題があったり,修了研究論文を課せられたりして,これまで以上に,専門的な内容でした。前期は,公文書のずさんな管理や公文書管理法に抵触するおそれのある事案などが発生したこともあって,公文書管理・情報公開・個人情報保護など,大変盛りだくさんの内容を学んだ研修でした。また,学習院大学大学院での講義では,各自の研究テーマの概要説明をふまえた協議を行い,大変有意義な内容となりました。10月中旬には中期,11月には後期と都合3週間にわたる研修を通して,個別の研究論文に取り組むことになります。

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2017年9月5日(火曜日)/第2回写真パネルギャラリー始まる。

 今年の収蔵文書展「県北の路線を見つめて」(平成29年3月28日~6月10日)を契機として,4月7日から第1回写真パネルギャラリー「可部線 花と川の風景(可部-三段峡間)」を開催し,鉄道のファンのみならず多くの方から好評を得ました。そこで「川や山を越えて走る-中国山地の鉄橋とトンネル-」と題して,第2回写真パネルギャラリーを9月5日から開催しています。今回は,中国地方をめぐる鉄道路線の鉄橋,トンネルなどに焦点を当てた20点です。今となってはみることのできない,列車とのコラボレーションを是非ご覧ください。

第2回パネルギャラリー01 第2回パネルギャラリー02 第2回パネルギャラリー03

2017年8月21日(月曜日)~25日(金曜日)/博物館実習で古文書の整理・補修を実践

 8月21日~25日の5日間,県立広島大学の内藤晴香さんが博物館実習を行いました。今回の実習では,文書館の業務内容,行政文書の管理,書庫環境整備,古文書の整理・保存など,当館の日常業務を中心に取り組んでいただきました。未整理の古文書の整理手順,破損した古文書の補修,保存箱(帙)(ちつ)の作成など,実践形式で多くのことに挑戦してもらいました。特に,古文書の補修には,薄い和紙を使用して,丁寧な作業が求められますが,今回の実習を通して補修技術の基本がしっかりと習得できたようです。

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2017年7月22日(土曜日)/古文書取扱講習で身近な古文書に注目

 古文書解読入門講座第4回は,古文書取扱講習,当館業務の説明及び館内見学をしていただきました。講座参加者の中には,古文書や行政文書等の閲覧などすでに利活用していただいている方や,これから利用してみようと考えられている方もおられます。そのため,当館の業務内容や館内の状況を理解していただき,古文書(現物)を閲覧する際の取扱についての注意点を知っていただくことは大切です。古文書(現物)をお持ちではなくても,賞状や手紙など大切な紙資料はお持ちの筈なので,保存・管理の仕方などについての理解を深めていただければ,この講習も役立ちます。当館所蔵文書には,確かに貴重なものもありますが,一部を除き閲覧室で実際に手に取って見ることができます。今回の取扱講習で学んでいただいたことを参考に,多くの方に利活用していただければと思います。

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2017年6月30日(金曜日)/紙縒,四つ目綴じに挑戦!

 今年も安田女子大学の古文書学実習を当館で開催しました。講義・見学・実習と内容が盛り沢山の一日となりました。実習では,当館で実際に行っている古文書の修復について学び,実際に紙縒の作成や四つ目綴じを行いました。紙縒は「こより」と読み,和紙を縒(よ)って紐状にしたものです。初めての経験でなかなかうまくできない紙縒に悪戦苦闘したり,題箋貼り・地図の補修に取組んでもらったりしました。「紙縒作りが思ってたより難しかったです。四つ目綴じは,やり方を覚えれば家でもできそうだと感じました。補修の際,可逆である事の重要性がよく分かりました」などの感想もあり,当館の業務の一端を理解していただくよい機会となりました。

安田実習01 安田実習02 安田実習03 安田実習04安田実習05

2017年6月27日(火曜日)/デジタルフィルムスキャナー講習

 当館では,古文書や新聞などさまざまな文書の原本の破損を予防する目的でマイクロフィルムを所蔵しています。ロールタイプのマイクロフィルムやシートタイプのマイクロフィッシュ,アパチュアカード,広島県史編さん室が撮影したフィルム等があり,これらを利用するためには,マイクロフィルムリーダーと呼ばれる専用機器が必要です。古いフィルム等にはビネガーシンドローム(酢酸臭を発して劣化する症状)が起こり,破損の危機に瀕しているものもあります。今回,デジタルフィルムスキャナーを購入することになり,講習を受けました。マイクロフィルムのセットから画像取込,次に目的に応じたデジタル加工,プリントアウトなどの操作手順と留意点などを学びました。こうした技術を活かして,フィルムデータの利活用を進めるとともに,保存管理にも役立てます。

デジタルフィルムスキャナー講習01 デジタルフィルムスキャナー講習02 デジタルフィルムスキャナー講習03

2017年6月24日(土曜日)/「武家諸法度」を古文書で読む。

 今年度も古文書解読入門講座(全10回)が6月10日(土)から始まっています。今年の受講生は57人です。平成2年以来,1,800あまりの方が受講されています。これまで受講生の中には,地域史研究の中心となって活躍されている方や古文書の保存に取り組んでおられる方もいらっしゃいます。なかには文書調査員として当館の業務の一端を担っていただいている方もおられます。まさに,県内の古文書にとって強いサポーターです。今年の受講生の方も,これまでの受講生と同様に熱心に古文書解読に取り組まれています。9月からは続古文書解読入門講座(全7回)も開講する予定です。

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2017年6月16日(金曜日)/可部高校から学校資料を受領しました。

 平成20年4月1日に寺山の山頂に移転した可部高校は,平成24年に100周年を迎えた高等学校です。今回は,この伝統のある可部高校の戦前の学校資料を含めた文書類を段ボール箱5箱分,受領しました。特に戦前の行政文書や戦後間もない頃の資料は僅少で,こうした学校資料は大切な資料となります。受領しました文書類は,今後利活用できるように整理して,当館で大切に収蔵していきます。

可部高校01 可部高校02

2017年6月15日(木曜日)/観音書庫の環境整備に取り組んでいます。

 観音書庫には,選別した行政文書や古文書が収められていた木箱などを収蔵しています。県職員寮であった施設を書庫として利活用していますので,施設の老朽化も進み環境整備が必要です。今回は,書庫へ遮光カーテンの取付けに行ってきました。付いていたカーテンのほとんどは,県職員寮から引き継いだもので遮光が十分できておらず,書庫内温度が高い状態となっていました。遮光カーテンは閉校となった大学のものを譲り受け,きれいにクリーニングして利用しました。これで,少しは書庫内環境も改善されるはずです。大切な行政文書等の保存管理のために,こうした環境整備も日常業務の一つです。

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2017年6月5日(月曜日)/文書調査員会議を開催

 県内各地の古文書などの確認調査等を行っていただく文書調査員の会議を開催しました。本年度は12名の文書調査員の方にお願いしています。文書調査員の主な活動は,古文書の所有者の方に直接お会いし,古文書の保存状況などを確認して,その聞取り内容を当館へ報告していただくことです。また,所有者の方が不明な場合は,地域の方などから直接情報を得るなど,まさに足を運んで確認をしていただいています。このような,地道な活動をしていただく中で,新たな古文書の情報を得ることもあり,文書調査員は当館にとって必要不可欠な存在です。文書調査員の活動にぜひご理解とご協力をお願いします。

文書調査員会議01 文書調査員会議02 文書調査員会議03

2017年6月2日(金曜日)~3日(土曜日)/記録管理学会に参加しました。

 記録管理学会2017年度研究大会に参加しました。研究大会は九州大学箱崎キャンパスで開催されましたが,現地見学として福岡共同公文書館,太宰府市公文書館を見学することができました。福岡共同公文書館は,福岡県及び県内市町の公文書管理のために平成24年に設置された公文書館です。施設もさることながら,市町の公文書を一施設で管理することは斬新な取り組みです。また,太宰府市公文書館は,公文書館へ移管される前の文書を対象にして,公文書の一括管理に取り組まれていて,市町村の公文書管理の参考となる公文書館でした。研究大会では,講演,プロジェクト研究など意欲的な取り組みなどが紹介され,当館の業務などに大変参考となりました。

記録管理学会01 記録管理学会02 記録管理学会03

2017年5月27日(土曜日)/文書館講演会「アーカイブズで見つめる県北の鉄道路線」を開催しました。

 現在当館で開催されている,収蔵文書展「県北の鉄道を見つめる」(3/18~6/10)の関連行事として文書館講演会を開催しました。鉄道をテーマに展示・講演会が開催されるのは実に,25年ぶりとなります。昨年9月に三江線の廃止が決定され,一方で今年3月には廃止路線となった可部線の一部区間の営業が再開されるなど,昨年度は鉄道にとって意義ある年となりました。講演では,県内路線(可部線・芸備線・木次線・福塩線・三江線)の成立期から現在にいたるまでの変遷を,展示資料(写真や行政文書)をもとに,当時のエピソードなどを交えての話は,大変好評でした。

文書館講演会01 文書館講演会02 文書館講演会03 文書館講演会04

2017年5月23日(火曜日)/平成29年度広文協総会を開催しました。

 広文協(広島県市町公文書等保存活用連絡協議会)総会を開催しました。広文協(平成13年11月発足)は,県や市町が保管する公文書等の保存・活用に関し,市町が連携を取ることを目的とし,研修会の開催や調査・研究,情報の交換,機関誌の発行等を行っています。総会では,年2回(10月,2月)の研修会開催や年2回の会報発行など,本年度の事業計画などが承認されました。
 また,元日本経済新聞社編集委員の松岡資明氏による「国立公文書館新館が問いかけるもの」と題した講演では,公文書館や公文書管理に関する様々な課題について,最近の公文書存否をめぐる問題事例を取上げ,公文書を取扱う専門職の人材育成が急務であることなどを指摘されました。参加者からは,「大変参考になった」などの感想が寄せられました。

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2017年5月16日(火曜日)/展示アンケートご協力プレゼントの「絵葉書」と「しおり」に新しい仲間が登場しました!

 文書館では,展示アンケートにご協力いただいた方へオリジナル絵葉書としおりをプレゼントしています。今回は,現在好評開催中の鉄道展示「県北の路線を見つめる」に関連した三江線の鉄橋を渡る列車(14)と,木次線の出雲坂根駅のスイッチバック風景(15)の絵葉書を新たに作成しました。昭和30年代の芸備線の記念切符をモチーフにしたかわいいしおりも作りました。プレゼントの絵葉書は,昔の鉄道風景のほか,文書館に収蔵しているカラフルな絵図や明治時代の相生橋の写真(1),カープの株券(9),昭和35年頃の県庁周辺航空写真(6)など15種類あり,お好きなものを1枚選んでいただけます。展示ご観覧の記念にぜひお持ち帰りください。みなさまのご来館をお待ちしています!

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2017年5月9日(火曜日)/白木書庫(旧県立白木高校)の現況

 白木書庫は,当館より約40kmにある書庫です。平成24年3月末に閉校した白木高校の校舎の一部を当館の書庫として利用しています。あいにくの雨模様でしたが,校舎内は前回現況確認した時のままでした。玄関入口付近に吹込んだ埃や蜘蛛の巣に時の経過を感じることができます。旧事務室・旧校長室の書架に,昨年度中に文書等の搬入を行う予定でしたが,当館書庫のカビ対応に時間が確保できず,搬入ができませんでした。今年度から,行政資料などを順次配架する予定です。5年前には,高校生の声が響いていた校舎は,歴史資料を保存・管理する場所として第二の人生をようやくスタートできそうです。

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 2017年4月22日(土曜日)~23日(日曜日)/日本アーカイブズ学会にてポスター発表を行いました。

 4月22・23日,学習院大学で日本アーカイブズ学会が開催されました。昨年度当館で航空写真の整理に関する実習を行った株式会社パスコの千代田裕子さんと当館の宇都綾子嘱託員が,「航空写真の整理方法確立に向けた試み」と題してポスター発表を行いました。航空写真だけでなく,その撮影地点等を表示した標定図も併せて整理するべきことを提言し,両者の照合方法についても説明しました。2日間の発表期間中,ほぼ途切れることなく観覧者が訪れ,好評をいただきました。今後,この成果をふまえて,航空写真の利活用を推進していきたいと思います。

アーカイブズ学会01 アーカイブズ学会02 アーカイブズ学会03

 

 2017年4月11日(火曜日)/行政文書の健康診断をしました。

 当館に所蔵されている行政文書の中で,昭和10年代~昭和20年代に作成された文書等には,主に酸性紙が使用されています。そのため,時の経過とともに行政文書の酸性劣化が進んでしまい,最悪の場合,文書が判読できなくなることもあります。貴重な行政文書の酸性劣化を抑えるための一つの方法として脱酸処理があります。今回は,脱酸処理のための事前作業として,専門業者の方に行政文書の状態をチェックしていただきました。文書整理箱に保存されている文書を1点ごと,紙の種類,紙の状態,筆記の種類,文書の重さ・厚さ,酸性度など,まさに行政文書のカルテの作成です。今回は175点のデータが作成され,この情報をもとに脱酸処理の必要の有無などを判断していきます。こうした行政文書の健康状態を確認し,治療が必要な行政文書の早期発見・対応も文書館の業務です。

行政文書の診断1 行政文書の診断2 行政文書3

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