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今日の文書館 ~日常の取り組みを発信する~

印刷用ページを表示する掲載日2018年4月10日

「今日の文書館」について

 広島県立文書館は,広島県に関する重要な行政文書・古文書を収集・保存・整理し,それらを県行政に役立てると共に,広く一般に公開する業務を行っています。

 資料の収集・保存・整理という仕事は,文書館にとって,言わば核となる業務ですが,閲覧室の裏側で職員が日々地道に取り組んでいる仕事であるため,通常,一般の利用者の目に触れることはありません。

 そこで,このページでは,文書館がどのような仕事を行っているのか,その日常の姿を発信していきます。目立たないながらも重要な文書館の業務について,広く知っていただきたいと思っています。

 なお,展示や実習・講座など,当館が行う行事については,ここでは準備の様子を中心にお知らせします。各行事の当日の詳しい様子は,「 文書館 Monthly Report 」 で報告しますので,そちらをご覧ください。


2016年3月14日(月曜日)/広島県情報プラザの改修工事が終了しました。

 昨年末から行われていた広島県情報プラザの大規模な改修工事がこのほど終了しました。利用者の皆さまには,1階エントランスホールに組まれた足場により,文書館の入り口が見つけにくく,閲覧室でも工事の騒音や振動などがあり,大変ご迷惑をおかけしました。閲覧室からは工事前後の違いはよく分からないかも知れませんが,職員が執務する部屋から見える,県立図書館の屋根部分には防水加工が行われ,見違えるようにきれいになりました。1階エントランスホールも随分と明るくなりました。

改修工事1  改修工事2

2016年3月10日(木曜日)/収蔵文書展「広島県の市町村合併」のパネルを作成しました。

 3月28日(月曜日)から収蔵文書展「広島県の市町村合併」が開幕します。今日はその展示で使う表や写真などを拡大印刷し,パネルを作成する作業を行いました。明治21年に1,174あった広島県の市町村は,明治・昭和・平成の三度にわたる大合併を経て,現在では23市町まで減少しました。その減少率は全国でも一,二を争います。今回は当館が収蔵する古文書や,行政文書の中から,合併の経緯が分かる資料を厳選して展示しています。皆さんのお住まいの市町はどのような変遷があって今の姿となっているか,具体的に分かりますので,ぜひ足をお運びください。

展示準備1   展示準備2 展示準備3

2016年2月26日(金曜日)/平成27年度広島県公共図書館協会館長会議が当館で開催されました。

 展示3 展示2 

広島県公共図書館協会館長会議が今年度は当館研修・会議室で開催されました。会議終了後,当館の紹介として,現在展示室で開催中の収蔵文書の紹介展「収蔵資料で見る『年始』の歴史」を見学していただき,担当職員が展示説明を行いました。当館での展示業務のコンセプトや展示内容についてのご質問のほか,図書館が所蔵する古い資料を展示する際の注意点などについて,いくつかご質問をいただき,説明させていただきました。

2016年2月10日(水曜日)/映像フィルムを保存するため,乾燥吸収剤を容器に入れました。

作業1 作業2 作業3

 昨年10月,兼田文隆氏から460点の観光映画用の映像資料が追加寄贈されたことは,11月30日に紹介しました。古いフィルム(セルロースアセテートベース)は,ベースが不安定なため,ビネガーシンドロームを起こして酢酸臭を発し,フィルムが歪むなど画像が劣化する恐れがあります。それを防ぐためには,フィルムの複製(デジタル化)を行うしかありませんが,オリジナルフィルムを守るためには,酸と湿気の吸収剤をフィルム容器に入れる必要があります。今日は研修・会議室の机の上にフィルム容器を広げて,乾燥吸収剤を入れる作業を行いました。寄贈されたフィルムはまだ劣化していませんが,良好な環境で保存するとともに,この乾燥吸収剤も定期的に詰め替える必要があります。

2016年1月21日(木曜日)/広島市公文書館で資料整理・補修の研修に伺いました。

広島市公文書館研修1 広島市公文書館研修2 広島市公文書館研修3

 広島市公文書館からの依頼により,資料整理・補修の研修を同館の会議室で行いました。広島市公文書館では,収蔵資料の保存措置や破損文書の修復等について課題を抱えているとのことで,当館での方法を参考にしたいとのことでした。
 研修では,まず広島市公文書館主幹の渡辺さんが,当館の資料保存状況・埃払い作業の様子をビデオで説明されました。その後,当館職員が,文書の整理・保存・補修の原則と当館で行っている手順を説明し,文書の簡易な補修の実習を行いました。文書の埃払い,文書に付いた金属類の除去方法,生麩糊の作り方,破損した文書の補修方法について一通り行いました。
 参加された職員の方々は,実際に日頃公文書の整理・保存に携わっておられるだけあって,高い関心を持って熱心に取り組んでいただきました。当館でも,さらなる知識・技能の吸収に努めつつ,その普及に取り組んでいきたいと思います。

2016年1月19日(火曜日)/収蔵文書の紹介展示のTV収録。

 テレビ収録1 テレビ収録2

 ビジュアルパンダ―広島支社の田中さんが来館され,現在開催中の収蔵文書の紹介展「収蔵資料で見る『年始』の歴史」について,ケーブルテレビの収録をしていただきました。当館嘱託員が,冒頭の展示紹介を行い,続いて研究員が展示内容の説明をしました。放送は月末の1週間です。

2016年1月12日(火曜日)/収蔵文書の紹介展を開始しました。

 収蔵文書の紹介展1 収蔵文書の紹介展2 収蔵文書の紹介展3

 平成27年度第2回収蔵文書の紹介展「収蔵資料で見る『年始』の歴史」を開始しました。年始にまつわる江戸時代のさまざまな古文書(正月料理の献立や歳暮・年玉などの到来物などに関する文書)のほか,年賀状の前身ともいえる年始書状,明治10年代から昭和戦前期にかけての年賀状を展示しました。3月19日(土曜日)まで開催しています。

2016年1月5日(火曜日)/広島大学大学院生の見学実習

 実習の状況の写真1 実習の状況の写真2

 広島大学大学院総合科学研究科の授業科目「文書企画管理演習」の一環として,広島大学の布川弘先生,小宮山道夫先生と大学院生6人が文書館の見学実習に来られました。研修室で,当館の施設と業務の概要を説明した後,バックヤードをご案内しましたが,書庫では収蔵資料について熱心に質問されました。今後も,資料の閲覧等でお気軽にご来館いただければと思います。

2015年12月14日(月曜日)/広島県情報プラザは工事中ですが,県立文書館は開館しています!

 窓サイン エントランスホール 閲覧室

 当館が入居する広島県情報プラザは,昭和63年(1988)に建築されましたが,老朽化が目立つようになりました。このため,今秋から屋上防水改修工事,内壁タイル改修工事,天窓(トップライト)改修工事,冷暖房用ボイラー取替工事を集中的に行っています。情報プラザのエントランスホールには足場が組まれて,窓からさす光が遮断され,薄暗く感じられます。1階に入居する広島県立図書館も,開架室の電灯設備改修工事のため,今日から来年の1月20日(水曜日)まで臨時休館することになりました(休館中臨時閲覧室の開設あり)。しかし,広島県立文書館は工事中でも通常通り開館し,閲覧室も普段通りです(閲覧室の窓から工事の足場が見えます)。工事の影響で,大きな音や振動が発生するかもしれませんが,昭和63年開館以来,28年目の大改修ですから,ご協力をお願いいたします。

2015年12月11日(金曜日)/保存文書を観音書庫へ運搬

作業風景の写真1 作業風景の写真2 書架の状況の写真

 12月1日に県庁の地下書庫でダンボール詰めした保存文書74箱を,トラックで観音書庫へ運搬しました。心配された雨も上がり,作業は予定より早く無事終了しました。観音書庫は,既設の書架が一杯になったため,昨年度から空きスペースに12本の書架を増設しましたが,今回はその書架に文書を収めました。これらの文書は,完結後30年が経過するまでに再選別し,最終的に保存するかどうかを決定します。当館では,それまでの間に文書を保存しておく施設を「中間書庫」と呼び,観音書庫(旧県職員独身寮)と白木書庫(旧県立白木高等学校校舎)の2ヶ所を確保しています。

2015年12月1日(火曜日)/保存文書の運搬準備作業

作業風景の写真1 作業風景の写真2 ダンボールに詰めた文書の写真

 今年度廃棄予定文書(本庁分)のうち,文書館で保存することになった313冊の文書を,当館(観音書庫)へ運搬するための準備作業を,県庁の地下書庫で行いました。文書が収められたケースに,登録番号を記載したラベルを貼付し,順番にダンボールに詰めていきます。電子文書の増加によって,紙文書の分量は年々減っていますが,今回はダンボール74箱分の文書を持ち帰ることになりました。

2015年11月30日(月曜日)/広島関係の広報映画の映像フィルムを整理しました。

映像フィルム1 映像フィルム2 映像フィルム3

 10月10日,京都映画株式会社(現松竹撮影所)で長らく観光映画等の制作に携わって来られた兼田文隆氏から映像資料460点の寄贈を受けました。平成24年度に寄贈された48点と併せて合計508点となりました。これらは,昭和40年代から平成にかけて,広島市や福山市,広島県立歴史博物館などが企画して,同社が撮影・制作した観光映画の原版です。重くて場所を取り,損傷・劣化する原版フィルムは,デジタル化が進めば不要に思われるかもしれませんが,デジタルデータが何年保てるか,その耐久性は不確実で,読み取るための再生機器もなくなる可能性があるので,良好な環境であれば長期保存が可能な原版フィルムは,今後も保存していく必要があります。

2015年11月24日(火曜日)/ガラス乾板写真の保存方法を見直しました。

乾板写真1 乾板写真2 乾板写真3

 高田郡三田村の楢崎圭三は,明治30年代から大正にかけて全国を精力的に歩き,自ら開発した改良製炭法と椎茸栽培法の2つの技術を広めました。当館では,圭三が残したガラス乾板写真110枚を収蔵しています(『広島県立文書館だより』6号,1995年9月で紹介)。10月1日(木曜日)に広島市公文書館で開催した広文協研修会では,同館の保存法を見学させていただきました。これを機に,これまで平置きにしていた保存法を見直して,中性紙のガラス乾板用フォルダーと専用の保存箱を購入し,縦置きにして,マイクロフィルム保管庫に収納することにしました。

2015年11月20日(金曜日)/被災資料を保全・救出するためのワークショップを行いました。

 加藤さん 資料乾燥 写真洗浄

 今年も,県内市町の文書管理担当者などにお集まりいただき,行政文書・古文書保存管理講習会を開催しました。午後の古文書分科会では,「災害から地域歴史資料を守る」というテーマで,歴史資料ネットワーク(史料ネット)から,吉原大志さん,吉川圭太さん,加藤明恵さんをお招きしました(京都造形芸術大学名誉教授の内田俊秀先生にもご援助いただきました)。史料ネットには,昨年度の広島土砂災害で,泥と水に濡れた写真アルバムや書類を修復するため,技術的なご支援をいただきました。今回は,被災した歴史資料をどうやって保全,救出するか,参加者が各々濡れた資料や,泥のついた写真を手に取り,身近な生活用品を用いた応急処置法について,ワークショップ形式でご指導いただきました。参加者からは,説明を聞くだけでなく,体験することで一層理解できた,災害に必要なものを最低限用意しておきたい,などの感想をいただきました。

2015年11月12~13日(木曜日・金曜日)/全史料協全国(秋田)大会

全史料協秋田大会3 全史料協秋田大会 全史料協秋田大会1 

全史料協秋田大会4 全史料協秋田大会5 全史料協秋田大会6

 全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)の全国大会が秋田県大仙市で開催され,広島県立文書館からも参加しました。公文書館開館を予定している大仙市公文書館設置準備室,昨年度開館した茨城県の常陸大宮市文書館,平成23年に公文書館機能を有する博物館となった群馬県中之条町歴史と民俗の博物館「ミュゼ」からの報告がありました。 また,初代公文書管理担当大臣であった上川陽子衆議院議員による記念講演や,大仙市の公文書・古文書の保存管理状況についての現地視察も行われました。展示・ポスターセッションも開催され,当館も出展・参加しました。昨年8月20日の土砂災害後に取り組んだ被災アルバム・写真の保全活動をテーマにしたポスターを展示しました。平成20年代に入り,市町村における文書館施設の設置が各地で進みつつありますが,その一端に触れることのできる有意義な大会でした。

2015年10月26日(月曜日)/行政文書廃棄準備作業

作業風景の写真1 作業風景の写真2 作業風景の写真3

 今日から県庁の地下書庫で,保存年限が満了した行政文書約5,000冊の廃棄準備作業を始めました。このうち,約300冊は,9月から実施した選別作業によって,文書館で保存することにしましたが,これらの文書は別室に移動して,目録を作成します。また,廃棄することになった約4,700冊の文書は,その中から必要な行政資料(刊行物)を抜き取った後,書庫内の廊下に積み上げていきます。廃棄文書は,来月には溶解処分される予定です。文書の移動は重労働ですが,当館職員5名と総務課臨時職員3名が,力を合わせて作業を進めています。

2015年10月8日(木曜日)/行政文書の復元作業を行いました。

元穴に針を通す 元穴に糸を通す 穴に糸を通し終えた状態

 当館では,資料の撮影や修復,または利用の便宜を図るため,資料によってはやむなく一時的に資料を解体することがあります。昨年度,撮影のために解体した行政文書を,解体時に撮影した写真を確認しながら,元の状態に復元する作業を行いました。まず解体した文書の表紙を簿冊の四つ目綴じの元穴にあわせてそろえます。そして,元穴を利用して針と糸で綴り直していきます。元の糸は切れていたため,新しい糸を使いました。表紙が破損していたものは,中性紙で作り直して復元しました。厚めの簿冊では,糸を通すために針を引き抜いていくのが大変です。文書の紙が劣化して弱っているものもあるため,作業は慎重に少しずつ進めていきました。このような再製本の作業も,文書の原形を保って保存していくために必要な文書館の日々の仕事の一つです。

2015年10月5日(月曜日)/広島県情報プラザの火災・防災訓練に参加しました。

避難誘導 消火栓 消火器

 当館が入居する広島県情報プラザでは,毎年,地震と火災の発生を想定した火災・防災訓練を実施しています。27年度の訓練が今日実施され,当館からは4名が参加しました。地震や火災,その他の災害が発生した際,利用者や職員を安全に誘導するため,そして当館のような資料保存機関では,資料の安全を確保するためにも,迅速かつ的確な行動が求められます。訓練では,まず利用者の避難誘導方法を確認し,次に消火栓の場所とその使用法を実地に確認,最後に消火器取扱いの訓練などを行いました。実際に消火器を使ったことがある経験者は少なく,参加者はみな真剣に取り組みました。

2015年9月19日(土曜日)/古文書庫の説明板と配架表を貼り替えました。

古文書庫の表示1 古文書庫の表示2 古文書庫の表示3

 地下1階の古文書庫には,配架している古文書の説明板を数か所に設置していましたが,今回全ての書架に説明板を設置しました。書庫の中に説明板を設置するというのは,一見奇妙に思われるかもしれません。当館では講座や講演会などの行事に伴って,来館者を対象に書庫見学を実施しており,一般の方が書庫に入られる機会は思いのほか多いのです。とくに,地下1階の古文書庫はスペースも広く,一番じっくりと見学していただける書庫でもあります。説明板を見ていただければ,文書館がいかに様々な文書を収蔵しているか,よくお分かりいただけると思います。
 また,書庫には毎年新たに収蔵した文書が搬入され,その都度書庫内の配架状況を記した配架表を更新して,貼り替えています。この配架表は,閲覧申請があった文書を職員がすばやく出納できるようにするためのもので,どの文書がどの書架に配架されているのかが,ひと目で分かるようにしています。

2015年9月15日(火曜日)/広島市立中央図書館で展示作業を行いました

展示パネル ケース内パネル ケース内文書

 当館では9月5日(土曜日)に終了した第1回収蔵文書の紹介展「広島東照宮「通り御祭礼」展を,広島市立中央図書館2階展示ホールへ会場を移し,同館の平成27年度企画展(当館との共催)として,9月17日(木曜日)から10月12日(月・祝)まで開催することになりました。今日はその展示作業を行いました。当館の展示とは手法が異なる点もありましたが,図書館職員のご協力を得ながら無事完了することができました。当館での展示を見逃した方もぜひご覧いただければと思います。

 200年振りとなる,10月10日(土曜日)の広島東照宮「通り御祭礼」(広島東照宮と饒津神社を往復)も,いよいよ近づいてきました。広島市重要文化財の200貫神輿や花車(山車),そして500人を越える華麗な時代行列が広島の秋を彩ります。こちらもぜひご覧ください。

2015年9月11日(金曜日)/大学生のインターンシップ,最終日です。

 インターンシップ1 インターンシップ2 インターンシップ3

 8月31日から2週間に及んだ大学生のインターンシップも今日が最終日となりました。3名の大学生たちは,行政文書や行政資料・図書などの整理,展示の準備作業,書庫環境の整備など,文書館の様々な業務に積極的に取り組んでくれました。今日は,古文書の整理です。受け入れた古文書の目録の作成や和書の題箋を糊で貼る作業,古文書を保存する中性紙の帙の作成などを担当してくれました。大学生たちからは「今後の進路を考える上で,貴重な経験となりました。」との感想をいただき,私たち職員も,若い世代とふれあうことで,お互いに刺激を得た2週間となりました。

2015年9月9日(水曜日)/インターンシップの大学生と襖の下張文書を剥がす作業をしました。

襖の下張り1 襖の下張り2 襖の下張り3

 今日は,インターンシップの大学生3名と一緒に,受け入れた襖の下張文書を剥がす作業を行いました。古い襖には,表面の襖紙と中心の木枠との間に,襖を補強するために何層もの紙が貼られているものがあります。紙は貴重なものだったため,これらには不要になった和紙や古文書がリサイクルして使用されました。これを下張文書といいます。この作業では,襖の下張の層ごとに番号を付けて,文書が張り合わせてある状態をデジタルカメラで撮影して記録し,竹べらなどを使って,文書を1点ずつ順番に剥がします。剥がしにくい部分は水で湿らせて丁寧に剥がしていきました。考古学の発掘のような地道で細やかな作業の連続ですが,大学生たちは熱心に取り組んでくれました。剥がした文書には明治期の帳簿や書状などが含まれていました。一見古い襖ですが,その下張文書は,地域の歴史を明らかにしてくれる貴重な史料といえるでしょう。

2015年8月25日(火曜日)/新しい集塵機を作成しました。

集塵機1 集塵機2 集塵機3 集塵機4 集塵機5 集塵機6

 古文書のほこり払いをするための集塵機を,新たに作成しました。当館ではこれまで,穴をあけた段ボール箱にULPAフィルター付掃除機のホース差し込んで,集塵機として使っていました。今回もあり合せの段ボール紙とスチレンボードの端切れなどを活用して作成しましたが,様々な工夫を施しました。まず,横長帳のような大きな文書も広げて作業ができるよう,横幅を70cmとりました。また,天板を透明のアクリル板にしたことで,手元が明るくなりました。また,台の部分にはステンレスの多孔板を置き,払ったほこりが下のトレイ(厚紙で作成)に落ちるようにしました。掃除機の着脱口は,キッチンペーパーの芯がちょうどホースの口にぴったり合ったため,これを段ボールの容器に固定し,ホースを差し込むだけでいい状態にしました。試行錯誤しながら作りましたが,身近にあるものやホームセンターで購入できる材料を使って,十分機能的なものができたと思います。いずれ何らかの形で,詳しい作成方法をご紹介したいと思っています。

2015年8月4日(火曜日)/安田女子大学の学生が古文書の補修に挑戦!

ドライクリーニング 題箋貼り 地図補修

 今日は安田女子大学の古文書学実習の当日です(全体のメニューは昨年度「Monthly Report」Vol.4をご覧ください)。午後の「古文書の保存と補修」では,参加した学生に破損した古文書の簡単な補修をしていただきました。限られた時間内で,どのように進行すれば理解してもらえるか,2週間前から話し合いを重ねながら準備してきました。まず,国立公文書館から平成19年に送付されたDVD「国立公文書館における資料修復」を視聴し,概要を説明した後,(1)ほこりをかぶった大福帳を刷毛(はけ)でドライクリーニング,(2)和書の四つ目つづるじ,(3)はがれた和書の題箋(だいせん)を生麩糊(しょうふのり)で補修,(4)破れた地図を典具帖紙(てんぐじょうし)で補修という4つの作業に各自が取り組みました。今年は参加者が少なかったため,2つの班に職員が付いて指導することができ,予定通り終わることができました。

2015年8月3日(月曜日)/安田女子大学の古文書実習の準備で生麩糊を作りました。

糊製作1 糊製作2 糊製作3

 毎年実施している安田女子大学の古文書学実習が明日に迫りました。午後には,実習生おのずから古文書の補修に取り組んでいただくことにしていますので,先日からその準備に取り掛かっています。今日は明日使う生麩糊(しょうふのり)を作成しました。生麩糊は,生麩粉(蛋白質を除いた小麦粉)を3~4倍の水で薄め,よくかき混ぜて20~30秒電子レンジで加熱します。固まりができないよう状態を確認しながら,この作業を3回程度繰り返します。粘りが出て,半透明の糊状になったら,冷まして漉(こ)し,密閉できる容器に入れて,冷蔵庫で保存します。

2015年7月25日(土曜日)/古文書解読入門講座で古文書の取扱いなどについて説明しました。

業務説明 取り扱い 書庫見学

 今年度も6月13日(土曜日)から古文書解読入門講座(全10回)を開講しています。入門講座では,くずし字解読を学ぶだけでなく,文書館の社会的役割も知っていただくことが大切と考えていますので,毎年第4回の講座は,文書館の業務説明や,古文書の取扱い講習,書庫見学に当てています。まず,文書館とは,アーカイブズとは何かを説明し,続いて,実際に傷んだ古文書を見ていただきながら,これがどのような原因で破損したのかを説明しました。また,当館での古文書の保存方法や,古文書の適切な取扱い方について学んでいただきました。館内見学では,複製資料書庫や行政文書庫,古文書庫の様子を見ていただき,収蔵資料の説明を行いました。

2015年7月24日(金曜日)/広島市内から職場体験実習の中学生がやってきました。 

古文書装備 絵葉書作成 壁新聞

 22日(水曜日)から3日間,広島市内の中学生3人を職場体験学習として受け入れ,文書館の様々な業務を経験していただきました。見学を通じて文書館とはどのような施設なのか学んでいただいた後,書庫の温湿度計測と虫トラップのチェック,書庫の清掃,掛軸の写真撮影と大きさの計測,文書箱の製作とレーヨン紙を使った古文書の保存装備,図書のラベル貼り,展示観覧者に配布する絵葉書作成などの仕事に取り組んでもらいました。最終日は3日間のまとめとして,文書館で経験し,理解した内容を,各自2枚ずつ,実習体験報告にまとめてくれました。実習体験報告には,撮り溜めた写真と一緒に,体験した仕事について要領よくまとめられていました。例えば,なぜ古文書をレーヨン紙にくるんで保存するのかなど,分かりやすく丁寧に説明してあります。中学生の理解力には脱帽です。

2015年7月10日(金曜日)/古文書が寄贈され所蔵者の旧宅から持ち帰りました。

 蔵の扉 蔵の2階

 当館では現在約26万点の古文書を収蔵しています。これらは県民等のご厚意により当館へ寄贈・寄託されたものです。6月下旬に,所蔵者の方から古文書をご寄贈いただけると,ご連絡がありました。折りからの梅雨空で,なかなか伺えませんでしたが,今日はようやく晴れ間が出たので,所蔵者の旧宅まで取りに行きました。今回は,旧宅で発見された古文書を自宅まで持ち帰られていましたが,古文書を受け入れる場合には,これまでどのような場所で,どのように保存されていたかも,写真撮影などによって記録を取ることにしています。保存されていた蔵にも,その家や古文書に関する情報が残されている場合があるからです。今回も蔵の2階で,その蔵が建てられた年代の記録を見つけました。蔵へご案内いただく場合には,全身ほこりまみれになることもしばしばです。

2015年6月20日(土曜日)/広島大学教育学部から見学に来られました。

見学1 見学2 見学3

 広島大学教育学部社会系コース1年生の学生さん24名と,引率の下向井龍彦教授,熊原康博准教授が当館を見学に来られました。文書館の概要と業務について説明をしたあと,2班に分かれて館内見学と資料解説を行いました。収蔵文書展が終了した後の見学でしたが,三好家文書の一部を研修室内に掲示して見ていただきました。また,先生方のリクエストに応じて,被爆前後の新聞や写真資料,広島城や比治山・御幸橋・高等工業学校・縮景園など,市内各地の戦前絵葉書も見ていただきました。学生のみなさんも大変熱心に見学され,質問などもしていただきました。この先ぜひ,卒業研究等で当館を利用していただきたいと思います。

2015年6月15日(月曜日)/「収蔵文書展」の撤収作業。

撤収作業1 撤収作業2 撤収作業3

 収蔵文書展「三好家文書展」が6月13日(土曜日)で無事終了しました。三好長慶や信長・秀吉の書状などを出陳した今回の展示は,大変関心も高く,通常より多くの方々に観覧していただきましたが,当館の展示ケース内は,5~6月には温度が上昇するため,長期間の展示は古文書にとって良くありません。そのため,今回の展示では,期間の半分を複製で展示するなど,保存上の配慮をしました。次回の展示は,200年振りに復活する城下町の祭り,広島東照宮「通り御祭礼」を取り上げた資料展を開催します。

2015年6月12日(金曜日)/文書調査員会議を開催しました。

文書調査員会議1 文書調査員会議2

 当館では,県内の資料所在状況を把握するため,文書調査員の方を毎年委嘱しており,年1回会議を開催し,相互の意見交換を行っています。今年度は新たに1名の新任の方に加わっていただきました。当館からは,県内所在文書の調査(把握)状況と課題について,さらには,昨年度実施した被災アルバム・写真の保全活動について御報告しました。また,調査員の方々には,開催中の三好家文書展も観覧していただきました。

2015年6月3日(水曜日)/書庫見学の準備作業。

書庫見学準備1 書庫見学準備2

 6月4日(木曜日)に開催される文書館講演会では,100人を超える参加者が来館する予定です。当日は,講演会のあと書庫見学を実施することにしており,大勢での見学に対応できるよう,書庫内の廊下に段ボールを敷き詰め,土足で入っても大丈夫なように準備をしました。書庫内は,普段は“土足厳禁”ですが,多人数の見学を受け入れる場合には,移動をスムーズにするためにも,一時的にこのような処置をすることも必要です。

 なお,文書館講演会当日の様子については,Monthly Report Vol.11 でお伝えします。

2015年5月29日(金曜日)/広文協総会が開催されました。

広文協総会1 広文協総会2 広文協総会3

 広島県市町公文書等保存活用連絡協議会(広文協)の総会が,県・市町の職員26名の参加を得て開催されました。平成26年度決算報告に続き,27年度の予算案が承認されました。総会後に行われた講演会では,香川県から三豊市文書館の宮田克成さんをお迎えし,文書館開館後の成果と課題をテーマにお話をいただきました。
 昨年度は,文書管理の基礎的研修に重点を置いて研修を行いましたが,今年度は現地研修を中心に,様々な取り組みを行っていく予定です。

2015年5月19日(火曜日)/東広島郷土史研究会古文書研究会が当館を見学されました。

展示見学 資料閲覧 書庫見学

 東広島郷土史研究会のうち,古文書研究会に所属する会員17名が当館を見学されました。現在開催中の収蔵文書展を見学された後,研修室でアーカイブズについての説明を聞き,当館が収蔵している吉川村・竹内家文書(賀茂郡割庄屋)や,寺家村・野坂家文書(村医・野坂完山の「鶴亭日記」など),西条町・吉岡家文書(呉服商),高屋東村・高橋家(庄屋・村長)など,東広島市の古文書や絵図資料などを実際に手に取ってご覧いただきました。最後は書庫などの館内見学を行いました。2時間という短時間の見学でしたが,皆さん十分にご満足いただいたようでした。このような当館施設や収蔵資料について見学のご希望などがありましたら、お気軽にご相談下さい。

215年5月13日(水曜日)/広島市立中央図書館で共催展示会場の下見を行いました。

 展示下見1 展示下見2 展示下見3

今秋,広島市立中央図書館の2階展示ホールで,同館との共催展示「広島東照宮「通り御祭礼」展」を開催することになりました。今日はその会場下見と,同館職員との打合せを行いました。広島城下町では,徳川家康の50回忌ごとに,広島東照宮の「通り御祭礼」が開催され,町民も加わった賑やかな神輿(みこし)行列が東照宮から広瀬神社まで巡行しました。この祭礼は文化12年(1815)を最後に途絶えていましたが,徳川家康の400年忌に当たる今年の10月10日(土曜日),200年ぶりに復活します。共催展ではこの祭礼について紹介します。なお,当館の展示室でも,それに先駆けて6月下旬から収蔵文書紹介展として開催する予定で,現在準備中です。その様子は,また,このページでお知らせします。

2015年5月13日(水曜日)/文書館オリジナル絵葉書としおりのプレゼントを開始しました。

絵葉書1 絵葉書2 絵葉書3

 文書館では,今後の事業などの参考にさせていただくために,展示アンケートを行っています。このたび,アンケートにご協力いただいた方へ,文書館オリジナル絵葉書としおりのプレゼントを始めました。当館収蔵のカラフルな絵図類や明治期の相生橋の写真,昭和35年頃の県庁周辺航空写真など,8種類の絵葉書の中から,お好きなものを一枚選んでいただき,しおりとセットにしてお渡ししています。好評開催中の収蔵文書展「広島藩士 三好家文書展-三好長慶から信長・秀吉・浅野長勳まで-」では,広島ではなかなか見ることのできない信長や秀吉の書状や,広島城下の絵図,知行目録,幕末の長州征伐に関する資料など,三好家で大切の保存されてきた古文書の魅力を満喫していただけます。皆様のご来館をお待ちしています! 

2015年5月7日(木曜日)/収蔵文書展の展示替えを行いました。

信長 秀吉 秀忠

 今年のゴールデンウィークもあっという間に終わってしまいました。当館では,このゴールデンウイーク中に,現在開催中の収蔵文書展「広島藩士三好家文書展」に出陳している中世文書を保護するため,一部展示替えを行いました。これまで写真パネルで展示していた織田信長黒印状1通(写真左)と豊臣秀吉書状2通(写真中).徳川秀忠書状1通(写真右)を新たに展示いたしました。もうすでに展示をご覧になった方でも,写真パネルではなく実物の古文書を改めて見ると,新しい発見がありますので,ぜひもう一度展示をご覧いただければと思います。収蔵文書展は6月13日(土曜日)までです。

2015年4月20日(月曜日)/FM東広島の「防災ひろば」に出演しました。

 fm東広島 収録風景 井上さん

 FM東広島で,毎週月曜日の11時から放送している「防災ひろば」に出演することになり,広島大学キャンパス近くにあるスタジオを訪れました。テーマは「東広島の災害の記録」です。生放送のラジオ出演は初めてで,噛んだりできないと大変緊張しましたが,パーソナリティーの井上葉子さんが上手に誘導してくれましたので,なんとか無事に話すことができました。自然災害は止めることができませんが,江戸時代の人々は被害を最小限に食い止めようと努力していました。私たちもそれを見習って,日常的な備えを怠らないよう努めたいものです。

2015年4月6日(月曜日)/ケーブルテレビの収蔵文書展収録がありました。

日高さん 西村 全員

 3月27日(金曜日)から,収蔵文書展『広島藩士三好家文書展-三好長慶から信長・秀吉・浅野長勲まで』が始まっています(詳しい内容は「企画展・収蔵文書展」のページでご覧ください)。今日はビジュアルパンダー広島支社の田中さんによって,ケーブルテレビの収録があり,当館の職員がそのご案内や説明を行いました。この様子は4月20日(月曜日)から26日(日曜日)まで,広島地区のケーブルテレビ「ふれあいチャンネル」と「ひろしまケーブルテレビ」の「ぐるあそ」で放送されますので,ご覧ください。

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