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「核兵器がなければ平和か」アメリカで突きつけられた問いと向き合った若者たち

​​「核兵器が使用された場合のワースト・シナリオ」の発表は、10人の受講生がそれぞれのパートを分担して全員で臨みました。
参加者に、受講動機や学習の成果について聞きました。
インタビューした生徒二人

自分のアイデンティティーを生かした学びにつなげたい

大規模な危機が個人の生活にどう現れるのか、ミクロの視点で考察する部分を担ったのは武田高校2年の狩谷愛波さん。
「広島で生まれ育ってきて平和教育を受けてきたけど、世界に訴えていく若者として、アメリカの人の核兵器に対する考えを知りたかった」。
それが受講の動機でした。
アメリカ研修では「核兵器があるからこそ80年間核兵器が使われず平和に生活できてきた」という意見を聞き、核兵器の保有を肯定する内容にショックを受けたそうですが、
「核兵器廃絶という自分の考え方はぶれないように、それでも、否定したくなる意見も聞いてディスカッションする必要性を感じた」と振り返ります。
狩谷さんインタビュー

父がハワイ出身で、真珠湾攻撃の時代をハワイで生き抜いた親族もいるという狩谷さんは、日米両方の文化に触れてきた自身のアイデンティティーを生かした学びを、今後さらに続けたいと語ります。
「自分が日系人の子孫ということもあるので、そこにフォーカスして日系人の歴史などを深掘りしたい。核兵器は廃絶するべきとの考えが多い広島と違ってアメリカには核抑止を推進する意見の子が多いけど、どういう教育がされているのか、お互いどう思っているのか意見交換をしてみたい」

武力でない解決策を実現することこそがゴール

「核兵器使用を前提にワースト・シナリオを考えるのは、広島ではタブー的なところがある。でも現実の問題を考えるべきだと思って参加した」と語るのは広島大学1年の小林芽衣さん。
大学生として、高校生の意見を引き出すことに力を注ぎ、発表では総括を担当しました。
生徒達が談笑している様子

高校時代、地元メディアの学生記者として活動した小林さん。
「被爆者の話を聞いてそれを伝えていく活動をしてきたけど、世界に目を向けると80年たってもまだ核兵器が存在する。
核兵器廃絶と言うだけではなく、核保有国側の視点も知ることが必要だなって」。
中でも、アメリカで核抑止を推進するシンクタンクのスタッフに話を聞いたことが印象に残ったそうです。
小林さんの取材の様子

「核兵器がなくなれば平和でしょうか」と言われ、冷たく感じた一方で「確かにそうだ」と思う自分もいました。
核兵器を廃絶しても、核兵器の開発方法の蓄積はなくならない。どこかが秘密裏に行った場合、パワーバランスがさらに危険になり、ゼロか1かという状態になる。
ならば今のまま限られた核保有国が持っている方がリスクが低い――。
そんな主張を聞き、「核兵器廃絶だけでは平和に直結しない」と考えさせられたそうです。
それまでは核兵器廃絶と核抑止での二項対立だと思っていましたが「目的にたどり着くまでの過程の違いであって、核抑止を推進する人たちも核戦争を望んでいるわけではない」と。
「核兵器をなくすことだけが目的じゃないし、核兵器が使われていなくても世界中で紛争・戦争がある。核兵器廃絶だけを声高らかに言うのではなく、武力ではない解決策を実現することこそがゴール」
取材の様子

「意見を理解することと賛成することは別物。核抑止論を理解するイコール賛成ではないし、理解せずして理論に反対することこそ周りが見えてないと気づいた」と振り返る小林さんは、こうも言います。
「大人が敷いたレールの上を歩くのではなく、ある意味批判的に核兵器廃絶の可能性を探っていきたい。それでも核兵器廃絶を訴えるという、揺るぎない心の強さを持ちたいという課題も見つかりました」
受講生が、ワースト・シナリオを草案として提出したのは、10月。それ以降、国際情勢は大きく変化しました。
「この短期間でこれほど情勢が変わる。歴史の一部を見ている感じで恐ろしさを感じました」と小林さんは厳しい表情で言いました。
イベントの様子

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