徹底解剖!ひろしまラボ ロゴ
文字サイズ 拡大 標準
広島の牡蠣

本格シーズン到来!生産量日本一を誇る牡蠣の最新事情とは!?

ひろしま自慢 |

11月に入り、朝晩もぐっと冷え込んできました。短い秋が過ぎると冬の到来です。広島の冬の味覚といって一番に思い出されるのはもちろん「牡蠣」!11月8日からは生食用の牡蠣が解禁になって、牡蠣を楽しむ機会が増えてくる時期。でも皆さんは広島の牡蠣のことをどれくらい知っていますか?今回の記事では、広島でより美味しく牡蠣を楽しむための基礎知識や広島県ならではのおすすめレシピをご紹介します!

「広島県産牡蠣」は生産量日本一

広島県では年間約2万トンのむき身牡蠣を養殖生産し、生産量は日本全国の約6割を占めています。牡蠣の生産量が全国1位ということはよく知られていますが、なぜ広島でこんなに養殖されているのでしょうか?

瀬戸の黄昏

これは、主要産地である広島湾周辺が、養殖に理想的な環境だということが大きな理由です。いくつもの島々と岬によって屏風のように囲まれ、湾内は波静か。養殖いかだを浮かべるのに適しています。また、広島湾には太田川を始め多くの河川から栄養塩を含む水が流れ込みます。程よい塩分濃度と豊富なプランクトンも牡蠣が育つのに最適な環境をつくりあげているんです。

牡蠣の水揚げの様子

元々、縄文時代から牡蠣が食べられていたとされる広島湾。養殖が始まったのは室町時代 (1532年~1555年頃) という説も。いかだによる養殖が普及したのは戦後のことで、生産量は飛躍的に伸びたといわれています。

広島県は一年中牡蠣のシーズン!広島の牡蠣を変えた「かき小町」

広島県では一般的に、牡蠣の水揚げが行われるのは10月~3月頃。最も身入りが良い (グリコーゲンをしっかり蓄えてプリっとよく太った状態) 旬の時期は、12月~2月頃の寒い時期です。

殻付き牡蠣

県内で養殖されている牡蠣はほぼマガキ (真牡蠣)。梅雨時期から夏にかけて産卵します。産卵後は栄養分を使い果たし、身が透明な「水牡蠣」と呼ばれる状態になります。この「水牡蠣」は食べて美味しい状態とは言えず、産卵時期の夏場に出荷されない大きな理由となっていました。

しかし、最近はこの常識が変わってきています。広島県立総合技術研究所水産海洋技術センターで開発された産卵しないマガキ「かき小町」が登場したことで、夏にも牡蠣の出荷が可能になりました。

かき小町

かき小町は、一般的な養殖方法である牡蠣が付着したホタテ貝に針金を通した「垂下連 (すいかれん)」を使いません。稚貝一粒一粒をバラバラの状態でカゴに入れて育てる「シングルシード (一粒かき) 方式」で養殖されます。殻に深みがあり、大きくて形の良い牡蠣となるため、多くの場合、殻付き牡蠣として出荷されます。

さらに、栄養分をすべて身の成長に使うことができるため、通常の牡蠣に比べて1.5倍ほどの大きさで出荷されることが多いんです。かき小町が開発されたことで、夏にも新鮮な牡蠣が食べられるようになり、「牡蠣=冬」から「牡蠣=一年中」に変わってきています。

また、夏場の牡蠣は、これまで加熱用だけでしたが、新たに養殖が始まった県東部の福山では水産海洋技術センターと連携によって、夏場でも安全・安心な生食用の牡蠣の提供が2019年から始まっています。

※ 生食用は飲食店での提供のみ。

広島県産牡蠣を世界のレストランへ

周年出荷が可能となった広島の牡蠣。広島県では、「牡蠣のおいしさを世界に届けたい!」という思いから、海外のニーズに合う牡蠣が生産できるような体制づくりにも取り組んでいます。

牡蠣の養殖現場を訪問した上柿元勝シェフ

2021年の3月には、フレンチ界の巨匠、上柿元勝シェフが県内で活躍されるシェフとともに、牡蠣の養殖現場を訪問。料理の作り手であるシェフ達からは海外のレストラン等が求める牡蠣の品質や特徴を、牡蠣の作り手である生産者の方々からは高品質な牡蠣を生産するためのこだわり等について意見交換等を行いました。国内外に広島の牡蠣を広めていくための情報や取組は「広島牡蠣道」で紹介しています。

広島牡蠣道 ロゴ

広島牡蠣道 ひろしまかきどう

「広島の牡蠣」の特徴や調理法など、県産の牡蠣に関する情報を日本国内外のバイヤー等に向けて発信するサイト。

牡蠣の栄養分を引き出す!牡蠣とレモンの日本一レシピ

低脂肪で高タンパクなことから「海のミルク」ともいわれる牡蠣。亜鉛や鉄分、ビタミンA,C,B1,B2やアミノ酸の一種のタウリン、グリコーゲン (ブドウ糖) 等さまざまな栄養素がバランスよく含まれています。特に牡蠣に含まれる亜鉛の量は食品の中でもトップクラス。亜鉛には抗酸化作用や免疫力の向上、味覚の低下を防ぐ等、体内のさまざまな働きをサポートして正常に保つ役目があるとされています。

生牡蠣とレモン

今回は、そんな牡蠣と相性抜群のレモンを使った鍋のレシピをご紹介。レモンも広島県が誇る生産量日本一の食材なんです。レモンに含まれるビタミンCは、牡蠣に含まれる鉄分や亜鉛の吸収を促進する効果もあるんですよ。これからの季節にオススメの鍋!ぜひ試してみてくださいね!

牡蠣と豚肉のレモンみぞれ鍋

牡蠣と豚肉のレモンみぞれ鍋 イメージ

材料

2~3人分

グリーンレモン 2個
牡蠣 10粒程度
豚バラスライス 150g
大根おろし 200g
しいたけ 4枚
長ねぎ 1/2本
えのき 1パック
白菜 200g
だし汁 720cc
うすくち醤油 50cc
みりん 30cc
黒こしょう 少々

※野菜は季節の野菜なら何でもOK

作り方

  1. 野菜は食べやすい大きさに切り、大根おろしは軽く水気を切っておく。
  2. 鍋にだし汁、うすくち醤油、みりんを入れ、ひと煮たちさせたら野菜を入れる。
  3. 野菜に火が通ったら牡蠣、豚肉を入れ、レモン果汁1個分を搾り入れる。
  4. 上に大根おろし、1個分のレモンスライスを乗せ、さっと煮る。
  5. 火をとめ最後に黒こしょうを振る。

参考:瀬戸内 広島レモンレシピ40選