農林水産祭 天皇杯受賞!こだわりの大粒「大野あさり」
世界遺産として有名な宮島の大鳥居の目の前を流れる海域、大野瀬戸。 宮島の原始林からのミネラル豊富な水が流れ込むため、大野瀬戸ではあさりや牡蠣のエサが良く育ち、そこで育つあさりや牡蠣も大粒で濃厚な味になります。
「大野あさり」ブランドを守るために
この大野瀬戸で育つ「大野あさり」の歴史は古く、生産が始まったのは明治時代。一粒一粒丁寧にあさりを収獲する「手掘り漁法」や、干潟に杭を打ち込んで区切り、一人ひとりに漁場を割り当てる「区割り管理」は百年以上前から続いていて、伝統を守り、ずっと変わらない方法で生産されています。
また、「大野あさり」を名乗ることができるのは、35㎜以上の大粒のあさりだけ。小型の貝は海に戻し、大きくなってから採るようにしています。このように、自然環境の恩恵だけではなく、漁業者のみなさんをはじめ、県や市、大野あさりに関係する人々の努力によって、「大野あさり」ブランドが守られているんです。
全国で唯一のあさりのGI登録産品
2019年には、「大野あさり」は国の地理的表示 (GI) 保護制度に登録されました。GI登録制度とは、地域ブランドを守る制度。登録される産品は、その生産地や品質等の基準を国に登録し、基準を満たしたものだけが「地理的表示」の使用を認められます。
「大野あさり」は、あさりとしては全国初のGI登録産品。産品の品質について、国の「お墨付き」が与えられているあさりなんです。
このような努力が実を結び、令和2年度の農林水産祭の水産部門で、「大野あさり」の漁業者たちでつくる団体 (前潟干潟研究会) が天皇杯を受賞!この賞は農林水産業の優れた取り組みを表彰するもので、地理的表示保護制度への認可・登録に加え、全国的に減っているあさりの稚貝を安定して確保できるようにする資源管理の取り組みなどが評価されました。
気になる大野あさりの味は?
「大野あさり」の身は肉厚でふっくらとしており、あさりのうま味が強く、出汁も濃厚な味わい。どんな料理でも見栄えが良く、味が引き立つといわれています。熊手を使った手掘りはあさりにとっても優しい漁法なので、砂かみも少なく調理もしやすいそうですよ。私もこの夏に実際に大野あさりを購入してみましたが、大粒で、一粒一粒がズッシリと重いのに驚きました。作ってみたのはあさりの酒蒸し。あさりの味がとても濃厚で、大きな身は食べ応えもあり、出汁までおいしくいただきました。
食べたい!と思われた方も多いかもしれませんが、あさりの出荷は春先から秋にかけての期間限定なんです。シーズンがくるのが待ち遠しいですね。