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(16) 滝山峡県自然環境保全地域

印刷用ページを表示する掲載日2023年6月1日

滝山峡(たきやまきょう)県自然環境保全地域

指定:昭和53年3月24日
所在:山県郡安芸太田町大字平見谷及び北広島町大字細見
面積:336.24ヘクタール

 この地域は、安芸太田町と北広島町の境界を流れる滝山川の変化に富んだ峡谷と、王泊ダム周辺を含めた峡谷一帯の優れた植物相とが一体となって、良好な自然環境を形成しています。
 この峡谷は、吉備高原面を浸食して形成された比高200メートルのV字谷で、顕著な曲流をなしており、両岸の随所には、30~50メートルの岩壁や岩塔が見られます。また、河底岩盤上に甌穴が多く、しかも、これが現河底より約3メートルの高所に存在することは、浸食の激しさを物語っており、学術的にも価値の高い峡谷です。
 王泊ダム貯水池の周辺部には、ミズナラ、コナラを主とした広葉樹林がよく保存されており、滝山峡左岸の国有林斜面は、イヌブナ、シデ類を主とした広葉樹林で、下流に向かってウラジロガシの混入が顕著です。暖帯林の上部と温帯林の下部に見られる双方の林相が、この斜面に連続的に発達しており、比較的よく保存されている点が特異です。しかも、これらの天然林が広範囲に広がり、稀有な景観を保っており、貴重な自然環境を形成しています。
 この地域一帯には、ニホンザル、ツキノワグマ、イノシシなどの哺乳類が生息し、鳥類では、王泊ダムにカモ類、渓流沿いにオシドリ、ヤマセミなどが生息しています。渓谷沿いに広範囲な広葉樹林に恵まれていることから小鳥類が豊富です。その他峡谷には、モリアオガエル、カジカ、アマゴのほか各種水生昆虫も見られます。
 滝山峡は、太田川上流の一名勝として古くから知られています。また、王泊ダムの人工湖は別名「仙水湖」と呼ばれ、湖水に映える秋の紅葉は、すばらしい景観を呈しています。

峡谷の岩壁
峡谷の岩壁の写真

位置図
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図25000(地図画像)を複製したものです。(承認番号平成25情複第286号)

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