令和7年5月15日(木曜日)10時30分~16時00分
開講あいさつでは、第4期教育振興基本計画をもとに、生涯学習・社会教育を通じて地域コミュニティを基盤としたウェルビーイングを実現していく視点の重要性について説明しました。
またオンラインのみでの開催であった昨年度とは異なり、西部会場・東部会場での集合・対面の場を設けたことを踏まえ、受講者同士のつながりづくりや他市町、他施設の方とのネットワーク形成についてもお伝えしました。
オリエンテーションでは、日程や研修受講の留意点、学習履歴等について説明しました。研修のねらいを確認し、そのねらいを意識しながら研修を受講するようお伝えしました。
アイスブレイクでは、自己紹介を行いました。所属や名前に加えて、受講者の方が勤務している地域についての「地域の自慢」を共有し、交流しました。
広島県教育委員会事務局生涯学習課 社会教育監 半田 光紀
生涯学習・社会教育に関する国や県の動向や施策について、理解を深めました。
講師:大分大学教育マネジメント機構基盤教育センター 教授 岡田 正彦
はじめに、社会教育の概念や意義、社会教育行政職員の現状を踏まえた上で、社会教育が積極的に連携・協働をプロデュースすることの大切さや新しい教育機能を開発したり既存の教育機能を高度化したりすることの重要性について学びました。
次に、社会教育行政事業の推進にあたって意識することを学びました。クローズアップとバードビュー(鳥瞰)の二つの視点を併せ持つことの重要性について説明を受け、受講者は、バズ・セッションを通して他者と対話しながら、自身の担当業務をバードビューで検討しました。
また、一人で悩みながら仕事を抱えるのではなく、ネットワークを構築して協働しながら取組を進める大切さについても学習しました。
岡田先生のコーディネートにより、県内における学びの場づくりに関わるお三方から、実際の体験談や仕事を通じて学んだこと、やりがいや楽しさについて発表していただきました。
広島市鈴が峰公民館の園田さんからは、日々の業務や事業運営について、悩みや失敗、その対策・解決に至るまで、具体的にお話ししていただきました。事業を開催するも参加者が一人もいなかったという苦い経験を踏まえ、「人とのつながりをもつ」「一人で悩まず相談する」「常にアンテナをはっておく」「あせらず計画的に」という考え方や行動を大切にするようになったそうです。園田さんがお話しされた具体的な悩みや思いについて、受講者から多くの共感の声が上がりました。
中国矯正管区の金田さんと濱本さんからは、更生支援という分野からの事例をお話ししていただきました。「再犯防止×地方創生ワ-クショップ型研修」を御担当されることになり、情報収集や支援体制の構築、実施手法の検討など、実施に向けて丁寧に取り組まれてきたことと、その成果について報告がありました。それらの取組の中で「顔の見える関係性をつくること」「多機関の方と対話すること」「会場の雰囲気づくり」にやりがいと楽しさが感じられたそうです。これからは、ノウハウを引き継ぎ広めていきたいと、力強くお話ししてくださいました。
お三方の発表から、人とのつながりを大切にしながら、事業を一つずつ丁寧に実践していくということの大切さを学び、またその中にやりがいや楽しさがあるということを改めて感じることができました。
演習支援者:(公財)広島市文化財団 広島市高陽公民館 館長 高尾 暢子
進行:広島県立生涯学習センター 振興課 主任 西東 壮一
演習では、広島市高陽公民館の高尾暢子館長に演習支援者として御登壇していただきました。はじめに、生涯学習振興・社会教育行政関係職員に求められる資質・能力に関わって、本演習では「コミュニケーション能力」「学習ニーズの把握と企画立案の能力(プランニング力)」「コーディネート能力」の三つに焦点を当てるということを確認しました。
「コミュニケーション能力」では、アサーション(お互いを尊重する自己表現)を意識したコミュニケーションの重要性について学びました。「学習ニーズの把握と企画立案の能力(プランニング力)」については、「要求課題(個人の要望)」と「必要課題(社会の要請)」を踏まえた上で事業や講座を企画する必要があることを学びました。また、「コーディネート能力」では、事業の実施に際して、連携・協働ができる地域の人材や団体について考えました。各演習の場面において、「「ロビー劇場」実行委員会」や「家族で防災デイキャンプ」など、内容に合わせた高尾館長の事例が紹介され、受講者の学びが広がり、深まりました。
最後に、岡田先生から演習を通しての講評をいただきました。
事務連絡では、振り返りアンケートの提出や学習履歴のデジタル化等について説明しました。最後に、受講者全員で、手を振ってお互いにエールを送りながら研修を終了しました。
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