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令和3年度地域と学校の連携・協働体制構築研修会(オンライン型)報告

研修内容(受講者188名)

日時

令和4年1月24日(月曜日)10時30分~15時50分

行政説明「地域学校協働活動推進事業等における今後の取組について」

説明:広島県教育委員会 生涯学習課,学校経営戦略推進課
 行政説明① 行政説明②
 
 
まず,生涯学習課から,地域と学校の連携・協働体制を一体的に推進する背景や必要性について説明しました。地域における教育力の低下や学校を取り巻く問題の複雑化・困難化といった課題の解決を図るため,また,学習指導要領の理念として示されている「社会に開かれた教育課程」を実現するために,地域と学校の連携・協働体制を一体的に推進していくことが必要であるということや,学校運営協議会と地域学校協働活動・本部のそれぞれの役割と機能について説明を行いました。
 次に,学校経営戦略推進課から,国及び広島県におけるコミュニティ・スクールの導入状況について説明しました。学校運営協議会でどのような協議がされているのかについて,実際に学校運営協議会委員の声も紹介しました。「学校運営協議会で育てたい子供のイメージを共有しているため,地域の方が子供に付けたい力を意識した上で子供と関わることができている」「企業が学校の取組に関わることで,社員の人材育成にもつながっている」といったお話から,学校運営協議会の在り方について理解を深めることができました。

事例報告1「行政による地域と学校の連携・協働の推進~北名古屋市版コミュニティ・スクールの実践より~(愛知県北名古屋市)」

報告者:愛知県北名古屋市教育委員会 学校教育課 教育指導員 水田 就教
 北名古屋市① 北名古屋市②

 まず,北名古屋市で実施されている「市民協働による学び支援推進事業」の概要や,北名古屋市版コミュニティ・スクールの組織や変遷について説明がありました。各学校において学校運営協議会と地域学校協働本部を一体的に推進していることに加え,統括的な地域学校協働活動推進員を中心として市教育委員会が地域と学校の連携・協働を積極的に推進しているということが伺えました。
 市教育委員会の施策として,「豊かな学び創造推進協議会」の協議に基づき,学校・家庭・地域の連携及び協働の方策が検討されたり,学校運営協議会や地域学校協働活動に関する研修の実施について説明されました。また,市教育委員会が学校運営協議会にオブザーバー参加することで,市の施策の理解促進を図ったり,運営する上での課題を共有し,市の取組に生かしたりしているということでした。
 また,市教育委員会の統括的な地域学校協働活動推進員が,各学校の地域学校協働活動推進員との連絡調整や情報共有,ボランティアの養成や地域学校協働活動に係る研修会の企画・運営等を行っていること,一方で,地域学校協働活動推進員は学校の支援ニーズの把握や学校と支援ボランティアとの連絡を行っていることなど,それぞれの役割について説明されました。

事例報告2「事例2 学校・家庭・地域のつながりで育む南っこの未来(広島県府中町)」

報告者:府中町立府中南小学校コミュニティスクール事務局 石本 智香子
府中町立府中南小学校 校長 小田原 かおり
 府中町① 府中町②
 
 
「共育」をキーワードとした府中町立府中南小学校の取組について報告していただきました。「南っこサポーター」は学習支援サポーター,学校環境サポーター,家庭教育サポーター,安心安全サポーターから構成されており,学習やクラブ活動,学校の環境整備,委員会活動等様々な活動のサポートをしておられます。また,6年生全員・教員・保護者・サポーターが集い,サポーター活動について振り返ったり,今後の活動について話し合ったりする「コミュニティ会議」を開催していました。
 サポーター活動としては,空き教室を「第2図書室」にして,そこで図書の整理や壁面制作を行ったり,「コミュニティルーム」を活用して「しゃべり場」や「『親の力』を学びあう学習プログラム」の講座を開催したりと,地域の方が子供たちと関わるための場が設けられているといった点も特徴的でした。
 サポーターからも,子供たちと関わることで「元気になった」という声が届いており,子供を育てることを通して,そこに関わる大人たちも共に育つということを大切にした取組が行われていました。

交流・協議

 教職員,地域関係者,行政関係者が分かれて,交流・協議を行いました。お互いのコミュニティ・スクールや地域学校協働活動に関する取組について紹介していただいた後,教職員,地域関係者は「地域と学校が連携・協働していく上で,課題と感じていること」について,行政関係者は「市町でコミュニティ・スクールや地域学校協働活動を推進していく上での課題」について意見交換を行いました。
 振り返りアンケートには,「各学校の具体的な事例から,その実施のための工夫点・難しさを交流することで,本校の実態に合った取組の参考になりました」「他市町の取組は,大変参考になりました。また,人材確保の課題について共有し,対応について交流することができました」といった記載があり,有意義な交流・協議の時間となったことが伺えます。

講評・講義「地域と学校の連携・協働の推進~コミュニティ・スクールや地域学校協働本部の仕組みを生かして~」

講師:文部科学省 国立教育政策研究所 総括研究官 志々田 まなみ
 講義① 講義②

 まず,地域と学校の連携・協働が求められている背景について,関係法令や答申をもとに詳しく教えていただきました。連携・協働について考える際には,学校・家庭・地域がそれぞれの役割について考えることが大切だということでした。次に,地域学校協働活動の定義や,具体的にどういった活動が当てはまるのかということを説明していただきました。肝心なのは,地域と学校が目標を共有して取組を行うことだということでした。
 また,地域学校協働活動・地域学校協働本部へのよくある誤解として,地域学校協働活動は学校活動内での授業や学校行事だけではなく,子供の成長を支える大人どうしの横のつながりを深める活動や地域内での子供支援の活動も含まれていること等をお話され,地域学校協働活動・地域学校協働本部の在り方について理解を深めることができました。
 加えて,学校運営協議会は地域学校協働本部とはどのように違うのかという点を踏まえ,学校運営協議会で何を協議すればよいのかについて教えていただきました。校長の学校経営方針に対する協議,授業(社会に開かれた教育課程)や生徒指導等の充実に向けた協議,学校への支援や地域との交流行事等に対する協議のバランスを意識して,協議内容を検討することが大切だということでした。

受講者からの評価

振り返りアンケート集計 (PDFファイル)(294KB)

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