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子供に声をかける女性

オレンジリボンとは?虐待から子供を守るためにできること

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近年、全国で児童虐待による悲しい事件を目にします。広島県でも、県こども家庭センター (児童相談所) や市町が対応する児童虐待相談件数は、年々増加傾向にあります。児童虐待のない社会をつくるために、私たちにできることはなんでしょうか。

オレンジリボンって?

オレンジリボン シンボルマーク

オレンジリボンは、「子供虐待のない社会の実現」をめざす運動のシンボルマークです。

平成16年に栃木県小山市で小さな兄弟が虐待でなくなったことをきっかけに、児童虐待防止の願いを込めて、オレンジリボン運動が始まりました。

11月はオレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン期間です。親権者だけの話ではなく、県民、企業、団体が協力し合うことが大切です。ひとりでも多くの方に児童虐待防止に関心を持っていただき、活動の輪を広げていく、それがオレンジリボンキャンペーンです。

そもそも児童虐待とは?

歩く子供

児童虐待とは、大きく分けて「身体的虐待」「性的虐待」「ネグレクト」「心理的虐待」の4種類あります。それぞれ単独で起こることもありますが、複数の虐待が複雑に絡まりあって起こる場合もあります。

1.身体的虐待
なぐる、ける、やけどを負わせる、溺れさせる、意図的に子供を病気にさせることなど
2.性的虐待
性的行為の強要、性器や性交を見せる、ポルノグラフィの被写体にするなど
3.ネグレクト
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置するなど (同居人による暴力を放置することも含まれます)
4.心理的虐待
言葉による脅し、無視、兄弟間の差別的扱いなど (子供の前でドメスティック・バイオレンスを行うことも含まれます)

児童虐待防止法とは?

手をつなぐ子供

児童虐待防止法の正式名称は、「児童虐待の防止等に関する法律」といいます。18歳未満の児童に対する虐待の防止や、児童虐待を発見した場合の保護などについて定められており、2000年11月に施行されました。

その後、時代に合わせて何度か改正を繰り返しており、2019年6月には、改正児童虐待防止法 (児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律) が成立 (2020年4月施行) 。親権者等は、児童のしつけに際して、体罰を加えてはならないことなどが法定化されました。

しつけと体罰の違いって?

だっこしてほしい子供

子育てをする中で、子供を怒ってしまうことは、誰にでもあると思います。しかし、「しつけのつもり」でも、子供の身体に何らかの苦痛を引き起こしたり、不快感を意図的にもたらす行為は体罰です。

身体的な虐待だけでなく、怒鳴りつけたり、子供の心を傷つける暴言等も、子供の健やかな成長・発達に悪影響を与える可能性があります。子供をけなしたり、辱めたり、笑いものにするような言動は、子供の心を傷つける行為です。

一方、しつけとは、子供の人格や才能等を伸ばし、社会において自律した生活を送れるようにするなどの目的で、子供をサポートして社会性を育むことです。

子供の成長には個人差があります。しつけと体罰の違いをしっかりと理解し、どのようにすればよいのかを言葉や見本で示すなど、本人が理解できる方法で伝えていくことが大切です。

児童虐待かなと思ったら

電話の流れ

児童虐待が疑われる場合、すぐに相談しましょう。勘違いかも…と躊躇してしまうかもしれませんが、相談・通告は子供を守るためにも大切なことなのです。

児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく) は、すぐに近くのこども家庭センター (児童相談所) につなぐことができる、全国共通の電話番号です。通告・相談は、匿名で行うこともでき、連絡した人や内容の秘密は守られます。虐待かどうかの判断は、児童相談所が行うため、証拠なども必要ありません。

虐待を受けている子供は、自分で「助けて」と言えないことが多くあります。手遅れになる前に、気付いたらすぐに相談をしましょう。

児童相談所虐待対応ダイヤル

189 (いちはやく)
※通信料無料、24時間対応、一部のIP電話はつながりません

周囲に困った人がいれば

困っているママ

子育てをしていて、思うようにならないことは、たくさんあります。家庭内や周辺の環境で、自分ではどうにもならないこともあります。追いつめられると、ついカッとなってしまう人もいるでしょう。

一人でどうにもならないことでも、話を聞いてもらうだけで、心が軽くなることもあります。行政機関でも、さまざまな悩みの相談を受け付けています。周りで悩んでいる人、困っている人がいれば、教えてあげてください。

児童相談所相談専用ダイヤル

0120-189-783 (いちはやくおなやみを)
※通話料無料

各市町の子育て支援担当窓口

各市町の担当窓口一覧

あなたにできることから始めよう

子育ては難しいものです。大なり小なり、誰もが悩みを抱えています。街中やお住まいの地域等で困っている親子を見かけたら声をかけてあげる、そんな些細な行動でもいいんです。「子育てにやさしい社会」を作ることが、児童虐待の防止につながります。

児童虐待を防止していくには、児童相談所や市町などの公的機関だけで行えるものではありません。「児童虐待のない社会の実現」に向けて、皆さんも一緒に、何ができるかを考えてみませんか?