乳幼児の子育てのキーワード「遊びは学び」!その意味とは?
ひろしまを学ぶ |
乳幼児期の子育てをする上で、知っておいてほしいキーワードが「遊びは学び」。いったい、遊びがどんな学びにつながっていくのでしょうか?
小さい頃から漢字や算数などを勉強した方がいい?
近年の研究では、乳幼児期に身に付けたことは、その後どんな大人になるかという性質的なことに加えて、小学校以降の学習の基盤になるということが、かなりハッキリしてきています。
それなら、小さい頃から漢字や算数などを勉強した方がいいのでは?と考えてしまうかもしれませんね。実はそうではなく、小学校に上がる前の時期というのは、いわゆる勉強というものよりも、もっと大事なことがあるんです。
漢字や算数などは「認知能力」と呼ばれる力ですが、乳幼児期には「非認知能力」と言われる「認知能力」とは異なる能力を伸ばすことも、とても大事なこと。
例えば、どんなに難しい数学の問題が解けたとしても、10分間しか集中力が持たないと、あまり力を発揮することはできません。物事に取り組む積極性、やる気がないと、やっぱり力は出せないですよね。
やりたいという意欲や、やり抜く忍耐力、人と協力することができる社会性などを「非認知能力」といい、これは乳幼児期に培われるもの。
思考力や判断力、あるいは行動力とか想像力、それから自分をコントロールする自制心、こういったものも「非認知能力」です。乳幼児期に培ったこういった能力が、その後の人生にも大きく影響するんです。
子供にとって遊びや日々の生活の全てが「学び」です。「遊び」は子供にとって探究の宝庫。遊びの中で、発見すること、体を動かすこと、創造すること、困難を乗り越えること、人にかかわることが、主体的に学び続けることにつながります。
乳幼児期に育みたい5つの力とは?
広島県では「遊びは学び」という考え方が、県内全ての幼稚園、保育所、認定こども園等や、家庭、地域で理解され、「遊び」を大切にした教育が普及するよう取り組んでいます。
通う場所に関わらず、乳幼児期に育みたい力を定めて、全ての子供たちがその力を身に付けることができるように、全ての幼稚園、保育所、こども園などに「遊び 学び 育つひろしまっ子!」推進プランを展開し、取組を進めています。
「遊び 学び 育つひろしまっ子!」推進プランでは「遊びは学び」という基本的な考え方や、乳幼児期に育みたい力として「感じる・気付く力」「うごく力」「考える力」「やりぬく力」「人とかかわる力」の5つの力を定めています。
この5つの力は、小学校以降で推進している「学びの変革」の中で掲げている、これからの社会で活躍するために必要な資質能力 (※) につながる力です。
※課題発見、解決力、想像力、思考力、判断力、表現力、コミュニケーション能力、協調性、チャレンジ精神、回復力、共感力、人としての思いやり
教員や保育士の皆さんに研修を行ったり、幼児教育アドバイザーの方々が園・所訪問をしたりすることによって、どこの園・所でも、これらの力の育成がしっかりと行われるように取り組んでいるんです。
また「遊び 学び 育つひろしまっ子!」推進プランでは、現在子育て中の「親」やこれから「親」になる人たちの育ちを応援する「家庭教育支援」というのも重視しています。
安心して家庭で子育てをしていくためには「家庭教育支援」というのはとても重要ですよね。広島県では、ネウボラを通じて、乳幼児期の教育について親となる皆さんにしっかり理解してもらうような取組も行っています。
乳幼児期は、生涯にわたって主体的に学び続けるための基礎が培われる「探究の芽」を育む重要な時期です。
広島県では、乳幼児期の子供たちに先にあげた5つの力を、遊びのなかで育てていくことを目指しています。「遊びは学び」。この考え方のもと、子供の想いを尊重し、温かく見守るということがとても大切になってきます。
もし迷うことがあれば、自分だけで悩まずにネウボラなどに相談してくださいね。