徹底解剖!ひろしまラボ ロゴ
文字サイズ 拡大 標準
広島県広島市の風景

世界が注目するWolt日本代表が語った「地方進出」のリアルとは?

ひろしまで暮らすひろしま自慢 |

2022年4月22日、フィンランド発のテクノロジー企業Wolt (ウォルト) の日本法人Wolt Japan株式会社の野地春菜代表が湯崎広島県知事を表敬訪問されました。

デリバリーサービスとして認知度が高まっているWoltですが、実は広島県がアジアの初進出先だったことをご存知ですか?日本代表が語った広島県への進出メリットと、広島県が新たに実施するサポートメニューをご紹介します。

広島県進出のメリットって何?

ハザードマップ作成の様子

2020年3月にサービスをスタートさせたWoltは、7月に広島本社を開設。その後、札幌市や仙台市に拠点を広げ、今では23都道府県39エリア (2022年6月時点) に拡大しています。2021年11月に米国デリバリー最大手のDoorDash (ドアダッシュ)) がWoltの買収を発表し、2022年6月にはDoorDashのアプリとブランドをWoltに統合することを発表するなど、さらなる拡大を目指しています。

今、世界が注目しているWoltですが、なぜ、アジアの初進出先として広島県を選んだのでしょうか?

Woltが広島県を選んだワケ

ヨーロッパの街と人口規模や地形が似ていることなどを理由に、アジア進出の足掛かりとして広島県を選択。Woltがこれまで培ってきた経験を活かせる場所として最適だったそうです。

また、フードデリバリーが根付く条件となる食文化の豊かさや、スポーツ観戦が生活に根付いていること (自宅での観戦などで需要が見込まれる) も、理由の一つでした。

事業を加速化させる広島県の強み

アジア初上陸として広島県へ進出して2年。湯崎広島県知事を表敬訪問した野地代表は、「日本という全く新しい市場にチャレンジするときに、広島をスタート地点に選んで、とてもよかった」と振り返ります。

「広島市内にあるイノベーション・ハブ・ひろしまCamps に立ち寄ったことがきっかけで、県に気軽に相談することができました。日本国内での知名度がほぼない状態だったので、県の職員が飲食店や関係者への橋渡し役を買ってでてくれたことがとても役立ちました。関わってくださった企業や街の方々もあたたかく協力的で、広島県は“事業を加速できる場所”だと認識しています」

湯崎知事とWolt Japan株式会社 野地代表

一方、湯崎知事は、「日本が得意なのはリアルの部分。デジタルがとても弱い。リアルを大事にしながらデジタルと組み合わせたサービスを展開する企業が地域で活躍することで、周囲はとても勉強になります」と、期待を寄せました。

進出後の取組、特別な地・広島県への地域貢献も

3つのポイントを話すWolt Japan株式会社 野地代表

Woltの特徴の1つが、各地で展開する「地元密着」のサービスです。中でも広島県は、Woltにとって特別な地ということで、その恩返しにと、表敬訪問では「3つの約束」をしてくださいました。

1. 「広島食材」を全国に販売

全国に拡大中の配達専用スーパー「Wolt Market」があります。こちらで広島県の食材を積極的に取り扱い、県経済への貢献を約束してくれました。国内に広島食材のファンが増えていくと、うれしいですよね。

2. 「グローバル人材」の採用

現地採用のほか、UIターンにおいても様々な形でグローバル人材を採用。Wolt広島本社では現在すでに100人ものスタッフが働いています。広島県内で働く場所の選択肢が増えることで、今後ますますグローバル人材が活躍しやすい都市になりそうですね。

Wolt Japan株式会社のグローバル人材

3. 「地域を代表する老舗」のDX化

地域を代表する老舗「アンデルセン」「むさし」「陽気」などが、続々とWoltでの販売をスタート。県内企業の DX化支援にもつながっています。ご高齢のユーザーにアプリ操作を説明するなど、地道な活動もしているそうですよ。

「3つの約束」のほか、過去には、広島県警や配達パートナーと一緒に「自転車マナーの向上キャンペーン」も実施しました。広島県の企業として地域にしっかり溶け込んでいますね。

進出を検討する企業を後押しする新制度

Woltの事例のように、広島県の企業誘致では、進出を決める前の検討段階でも全力で支援しています。中でも、今注力しているのが広島移転を検討している方を対象とした制度、通称「ちょっと広島県」です。

ちょっと広島県 ロゴ

ちょっと広島県 ちょっとひろしまけん

地方移転を検討する企業を対象とした、一時的な滞在にかかるオフィス代や交通費、宿泊費などの支援制度。期間は2022年12月末まで。

正式名称は、「ひろしまオフィスプランニング実証事業」。プロジェクト単位での一時的な広島県滞在にかかるオフィス代や交通費、宿泊費などを最大90%キャッシュバックするというものです。

コスト面でのメリットだけではなく、実は、地元のキーパーソンに出会える仕組みもプラスしているんですよ。2022年12月末までの期間限定のプログラムですので、地方移転を検討している企業の皆さまは、このチャンスをお見逃しなく!

化学反応を生み出すため出会いの場を創出

「ちょっと広島県」で、地元のキーパーソンに出会える仕組みを作っているように、広島県は、企業の進出時だけサポートすればいいとは考えていません。広島県の役割は、チャレンジしようとする県内外の企業を繋げて後押しすることです。

規模や業種、事業のフェーズも異なる様々な企業との繋がりがある行政だからこそ、出会いによる化学反応を創出し、積極的にご紹介する機会を作っています。広島県がハブの役割を担うことで、次々とイノベーションが生まれる文化を広島県で醸成していきたいと考えています。

今年3月には、「ひろしまユニコーン10」プロジェクトを発表しました。

「ひろしまユニコーン10」プロジェクト ロゴ

「ひろしまユニコーン10」プロジェクト ひろしまゆにこーんてんぷろじぇくと

広島から世界へ羽ばたく企業を応援し、10年間でユニコーンのような企業を10社創出することを目標に掲げているプロジェクト

グローバルに活躍するWoltのように、広島から世界に向けて、大きく成長しようとする企業をあらゆる角度からサポートします。こうした広島県の思いに賛同いただける企業の皆さまからのお声かけをお待ちしています!