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壬生の花田植 牛の道行

年に一度の大行事!ユネスコ無形文化遺産「壬生の花田植」とは?

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皆さんは「花田植」という言葉を聞いたことがありますか?花田植とは「『囃し(はやし)』や歌に合わせて行われる田植行事」のこと。

その西日本最大の花田植が北広島町で行われています。「壬生の花田植 (みぶのはなたうえ) 」と呼ばれ、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。名前は聞いたことがあっても詳しく知らない方も多いのでは?ラボ研究員が詳しく調査しました。

壬生の花田植とは

太鼓をたたく参加者

壬生の花田植とは北広島町壬生で行われる花田植のことです。

毎年6月の第一日曜日に、田起こしを終えた水を張った田んぼで、牛に「馬鍬 (まぐわ) 」をつけ土を砕き、泥をかき混ぜる「代掻き (しろかき) 」と呼ばれる作業をし、囃しと歌に合わせて田植をします。

田の神 (芸北地方ではサンバイ) に豊穣を祈願する行事であり、今も残る花田植では西日本最大です。

壬生の花田植の歴史

花田植に参加している人

いつから始まったかという記録は厳密には残っていませんが、平安時代中期には、豊作を祈願するために田植の際に歌や踊りをする「田楽 (でんがく) 」という花田植に似た行事が行われていたという記録があります。

江戸時代中期には、中国地方一帯で太鼓をたたき、笛を鳴らして田植歌を歌いながら大勢で田植をする「はやし田」が行われていました。

このはやし田では、牛は「花鞍 (はなぐら) 」や造花で華やかに飾られ、太鼓や笛の音にあわせて、着飾った女性が苗を植えました。この様子が華やかであるところから、花田植と呼ぶようになったといわれています。

当日のスケジュール

当日のスケジュールの表

牛の飾り付けを終えた後、「道行 (みちゆき) 」と呼ばれる行列を作って移動し、会場となる田で代掻きを始めます。牛が代掻きをしている裏では花田植を行う人たちが道行を始めます。牛は代掻きを終えると田から出されます。

人は道行を終えると苗取りをし、田をエブリツキと呼ばれる男性がならしたのちに、田植綱に沿って田植をしていきます。行われている間、それぞれの場面に応じた田植歌が歌われ作業は歌に合わせて行われます。

壬生の花田植の見どころ

ひろしまラボ研究員がおすすめする、壬生の花田植の見どころをご紹介します。カメラを忘れずにお出かけください!

壬生神社での牛の飾り付け

牛の飾りつけ

道行前に角や体も綺麗に磨かれた牛たちは、壬生神社に集められ、飾り牛へと変貌を遂げます。ちなみに、飾り牛になれるのはこの日のために人や音楽に慣れ、田に入る訓練された黒毛の牛のみです。

田に向かう牛・人の道行

牛の道行

商店街で壬生の花田植会場まで歩いていく飾り牛や早乙女、囃し手などを間近で見ることができます。華やかに飾り付けられた牛たちが行列を作る姿、その後早乙女や田楽団が楽器や踊りに合わせて行列を作る姿は圧巻です!

花田植で行われる田植風景

田植の様子

早乙女が「三拝 (サンバイ) 」のもつ打楽器ササラの音、田楽団の演奏や田植歌に合わせて苗を植えていきます。リズムに合わせて田植を進めていく姿はとても見応えがあります。

壬生の花田植を直接見てみよう!

飾り付けられた牛や音楽に合わせて行われる花田植を見るために、毎年大勢の人が来られます。他ではなかなか見ることのできない年に一度の行事です。

当日は一部駐車場からシャトルバス運行も予定されていますので、是非足を運んでみてください!

壬生の花田植

開催日時
令和5年6月4日 (日) 10:50~
開催場所
〒731-1515 広島県山県郡北広島町壬生157
駐車場
北広島町役場、壬生小学校
(北広島町役場、道の駅舞ロードIC千代田からシャトルバスを運行)
公共交通機関でのアクセス
広島・三次・庄原・東城各地から高速バス。中国自動車道「千代田IC」で下車し、徒歩10分 (時刻表 )
ウェブサイト
壬生の花田植 (北広島町観光情報サイト)