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【広島県】自転車条例の施行で、保険加入が必要ってホント?

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2023年 (令和5年) 4月1日から、広島県条例により自転車の保険加入が義務化されるのをご存知ですか?また同時期に、国の道路交通法の一部改正により、大人・子どもに関わらず「自転車に乗るすべての人」にヘルメットの着用が努力義務化されることに。

今回の条例や法改正で何が変わるのか、分かりやすくまとめました。

広島県が自転車条例を制定した理由

海も山も楽しめる広島県は、海沿いを中心にサイクルツーリズム (自転車の旅) が人気コンテンツです。さらに自転車に乗ることには、健康増進、環境負荷の低減、災害時の移動手段などこんなに多くのメリットがあります。

特にここ3年は新型コロナウイルスの影響もあって、通勤・通学などの自転車の利用ニーズが増えています。

一方で、県内の交通事故のうち、自転車に関係する事故は全体の約2割。また、ルールを無視した危険な運転が見受けられます。さらに自転車事故に伴う高額の賠償事例が発生しています。自転車を安全に、そして積極的に乗ってもらえるように条例を制定しています。

損害賠償保険への加入が「義務化」

自転車に乗る人

実は、この条例は2022年10月から一部を施行しており、「自転車の点検整備」や、「幼児用座席でのヘルメット及びシートベルトの着用」を努力義務として規定しています。

これに加えて、2023年4月1日からは、自転車損害賠償保険への加入が「義務化」になります。

義務化された理由

万が一、自転車事故を起こしてしまい、他人に重大な損害を与えてしまった場合は、高額な賠償責任が生じる可能性があります。事故で被害にあわれた方の救済や、事故を起こしてしまった方の経済的負担を軽減するために、自転車保険への加入が義務化されています。

保険加入の対象者

大人も子どもも年齢を問わず、自転車に乗られる方は、自転車保険への加入が必要です。

加入しなかったときの罰則

特に、罰則はありません。ただ万が一、自転車事故を起こして他人に重大な損害を与えた場合は、高額な賠償責任が生じる可能性があります。

事業者も保険加入が必要?

事業者の方も、保険への加入が必要です。個人向けの自転車保険は「通勤通学や日常生活で発生した事故が補償対象」となっているため、事業活動中に発生した事故に関しては対象外になっています。事業活動を保障する自転車保険など、別途加入が必要です。

一般的な自転車保険の保険料

補償の内容によって金額も様々ではありますが、月額数百円の安価な保険もあります。また、すでに加入している自動車保険や火災保険などに、自転車保険もセットになっている場合もあるため、まずは現状の保険内容を確認してみてください。「実は、気づかずに加入していた!」ってこともあるかもしれません。

「ヘルメット着用」も、努力義務化!

ヘルメットを被る子供

こちらは広島県の条例ではありませんが、国の道路交通法の一部改正に伴って、2023年4月1日から大人・子どもに関わらず「自転車に乗るすべての人」にヘルメットの着用が努力義務化されます。

オシャレなものから持ち運びしやすい折り畳み式まで、様々なヘルメットが販売されていますが、SGマークなどの安全基準をクリアしたヘルメットを選びましょう。

自転車事故での賠償事例

自転車自己の様子

「まさか、自転車で事故なんて」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、中には9千万円を超える事例も。

(事例1) 賠償額:約9,500万円

小学生が自転車で歩行中の女性と正面衝突。女性が意識不明の重体になった事故の事例。

(事例2) 賠償額:約9,200万円

高校生が車道を斜めに横断して会社員と衝突。会社員に重大な障害が残った事故の事例。

自転車と歩行者のヒアリハットは見たり経験したことがあるかと思います。まかり間違って相手に怪我をさせてしまって賠償がすごい額になることは、誰にでも可能性があるのです。

改めて自転車を安全に楽しむために

普段、自転車に乗っている人はこの機会に、改めて家族で自転車の安全利用について確認してください。 自転車に乗るときは、自転車安全利用五則で定める

  1. 車道が原則、左側を通行。歩道は例外、歩行者を優先
  2. 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
  3. 夜間はライトを点灯
  4. 飲酒運転は禁止
  5. ヘルメットを着用

これらをはじめとした交通ルールを守って、楽しく安全な自転車ライフを楽しみましょう!