徹底解剖!ひろしまラボ ロゴ
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スマートグラスを使う世羅町のぶどう農家さん

目指すは広島のボジョレー・ヌーボー?秘密兵器はデジタル技術!

ひろしまで暮らす |

本日11月18日は、ボジョレー・ヌーボーの解禁日です。毎年11月の第3木曜日に解禁される特別なワインですが、日付変更線の関係上、日本では本国フランスよりも先に解禁日を迎えるため、最も早くボジョレー・ヌーボーを味わえる国のひとつです。毎年違った風味を味わえるのも、魅力の1つですよね。

広島県にもワインどころあります!

世界ではボジョレー・ヌーボーの話題で持ちきりですが、広島県のワインも負けていません!県中央に位置する世羅町は、独特な気候と地形を活かし、ワイナリーと農家が連携して研究開発に取り組み、ワイン専用の品種を栽培して、地元のオリジナルワインを生産しています。

世羅町のぶどう

また世羅町では、ぶどうはもちろんのこと、梨やトマト、お米など様々な農産物がつくられていますので、観光農園や農作物の販売所も多く、6次産業化の進んだ町としても有名です。

まさかこんな時代が到来するなんて!進化し続ける農業

おいしいものを届け続けるために、今年の7月から広島県世羅町のぶどう農家さんでデジタル技術を活用した新たな挑戦が始まりました。「デジタル」と「農業」?なかなか結びつかないですよね。むしろ、真逆に位置する単語のようにも思えます。いったいどんな取り組みでしょうか。

ぶどうの粒を一瞬で数えてくれちゃうメガネあります。

AI (人工知能) が搭載されたメガネ「スマートグラス」を装着して、ぶどうを見ると、粒の数をAIが自動で分析して表示してくれます。

AIが搭載されたスマートグラス

なぜそれが、役立つのかというとわたしたちが日ごろ口にしているぶどうは、品種によって、理想の粒の数が違っているからです。そのため、摘粒作業はおいしいぶどうをつくるのにとっても大事なポイント。この作業をすることで、房の形が整い1粒1粒が大きく育つことができます。

熟練の勘と経験が必要なこの作業ですが、スマートグラスを装着すれば、ぶどうを初めてつくる方でも粒の数がパッと出るので摘粒作業もしやすくなります。粒の数が整うことで均質化、見た目もそろった商品がより作りやすくなります。

生育環境のデータ管理は賢いこの子におまかせ!

畑の中4か所に設置されているセンサー。実は、とっても賢いんです。

生育環境のデータ管理用センサー あぐりログ

気温や湿度・土壌温度・日照量など生育環境のデータを観測し、それを数値化することで、品質管理に役立てています。具体的には、日差しが強いから水を多くしようなど日ごろ生産者さんの熟練の勘に基づいて行われていた部分を数値化してくれるといったことです。現役のプロたちはデータを元に品質のいいぶどうを効率よく収穫できますし、データ化されることで、今から農業をはじめる人にノウハウを継承しやすくなります。

広島県では、この取り組みの他にもAIやインターネットを活用し、生産性・収益性を向上させる取り組み「ひろしま型スマート農業プロジェクト」 (愛称:ひろしま SeedBox) をすすめています。

ひろしまSeedBox ロゴ

ひろしまSeedBox ひろしまシードボックス

県内で広く導入が見込める、課題解決を図るためのスマート農業を取り入れた提案を広く募集し、実証する「ひろしま型スマート農業プロジェクト」。

このプロジェクトでは、県内で広く導入が見込める、課題解決を図るためのスマート農業を取り入れた提案を広く募集し、実証しています。令和3年度は、この中から3テーマ決定し、実際にデジタル技術を取り込んだ農業に挑戦しました。こんな時代が到来するなんて、昔の農家さんは想像もしなかったでしょうね。フランスに負けないワインどころを目指して(?)、広島県のスマート農業は進化し続けます。