広島の建物をめぐる秋。たてフェス2020開催!
食欲の秋、読書の秋、紅葉の秋…、この時期ならではの楽しみ方が盛りだくさんな季節ですね。今年は、ぶらり「たてものがたり」をめぐる秋、なんていうのはいかがでしょうか?
ひろしまたてものがたりフェスタ2020
- 日時
- 2020年11月20日(金)~23日(月・祝) ※ 各ガイドツアーは事前要申込
広島の魅力を建物を通して県内外に伝えるべく、2013年からスタートした「ひろしまたてものがたり」。2015年からは、建物を実際に見て・触れて・知ることができるイベント「ひろしまたてものがたりフェスタ (たてフェス)」が始まりました。今年の“たてフェス”では、広島市内と呉市内の建物ガイドツアーなど様々なプログラムが用意されています。
「ひろしまたてものがたり」とは?
「ひろしまたてものがたり」とは、「訪れたい」と思えるひろしまの建築物にスポットをあて、ひろしまの「魅力 (ものがたり)」、ひろしまらしさを地域の「宝」として、県内外に伝えていくプロジェクトです。
いよいよ始まるたてフェス開催前に、実行委員会の高田さんを訪ねて、とっておきの楽しみ方を伺いました。
その1 立ち止まって見る
まずは立ち止まって、見慣れた建物をじっくり見てみましょう。いつも見ている建物も改めて観察してみると、新しい発見があるはず!
その2 写真を撮ってみる
見えている風景をどう切り取るか、フレーミングするかで、肉眼の風景とは違うおもしろさが見えてきますよ。
その3 細かな形に注目する
窓枠や手すりの形、素材や風合いなど、ディテールに注目してみましょう。細かなデザインに作り手のこだわりが隠れているんです。
その4 思いを馳せてみる
なぜこの形になったのか、時代背景や歴史、建築家の考えを調べながら建てられた当時に思いを馳せてみましょう。
「歴史ある建物には、建てられた当時の社会や文化の様子がタイムカプセルのように残されていますし、新しい建物には現代の状況が色濃く反映されています。建物をじっくり見て、細部に注目し、そして背景を知ることで、読書では得られない実感を持つことができます。これが“たてフェス”を楽しむ最大の秘訣ですね!」と、教えていただきました。
オススメしたい!建物ベスト5
建物をこよなく愛する高田さんに、広島市内でオススメの建物ベスト5を伺いました。その魅力をちょっとだけご紹介します。
1. 広島平和記念資料館 (丹下健三・1955年)
広島がどのようなまちに復興するのか、その方向性を決めたのが平和記念公園。そこに建つモダンな資料館は戦後の日本建築の出発点といっていい、歴史的な名作です。
2. 世界平和記念聖堂 (村野藤吾 内藤多仲・1954年)
伝統的なキリスト教の様式とモダンな要素がうまく調和しており、壁や窓などの細部からは人の手のぬくもりを感じさせます。和風なデザインを探すのも楽しいですよ。
3. 旧陸軍被服支廠倉庫 (不詳・1913年)
このスケールで軍需工場が日本に残っていること自体がすごく珍しいです。レンガと鉄筋コンクリートが併用される構造もユニーク。被爆時の痕跡もそのまま残っています。
4. 市営基町高層アパート (大高正人 藤本昌也・1972-1978年)
高層住宅だけでなく、商店街や学校、消防署などが一体的にデザインされて、一つの都市のよう。ピロティや屋上庭園などからは近代建築の巨匠ル・コルビュジエの影響を感じませんか?
5. 広島市環境局中工場 (谷口吉生・2004年)
ごみ処理設備をアート作品のように演出する空間デザインは、美術館を得意とする谷口吉生ならでは。見学通路や各所のサインデザインにもぜひ注目してみてください。
知らなかった建物の「ものがたり」に触れると、新たな魅力が発見できそうですね。もっと知りたくなった方は、ぜひ“たてフェス”にご参加ください。ガイドツアーについては、事前申し込みが必要になりますが、「旧陸軍被服支廠倉庫」など申し込みなしで見学できる建物も用意されているそうです!今年の秋は、広島の街をぶらりと散策してみませんか?