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保存装備

印刷用ページを表示する掲載日2016年2月20日

古文書の保存装備について

 古文書を保存するにあたって,多くの史料保存機関では,何らかの装備を施しています。この装備は,何よりも史料の保存(保護)のためですが,どのような装備にするかは,利用のしやすさ,かけられる手間などを考えたうえで決まっていきます。
 最も一般的で手間がかからない方法は,古文書を1点ずつ封筒に入れるという方法です。この場合,とかく問題になるのは,どのようなサイズ・形態の封筒を用意したらいいか,という点です。これは,中に入れる古文書類の形態によるので,実際に保存しようとしている古文書を調査した上で決めるほかありません。たいていは,大きさの異なる封筒を何種類か用意するのが普通ですが,あまり種類を多くするのは良くないでしょう。
 封筒には必要事項を記入します。当館の文書保存用封筒には,写真1のような印刷がしてあります。記入蘭がいくつかありますが,このうち,必ず書かなければならないのは,文書群名(○○家文書などの呼称)と番号・数量の3つです。ただし,管理上・利用上の留意点などがあれば,それも書いておきます。

文書保存用封筒
写真1

 封筒に入れたあとの安置(排架)の方法は,立てるか寝かすか,そのまま置くか,文書保存箱に入れるか,など,いくつかの選択肢があります。これは書架など,安置する場所の構造や仕様にも規定されることなので,それぞれの実情に合わせて選択する必要があります。ちなみに,当館では,文書保存箱を使用しています(写真2)。

文書保存箱
写真2

 ところで,封筒に入れるという方法は,必ずしも最善でないことがあります。例えば,古文書に虫喰いなどの破損箇所があると,入れる際に封筒の縁に引っかかることがあります。これについては,紙の鞘(当て紙)を使用する方法があります。1枚の紙を折り,文書をそれに挟めば封筒への出し入れはかなり安全に行えます(写真3)。

紙の鞘(当て紙)
写真3

 しかし,相当な厚みのある立体的な文書では,この方法もうまくいきません。そのような場合には,封筒に「入れる」という発想をやめて,「包む」という方法に切り換えたほうが良いでしょう。たとえば,大きめに切った薄い和紙で文書を包むという方法があります。これだけでも,文書を出し入れする際に破損する危険性は,だいぶ減少します。もう少し手間をかけられるのであれば,中性紙の厚紙で「帙(ちつ)」を作るやり方もあります(写真4)。ただし,これには若干の慣れが必要です。
 文書の形態はさまざまであり,予想外な形状のものに出くわすこともあります。しかし,保存装備に関して言うと,「その文書に無理な力が加わらないようにする」,「文書の〈姿勢〉を正しくする」という原則を忘れさえしなければ,それぞれのケースに応じた最善の方法を見つけられるのではないでしょうか。
~『広島県立文書館だより』第15号 より~

中性紙の厚紙で「帙(ちつ)」を作る
写真4

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