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インターネット版 古文書講座 NO.3

印刷用ページを表示する掲載日2016年4月12日

解読文

2枚目

  条々
一、公用之儀道家主馬江申談、可請
   差図候、留守中之趣共松平上総介殿へ茂
   頼置候間、入組六ヶ敷難決儀者申達
   可致、存寄次第候、尤尾張殿江茂可申上候、
   公儀向諸事勤等之儀者留守居之者共
   無油断承合、国許江可申越事
一、一類中其外見廻之衆有之者、何茂
   罷出挨拶仕へし、若不在合ニ者近習
   向より在府之節之通毎度可罷出事
一、山田頼母昼之内罷出、見合可罷帰事
一、進藤岡右衛門毎朝罷出、用事相勤、
   仕廻次第罷帰可申事
一、小姓頭・騎馬頭勤方、諸事在府之
   節之通可相心得事

3枚目

一、先手者頭昼夕一人宛可相詰候、并玄関
   詰侍共、昼取次之者二人、其外二三人宛
   夜者取次共ニ三四人宛可令勤番候、尤
   年頭・五節句・月次礼日ニ者各人数増
   可加事
      附、番割之儀、番代り時刻用人江
      申付候事
一、目付共無怠申合、所々見廻り、替儀茂
   候者可申越、道家主馬江申聞、存寄
   之品者可令内談事
      附、侍共於番所判形仕候節、
      目付共見届之、重而可相改事
一、歩行目付言上書可差上事
一、他所之者屋敷中江呼寄、又者振廻ニ
   参間敷候、乍然留守居之もの共
   聞合に他所江罷出、用事ニ付
   他所之者ニ長屋江呼申儀者差免候事

4枚目

一、侍共病気之節者、其支配方之者心を
   附見廻候而、其様体共承、療治之儀
   迄茂可申談、親類・縁者、由緒無之者ハ
   其仲間として看病可仕候、妻子・娘等
   重病之節茂、其支配之者可有心得事
      附、御医師衆江以手筋病体見せ
      申度候歟、療治相頼候儀、可依病気
      之様体、其節道家主馬聞届、
      何れ江成共可申遣候、并屋鋪江
      出入無之他医江相頼度候者、
      主馬江相尋、可請差図、此方之
      医師他所江病用ニ而罷出候共
      可為同前事
一、屋鋪中時々見廻り可申候、歩行目付
   并小人目付、諸屋敷其外所々不絶
   見廻り、疑敷儀茂候者道家主馬江
   即時可申出事

5枚目

一、門出入堅相改、一ヶ月限改之、帖者頭・
   目付共立合念入遂吟味、主馬へ
   見せ可申候、帖面者目付共可請
   取置事
一、諸役人、家中之者共、他所之者并
   出入之町人より音物一切不可受納候、
   無拠方より到来之時、断難申
   遣儀者、道家主馬江可遂内談候、
   難相極候者其趣可申越候、其内ハ
   預り置可申事
一、諸屋鋪共ニ夜廻り無怠様堅可
   申付事
   右之条々聊有相違間敷者也

6枚目

   宝暦三年四月廿六日
                       山田頼母とのへ
                       進藤岡右衛門とのへ
                       横田 斎とのへ
                       沖 左平太とのへ
                       福永助左衛門とのへ
                       渋江弥右衛門とのへ
                       味木新左衛門とのへ

読み下し文

   条々
一、公用の儀道家主馬(みちいえしゅめ、【年寄役】)へ申し談じ、差図(さしず)
   を請くべく候、留守中の趣共、松平上総介(かずさのすけ)殿へも
   頼み置き候あいだ、入り組みむずかしく決し難き儀は、申達
   致すべし、存じ寄り次第に候、尤も尾張殿【尾張藩主徳川宗勝】えも申し上ぐべく候、
   公儀向き諸事勤め等の儀は、留守居(るすい)の者共
   油断なく承り合い、国許(くにもと)え申し越すべき事
一、一類中その外見廻りの衆これ有らば、何れも
   罷(まか)り出(いで)、挨拶仕るべし、もし不在合には近習
   向きより在府の節の通り毎度罷り出るべき事
一、山田頼母、昼の内罷り出、見合い罷り帰るべき事
一、進藤岡右衛門毎朝罷り出、用事相勤め、
   仕廻(しまい)次第罷り帰り申すべき事
一、小姓頭(こしょうがしら)・騎馬頭(きばがしら)勤め方、諸事在府の
   節の通り相心得べき事
一、先手者頭(さきてものがしら)昼夕一人ずつ相詰めるべく候、ならびに玄関
   詰め侍共、昼取次の者二人、その外二、三人ずつ、
   夜は取次共に三四人ずつ勤番せしむべく候、尤も
   年頭・五節句・月次(つきなみ)礼日には各(おのおの)人数増し
   加えるべき事
   附(つけたり)、番割りの儀、番代り時刻用人え
   申し付け候事
一、目付共怠りなく申し合い、所々見廻り、替わる儀も
   候らわば申し越すべし、道家主馬え申し聞き、存じ寄り
   の品は内談せしむべき事
   附り、侍共番所において判形(はんぎょう)仕り候節、
   目付共これを見届け、重ねて相改むべき事
一、歩行目付(かちめつけ)言上書差し上ぐべき事
一、他所の者屋敷中え呼び寄せ、又は振廻(ふるまい)に
   参るまじく候、然(しか)しながら留守居(るすい)のもの共
   聞き合いに他所え罷り出、用事に付き
   他所の者に長屋え呼び申す儀は差し免じ候事
一、侍共病気の節は、その支配方の者心を
   附け見廻(みまい)候て、その様体共承り、療治の儀
   迄も申し談ずべし、親類・縁者、由緒これ無き者は
   その仲間として看病仕るべく候、妻子娘等
   重病の節も、その支配の者心得有るべき事
   附り、御医師衆え手筋を以て病体見せ
   申し度く候か、療治相頼み候儀、病気
   の様体に依るべし、その節道家主馬聞き届け、
   何れえ成り共申し遣わすべく候、并びに屋鋪(やしき)え
   出入りこれ無き他医え相頼みたく候らわば、
   主馬え相尋ね、差図を請くべし、この方の
   医師他所え病用にて罷り出候共
   同前たるべき事
一、屋鋪中時々見廻り申すべく候、歩行目付
   并びに小人目付(こびとめつけ)、諸屋敷その外所々絶えず
   見廻り、疑わしき儀も候らわば道家主馬え
   即時に申し出るべき事
一、門出入り堅く相改め、一ヶ月限りこれを改め、帖者頭(ものがしら)・
   目付共立ち合い、念を入れ吟味を遂げ、主馬へ
   見せ申すべく候、帖面は目付共
   取り置きを請くべき事
一、諸役人、家中の者共、他所の者并びに
   出入りの町人より音物(いんもつ)一切受納すべからず候、
   拠(よんどころ)無き方より到来の時、断り申し
   遣わし難き儀は、道家主馬え内談を遂ぐべく候、
   相極(き)め難く候らわばその趣申し越すべく候、その内は
   預り置き申すべき事
一、諸屋鋪共に夜廻り怠りなきよう堅く
   申し付くべき事
   右の条々聊(いささ)か相違有るまじきもの也
      宝暦三年四月廿六日
                       山田頼母【孝友、番頭】とのへ
                       進藤岡右衛門【甫教、用人】とのへ
                       横田 斎【正容、小姓頭】とのへ
                       沖 左平太【玄慶、番頭】とのへ
                       福永助左衛門【忠朝、江戸留守居】とのへ
                       渋江弥右衛門【貞興、留守居】とのへ
                       味木新左衛門【忠卿、留守居】とのへ

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