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インターネット版 古文書講座 NO.1

印刷用ページを表示する掲載日2016年2月26日

 ◇ 厳島の名所案内記~『厳島道芝記』~ ◇

 江戸時代中期以降,名所・旧跡や盛り場を訪れる観光的要素を兼ねた旅が庶民の間で広がるにしたがい,名所案内のための地誌類が次第に数多く出版されるようになりました。
 広島では,厳島の名所案内記が古くから出版されています。『厳島道芝記』はその一つで,全7巻8冊(巻1が上下2冊。)あります。著者の小島常也は,広島の大手町一丁目に住み,白神組の町役を勤めていました。
 ここに紹介したものは,江戸時代,広島城下京橋町で町年寄を勤めていた保田家の古文書(当館所蔵)の中にあったものです。なお,当館所蔵の賀茂郡寺家村野坂家文書の中にも同じものがあります。

厳島道芝記
  

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くずし字

解読文

厳島道芝記巻第一
いつくしまハ、安芸国佐伯郡の海の中にあり。めぐり
七里、東・西・北・の三方地を相さる事、遠きハ四五里、ち
かきハ一里ばかりなり。南の方ハはるかに、伊予の二名の
しま、つくしの海までも見ゆ。山そびえ、江めぐり、くま
ぐままで松おひしげり、うらうらの名所・岡谷の旧地
百にあまれり。御社はいぬゐの方にむかハせたま
ひて、海へつくり出し、百八十間の廊あり。鳥居もまた
うみにたてり。末社すべて百二十五社とかや。おほ
くの社職しやうぞくのたもとをはへ、廻廊の
ゆきかひ、神楽男のつゞみも、なりやむ間なし。

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