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インターネット版 古文書講座 NO.12

印刷用ページを表示する掲載日2016年2月26日

 ◇ 広島藩札の発行に関する通達 ◇

 広島藩札(藩の紙幣)は,宝永元年(1704)8月に初めて発行されました。いったんは,幕府の藩札回収令によって発行停止となりましたが,その後,享保15年(1730)8月に幕府が藩札通用を解禁したため,翌9月に幕府の許可を得て再度発行されました。

 当時の藩札発行は,紙幣を流通させるという目的よりも,藩札をもって領内から正貨(金銀貨)を藩庫に吸い上げ,財政補填に用いるという目的が優先されていました。そのため,領内から回収した正貨を早々と財政補填につぎ込んでしまい,兌換に必要な正貨を十分に準備できていませんでした。享保17年から18年にかけて,西日本一帯では,飢饉により諸物価が急騰しましたが,藩札を正貨に引き替えようとする人々が城下革屋町の札場へ押しかけた際,準備金の不足により銀札恐慌を引き起こす事態となっています。享保18年2月に大坂商人からの正貨融通が実現し,銀札恐慌はようやく鎮静化しました。

 ここでは,享保15年の藩札発行を受けて出された通達を読んでみます。
 この通達では,正貨と銀札の交換比率を定め,広島藩領内で広く藩札が使用されるよう,奨励しています。藩札発行の初期の様子を示す史料と言えます。

古文書の画像と解説 (PDF629KB)

解読文と語句説明 (PDF97KB) 

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