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収蔵文書展「災害を語る歴史資料」 4(5-7)

印刷用ページを表示する掲載日2020年6月2日

4 レスキューされた被災文書(5-7)

濡れて固着した書簡・葉書類 (槙林家文書 201820)

 被災した槙林家文書には,明治から戦前期の書簡や葉書類が約8,000点ある。泥水に浸かった書簡や葉書類は,数通から数十通がひとかたまりになって固着した状態だったため,乾燥作業と並行して1通ずつ固着を剥がす作業を行った。

 作業では,竹べらやスパチュラを固着した書簡や葉書の隙間に差し込んで,少しずつ動かしながら,1通ずつ丁寧に固着を開披した。剥がした書簡と葉書はラックなどに平置きに並べて,しっかり乾燥させた。カビが発生している場合は,消毒用エタノール(70%)を含ませたキムワイプで,カビの部分をこすらないように押さえてカビを抑制した。乾燥しているカビは,刷毛で払い落とした。

 この書簡・葉書類のうち約3,000点は,広島大学文書館との協定により,広島大学文書館に依頼して,開披とドライクリーニングを分担していただいた。

濡れて固着した書簡葉書類3 濡れて固着した書簡葉書類4
(左)受入時の書簡や葉書の状態 (右)固着した書簡を1通ずつ剥がす。

濡れて固着した書簡葉書類5
封筒から中身を取り出して汚れを払う。

濡れて固着した書簡葉書類2 濡れて固着した書簡葉書類1
(左)開披した葉書類 (右)開披した書簡類
 書簡の封筒は水に濡れて脆弱になり,損傷も激しく,中の書状を取り出すのが難しいものもあった。

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