広島城下新町組の大町年寄を務めた岩室家に残されていた記録。安政大地震について詳しく記しており,嘉永7年(1854)11月4日以降の広島城下の様子が詳細に記されている。また,大坂をはじめとする各地の状況や安政2年(1855)10月2日の安政江戸大地震の様子についても記している。
広島城下の様子については「家蔵ラとも倒れ損じ数多有之,怪我するものハ数あれども,死人ハなし」と記している。また,川土手では屏風建具などで囲いを作り,畳を敷いて夜具・火鉢などを置いて夜を明かす人がいたことや,夜半には雪が降り出し,病人や中には外で子を産む女性もいたが医者を呼ぶこともできず,「甚難義也」と記しており,当時の混乱した状況がうかがえる。
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