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くりっぷ73号(令和2年11月1日発行)

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【目次】
○「ビジネス探究プログラム」が県立商業高校で始動!
○デジタル化で進める「主体的な学び」の実現
○うちで読もうよ~Stay Home! Read Books!~プロジェクト展開中!
○子供たちへのメッセージ Hiroshima2020
○WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業
○特別支援学校の取組
○お知らせ
○おでかけガイド
○相談窓口

「ビジネス探究プログラム」が県立商業高校で始動!

 広島版「学びの変革」を推進する取組として,県内4校の県立商業高校(県立尾道商業高校,県立広島商業高校,県立呉商業高校,県立福山商業高校)で今年度からプロジェクト学習「ビジネス探究プログラム」を,新たにスタートさせました。
 3年間のプログラムで,多様化する経済社会に対応できる主体的・協働的・創造的な力を身に付けた未来のリーダーを育成します。

県立広島商業高校1年生5名の生徒にプログラムの内容についてインタビューしました!

―「ビジネス探究プログラム」はどのような学習(授業)ですか。
 私たちに与えられたテーマは「生きるって何?」というものでした。これまでの生き方や世の中の変化などについて,まず自分の考えをワークシートにまとめ,それをみんなで読み合った後,話し合いをしていきます。

―中学ではこんな授業はなかったですよね。
 はい,最初は難しかったけど,自分の考えを自分の言葉で伝えることができるようになりました。また,みんなの意見に耳を傾けることで,どんなことにもいろんな見方があることが分かり,とても勉強になっています。

―いろいろな内容で話し合ったと思いますが,特に印象に残ったものは?
 「不満」を内容にした授業です(笑)。まず自分の持っている不満をいっぱい考えて,出し合い,それを分類して,優先順位を付けてから,どうすれば不満を解決できるのかを考えていきました。私たちが暮らしの中で不満に思っているような小さな事がらも,一つにまとまると社会的な意味を持ち,新しい商品やサービスの開発へとつながっていくことが分かり,とても興味深かったです。私たちが生きていること,生活のほどんどが商業活動に関わりがあることを実感できました。

―この授業で成長できたと思うことは?
 人前でしゃべることが苦手だったけど,自分の意見をきちんと説明できるようになりました。今まで当たり前だと思ってやってきたことを深く掘り下げ,人の意見にも耳を傾けることで,新しい発見もあり,視野も広がったと思います。特にこの授業はグループトークが多くて,人に説明する力とか考える力が必要なので中学校と比べるとその力が随分付いたなと実感しています。

―今後,どのようにこのプログラムに取り組みたいですか?
 この授業を受けて,「生きる」とは常に学び続けることだと思うようになりました。自分の考えをしっかり持って,社会で活躍するためには,幅広い知識や経験が必要だと思うので,いろんなことにチャレンジしたいです!

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リーダーシップを発揮し,主体的・協働的な未来の創り手に。(津久井 詩子先生)

 このプロジェクト学習の目的は,多様で複雑な経済社会で,自分の考えをしっかり持った上で,たくさんの人と協力してプロジェクトを進めることができる創造力を身に付けた人材の育成です。正解は一つではありません。今までは一つの正解を求める学習をしてきたので,最初はみんな戸惑っていましたが,短い期間で多角的に物ごとを考えた上で,自分の考えを自分の言葉で表現できるようになり,大きな成長が感じられます。世の中の経済活動は全て商業に関わっており,商業高校は最高の学びの場所だと私は思います。このプログラムを通して,日々の生活そのものが商業の活動と直接関わりがあることに気付いてほしいです。

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県立広島商業高等学校ホームページ

デジタル化で進める「主体的な学び」の実現

 県教育委員会では,子供たちがこれからの変化の激しい社会で活躍するために必要な資質・能力を身に付けることができるよう,「主体的な学び」を促進する広島版「学びの変革」に取り組んでいます。その取組の一環として,今年度から県立学校で一人1台コンピュータの導入と活用を順次進めています。

一人1台コンピュータ活用拡大中‼

【県立福山明王台高等学校】自分の動きを撮影してその場で確認!グループで話し合ってフォーム改善。

 「文武両道」を軸にICT教育を推進する県立福山明王台高校では,タブレット端末を校庭に持ち出し,体育の授業で活用中です。まず先生の模範試技を動画で確認してから実技に入ります。練習中はグループごとに各自のフォームを撮影し,できていない箇所があれば修正を加えて再挑戦。練習→確認→改善を繰り返すことで,正しいフォームを身に付けていきます。先生が一から十まで教えるのではなく,生徒自らが課題を分析し,必要な対策を講じることで,主体性のある学習に取り組むことが可能になりました。

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生徒の声

○自分のフォームを見ることができると,悪いところが具体的に分かるのでとても便利です。授業で学んだこの方法は,部活動でもしっかり生かせています。

○授業の中でみんなとリアルタイムに情報共有できるのが本当に便利です。臨時休業の間も,クラスメイトや先生の顔を見ながら意見交換できて,とても重宝しました。

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校長から(田渕 照之校長)

 本校では,ICT教育を主体的な学びの中にどのように位置付けていくかを重要視しています。先生が一方的に教えるのではなく,生徒と先生,生徒同士,先生同士がICTを使って,ともに成長していくための雰囲気づくりを心がけています。そのほかにも,生徒たちが自らホームページを立ち上げて発信するなど,新たなチャレンジが始まっています。

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WEB版拡大公開!

生徒会で学校紹介ホームページ「This is us‼」を制作

県立福山明王台高校では,高校の魅力や学校生活を中学生に知ってもらうため,生徒会が中心となり,ICTを活用して学校紹介ホームページを制作しました。動画制作や編集を担った生徒会の皆さんにお話を伺いました。

―どうして新たにホームページを制作することになったのですか?
 今年は,コロナ禍でオープンスクールが中止になってしまいました。私たちも中学生の頃は高校ってどんなところだろうという疑問や不安があったので,ホームページを見てもらうことで不安を少しでも解消してあげられたらと思ったからです。

―どのようなホームページができましたか?
 文字や写真だけではなかなか学校生活のイメージが伝わりにくいと思ったので,動画を中心に,高校で学ぶ内容や部活動などを紹介する「WEB版オープンスクール」ができたと思います。

―今までホームページを制作した経験はありますか?
 全員初めてです(笑)。動画の撮影もホームページの制作も,先生にサポートしてもらいながら,みんなで協力し合い,楽しく制作できました。

―今後はどのようなことにチャレンジしていきたいですか。
 今後は学校だけでなく,地域の文化や魅力もICTを使って,積極的に発信できたらいいなと思っています。

 

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【県立広高等学校】クラス全員の意見を即座に共有!様々な意見にふれながら考えを深める授業を展開。

 県立広高校では,デジタル機器を活用した英語学習を推進中です。生徒は授業で理解した内容をもとに,自分の意見を端末に入力します。入力された意見はインターネットを使ってクラス全体で即座に共有されます。他のクラスの生徒の意見も確認できるため,様々な意見にふれながら,生徒たちは考えを深めています。授業では,アプリを使って発音を確認しながら,スピーチ力を含めた実践力も養っています。

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生徒の声

○これまでは授業を聞きながらノートを書くだけで大変だったけど,今はみんなの意見や授業のポイントが手元のタブレットですぐに確認できるので,とてもわかりやすいです。

○ネイティブの発音で読み上げてくれる英単語アプリのおかげで,予習・復習がとても効率的になりました。資料のスライド制作やふりかえり学習もすごく楽しいです。

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校長から(堀 隆典校長)

 本校は,とにかく生徒がよく動く学校です。ICTも生徒がどんどん自主的に取り入れて,校則の変更についても生徒会が中心となって全校アンケートを取るなど,素晴らしい成果を上げています。教員も各学年でICTプロジェクトを立ち上げてバックアップしており,生徒と先生の関係は,以前にも増して,親密になったと思います。

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WEB版拡大公開!

家庭科の授業にもお邪魔しました

この日の授業では,あらかじめ提示された課題について,生徒が自宅等で調査・実践学習を行い,その成果をスライドにまとめてプレゼンテーションするという形式で授業が行われました。課題のテーマは「朝ごはん」。生徒たちは,家族の好みなどを聞き取った後,栄養バランスに配慮した献立を作ったり,実際に調理したりした成果をタブレットを使って発表します。発表を聞く生徒には,その内容が各個人のタブレットで共有され,生徒同士で表現力や学習成果を評価していきます。タブレットを活用することでクラス全員で発表内容を共有することができ,積極的な意見交換が交わされていました。

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県立広高等学校ホームページはこちら

国の動きをCheck It Out! GIGAスクール構想

 GIGAとはGlobal and Innovation Gateway for Allの略。文部科学省が打ち出した,児童生徒を誰一人とり残すことなく,全国一律のICT環境を学校教育の現場で持続的に実現させていくという構想です。新型コロナウイルス感染症の拡大も考慮に入れ,令和2年度末までに,すべての小学校・中学校・特別支援学校などで,児童生徒が一人1台の情報端末を使用するための費用を補助し,各自治体のICT教育環境の整備を推進します。

  • 情報端末の整備
    小学校1年生から中学校3年生までが対象
    一人1台の情報端末を整備
  • 学校ネットワーク環境の整備
    小学校・中学校・高等学校・特別支援学校などの校内通信ネットワーク環境を整備
  • 家庭でのオンライン学習環境の整備
    臨時休業などの緊急時にオンライン授業を行う際,Wi-Fi環境が整っていない家庭に対して通信環境を整備

小中学校でもデジタル化進行中!

授業での活用事例~三次市立みらさか小学校・三良坂中学校

 三次市立みらさか小学校・三良坂中学校では,全県に先駆けてタブレットを使った学びに取り組み,児童生徒の主体的な学びを促しています。
 小学校体育科の授業では,マット運動の様子をタブレットを使って録画し,グループで交流します。その動画を見ながら良い点や改善点を書き込み,話し合う活動をしています。お互いにアドバイスし合い,練習を繰り返していきます。
 中学校社会科の授業では,タブレットを使って教科書や資料集に載っていない情報を集めています。多くの情報の中から適切な情報を集めたり,協働学習を通して整理したりする活動を進め,情報を収集する力や情報を整理する力を身に付け,学習を深めています。
 このように,子供たちは,タブレットを使って「やってみたい!」と思ったことを表現したり,課題解決の方法を主体的に学んでいます。そして,互いの考えを伝え,学び合う中で自分の考えを深め,主体的・対話的で深い学びへとつなげています。また,様々なデジタル教材の中から自分で選んで学習内容を決める「個別最適化」ができることも大きなメリットです。

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うちで読もうよ Stay Home!Read Books!プロジェクト展開中!

 この取組は,学校が臨時休業中の子供たちの学びを支援する「図書館貸出事業」として始まりました。学校再開後も長引くコロナ禍で不安やストレスを抱える子供たちが多いと考えられます。本は,癒し・悩みの解決や生き方のヒント・学びなど,心の元気をチャージしてくれます。ぜひ,ご活用ください。

プロジェクト1 青少年のための電子図書館サービス With Booksひろしまを開設

県内在住又は在学・在勤している方であれば,無料でいつでもどこでも手軽に本を読むことができます!

  • パソコンやスマホ,タブレットがあればOK。
  • 豊富なラインナップで約7,000冊がすべて貸出無料。
  • 中高生向けの本が充実。
  • 1度に2冊まで,14日間借りることができ,予約も可能。
  • 貸出期間が終了すると自動的に返却

 電子図書館ぺージはこちら(県立図書館ホームページ)

プロジェクト2 子供たちに図書セットをお届け!

学校や幼稚園・保育所はもちろん,放課後児童クラブ,フリースクールなど乳幼児から高校生まで子供たちが利用する施設に本を届けます!

  • 年齢や学年,目的に応じた「図書セット(1セット25冊)」をご用意。1施設当たり最大4セットまで,60日間貸出。
  • 貸出・返却にかかる送料はすべて無料

 

トートバッグ         熊野高校
(左)プロジェクトキャンペーン トートバッグ
(右)バッグをデザインした県立熊野高等学校の生徒の皆さん

応援メッセージ動画 子供たちへのメッセージ Hiroshima 2020

広島県ゆかりの著名人からの応援メッセージを県教育委員会ホームページで配信中です!

 新型コロナウイルス感染症の影響が続く中,様々な制限の中で学校生活を送っている子供たちに向けて,スポーツ選手や広島交響楽団の指揮者,STU48のメンバーなど,スポーツ,アートなどの様々な分野で活躍する広島県ゆかりの著名人から寄せられた応援メッセージを動画で配信しています。ハンドボールのイズミメイプルレッズの山根楓選手と倉岡愛実選手は,「充実した学校生活を送るために,手洗いとうがいを心がけ,コロナに負けないよう頑張りましょう!」とメッセージを送ってくださいました。
 将来の夢や希望に向けて学ぶ広島県内の子供たちに元気を届ける応援メッセージに,ぜひアクセスしてみてください。

 メッセージ動画はこちら

メッセージ動画

WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業

 この事業では,複数の高校,大学,企業等が協働して,高度かつ多様な科目内容を生徒の興味・関心に応じて学ぶことができる学習プログラムを開発するなど,様々な取組を進めています。

【主な取組例】

  • 「総合的な探究の時間」のカリキュラム開発
  • 外国語と文理教科との融合科目の開発
  • 高校生国際会議の企画・運営
  • 大学と連携した高度な学び

 今回は,県内の高校生に大学と連携した高度な学びを提供する「Stanford e-Hiroshima」。オンラインによる米国スタンフォード大学の講義の視聴,生徒同士のディスカッションや意見の投稿など,全て英語で行われます。生徒はこのようなプロセスで学んだ6つのテーマから自分の関心のあるテーマについて研究し,その研究の成果をレポートにまとめ,発表します。昨年度に受講した29名のうち2名の生徒が最優秀賞を受賞しました。最優秀賞を受賞した生徒2名は,来年3月29日に米国スタンフォード大学でのセレモニーに招待され,それぞれの研究成果を発表する予定です。

オンライン留学プログラムで世界に触れよう!

 新型コロナウイルス感染症の影響により海外への渡航が制限されている中,県教育委員会では「異文化間協働活動」をテーマに,ホームページで高校生などを対象とする無料のオンラインプログラムをご案内しています。ぜひオンライン留学に挑戦してみてください。

 詳しくはこちらをご覧ください

特別支援学校の取組

県立尾道特別支援学校しまなみ分校 ~地域の水族館で学ぼう!~

 県立尾道特別支援学校しまなみ分校は,平成29年度から「福山大学マリンバイオセンター」(水族館)と連携し,海の生き物をテーマにした学びを続けています。児童生徒が水族館を訪れて,展示観察やお魚クイズ,バックヤードツアーなどを通して瀬戸内海の生き物の生態について学ぶとともに,大学生がしまなみ分校を訪問して魚の模型作りや創作劇の制作・発表に共同で取り組むなど,定期的な交流を行って相互の学びを深めています。現在,水族館は休館が続いていますが,屋外で調査を行ったり,児童生徒が採取した生き物を,オンラインを活用して大学生に説明してもらったりするなどの取組を今年度も続けています。

水族館の近くの干潟の生き物を観察しました。
しまなみ分校1
水族館のバックヤードを見学。海の生き物の生態について学びました。
しまなみ分校2
昨年の分校祭では魚をテーマにした創作劇を共同で上演!
しまなみ分校

お知らせ

11月1日は「ひろしま教育の日」

ひろしま教育の日

「ひろしま教育の日」は,教育の現状や教育委員会の取組を多くの皆さんに知っていただき,学校・家庭・地域が一体となって子供たちを育てていくことを目的に,平成13年に「ひろしま教育の日を定める条例」により定められました。
県内各地では,「ひろしま教育の日」に関連して様々なイベントが行われます。
また,11月1日~7日の期間中は,児童・生徒は県立文化施設の入館(園)料が無料となります。(イベントの詳細

おでかけガイド

相談窓口

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