くりっぷ71号(令和元年11月1日発行)
目次
○東広島市立高屋中学校 学校図書館をリニューアル!
○広島版「学びの変革」全県展開中!
○教育委員会にズームイン!
○特別支援学校の取組
○おしえて!よくばり先生
○お知らせ
○お出かけガイド
○相談窓口
東広島市立高屋中学校 学校図書館をリニューアル!
県内の学校図書館が続々とリニューアル中
広島県教育委員会では,広島版「学びの変革」アクション・プランに基づき,「主体的な学び」を充実させるため,学校図書館のリニューアルを進行中!
学校図書館の資料の更新や本棚の配置の工夫,ゆっくり読書できる場所を作るなど児童生徒やボランティアの方の協力も得て,環境整備をしています。
今回は,リニューアルしたばかりの東広島市立高屋中学校の様子を紹介します。
突撃インタビュー!リニューアルの中心的な役割を担った図書委員5人にインタビューしました
―リニューアルには多くの方々の協力があったそうですね。
はい!夏休み中にもかかわらず,たくさんの生徒が手伝いに来てくれました。ボランティアの方々の中には,遠方の呉や廿日市から来られた方もいて,参加してくださった全ての人にとても感謝しています。
―どのような作業をしましたか?
まず,本を整理しながら椅子や机,本棚など図書室にあるものを全て運び出して,きれいにふきました。それから,床・壁・天井・照明などをきれいにして,さらにカウンターをペンキで塗ったり,クロスを貼ったりしてリフレッシュしました。そして,きれいになった本棚に,きちんと本を運び入れました。
―どんな点が大変でしたか?
棚サインと合わせて本を整理するのが大変でした。一冊一冊の本は軽いのですが,たくさん集まると本当に重くて,運ぶのにとても苦労しました。しんどかったけれど,みんなで声を掛け合いながら楽しく作業を進めました。
―皆さんで決めたことはありますか?
新しい図書室に残す本の選択を,一部,私たちに任せてもらえました。いろんな人に意見を聞きながら,みんなに読まれている本,自分が読んで良かった本,読みたくなるような本を選ぶことができたと思います。
―リニューアルした図書室のPRをどうぞ。
リニューアルでとても明るくきれいになったので,来たらみんな驚くと思います。私たちもみんなをびっくりさせようと思って頑張りました。座り心地の良いソファーも入ったので,ゆっくり読書できると思います。植物とか生物とか,ジャンルごとにイラストについたパネルサインを置いたので,本を探しやすくなりました。回転書架も注目です。私たちの高屋中学校には一人ずつに読書手帳があって,読んだ本を記録できるようになっているので,これを機会に気軽に図書室に来てもらって,たくさん本を読んでもらいたいです。
学校図書館リニューアルへの寄付をお待ちしております
たくさんの方々から御支援をいただき,心から感謝を申し上げます。皆さまの御寄付は,学校図書館リニューアルに活用させていただいております。
<他にも続々リニューアル>
県立熊野高等学校 県立三原東高等学校 県立廿日市高等学校 県立府中東高等学校
県立呉工業高等学校(定時制) 県立福山北特別支援学校 県立広島中央特別支援学校
県立三次中学校・高等学校 福山市立今津小学校
広島版「学びの変革」全県展開中!
全ての子供たちの「主体的な学び」を実現します!!
これからの変化の激しい社会を生きるために必要な「生きる力」を育てるため,令和2年度から「新しい学習指導要領」が小学校から順次スタートします。広島県では,これに先駆けて,子供たちがこれからの社会で活躍するために必要な力を「主体的な学び」を通して育成する「学びの変革」に取り組んでいます。
子供たちのワクワクを引き出す授業を実践中!
いま,社会では,このような変化が起きています
~世の中には大量の情報があふれています~
情報や知識を統合し,自ら深く考え,新たな答えを導き出す力が必須です。
~グローバル化により多様な価値観や文化に触れる機会が増えています~
文化や考え方が異なる他者と協働し,問題を解決する力が必要です。
次のような人材の育成を目指します
〇自分の言葉で,自分自身や広島・日本のことを語ることのできる自立した人材
〇多様性を受け入れ,異文化の人々とコミュニケーションができる人材
〇様々な人々と協働して失敗を恐れず挑戦し,新たな価値を創造できる人材
そこで,本県では,次の取組を推進しています
課題発見・解決学習
これからの社会で活躍するために必要な資質・能力の育成を目指し,「主体的な学び」を促進するため,総合的な学習や各教科の授業で「課題発見・解決学習」を実施します。
異文化間協働活動
これからの社会で活躍するためのベースとなるグローバル・マインドや実践的なコミュニケーション能力の育成に向け,小学校段階から系統的な「異文化間協働活動」を推進します。
こんな授業をしています!各学校の取組例を紹介します。
廿日市市立大野東小学校
市役所のシティプロモーション室や社会福祉協議会,地域ボランティアなどと協力して,「ふるさと廿日市」について探求的に学ぶ教育活動に取り組んでいます。
広島県水産研究所の方から廿日市の自然について学びました。
手話サークルのボランティアを体験し,感想を発表。
庄原市立庄原中学校
ふるさと庄原の「誇りと貢献」について考え,話し合い,自ら行動することに挑戦しています。修学旅行では,外国の方へ庄原の良さを発信しています。
アイディアを出し合い,ふるさと庄原を発信するリーフレットを作成しました。
ALTにプレゼンテーションをして,英語でより良く伝える方法を考えました。
県立世羅高等学校
地元の農産物を栽培,利用して新商品を開発したり,地域の特産品の人気復活を目指して研究を重ね,地域産業の活性化に取り組んでいます。
ブランド茶「世羅茶」を生徒自身で栽培します。
イタリアで開催された国際イベントで「世羅茶」を紹介しました。
県立廿日市特別支援学校
育成したい資質・能力は「は・つ・か・い・ち」(働く力・つなぐ・活用・意欲・知識)。児童生徒たちは,自分らしく豊かにたくましく生きる力を身に付けるため,真剣に授業に取り組んでいます。
来客とのやり取りの仕方を学んで,行事の受付係を担当。
水の色の変化を観察し,暮らしの中の不思議を発見する実験。
新しい取組1 スペシャルサポートルーム(SSR)を設置しました!
~学校になじめない児童生徒のための居場所づくり~
「スペシャルサポートルーム」(SSR)は,不登校を始め,集団学習になじめない児童生徒が,学校とのつながりを途切れないようにするため,校内に居場所をつくる取組です。今年の4月から新たに県内の5市町5小学校・6中学校に設置しました。
今後は,一人一人の状況に応じた学習支援などによって,児童生徒の学校や社会とのつながりを確保。個別の状況に応じた学習や生活の支援の在り方について調査研究を進め,県全体へと普及させていきます。
【担当者の声】
子供たちが成長する力を実感しています。
呉市立吉浦中学校 教育相談コーディネーター 吉本かをり先生
子供たちは自分で日々の学習内容と目標を決めて,自主的に学んでいます。私たちの役割は,子供たちが社会で自立して生活できるように,コミュニケーション力を付け,自分で判断して行動できるよう手伝いをすることです。今まで通学できなかった子供たちが,積極的に学び,元気を取り戻していく姿に接するとうれしいですね。
新しい取組2 「東大ROCKET in 広島」が始動!
~県教育委員会と東京大学先端科学技術研究センターが描く未来の教育~
不登校を始め,学校での集団学習になじめない児童生徒を対象に,体験活動を通して知的好奇心を喚起し,社会とのつながりを促す画期的な教育プロジェクトがスタート!7月に第1回を開催しました。
第1回テーマ 調べろ!君は探偵になれるか!?
参加した児童生徒が取り組んだミッションは,探偵として,「磁器」と「陶器」のように,一見似ているものの違いを明らかにすること。舞台は,知の宝庫である広島県立図書館と,あらゆるものがそろう福屋八丁堀本店。本で調べて明らかになったことをもとに,百貨店で実物を見たり,触ったり,店員さんの話を聞いたりしながら,自分たちの力で課題を解決する体験を通じて,学びを深めました。
東大ROCKET ㏌ 広島とは
不登校を始めとする,学校での学習になじめない児童生徒が,体験を通して学んだことと,自分の持つ知識や技能とを結び付ける「学びの場」を提供し,学び続ける力を育むプロジェクトです。(詳しくはこちら)
教育委員会にズームイン!
広島県の教育行政の運営を担っているのが教育委員会です。教育委員会は,教育長と5名の委員で構成されています。委員は,教育の専門家だけでなく,住民代表として様々な分野から選ばれ,県議会の同意を得て知事に任命されています。
今回は委員の皆さんに,委員就任に当たっての正直な気持ちなどを聞いてみました。
社会において教育が一番大切だと感じていたので,それに少しでも携わることができるなら光栄だと思いました。活動を通して,時代の流れに沿った教育の進歩を感じることができるのが楽しいです。 |
教育のすごさを実感 今の学校現場を知りたいという気持ちがあり,教育は未来志向なので楽しみでした。委員として学校訪問して,先生の熱意と生徒のきらきらした様子を見ると,教育ってすごいなと思います。 |
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先生たちの頑張りを知ることができました お話をもらったときは驚きましたが,自分の仕事にも生かすことができるかもしれないと思い,引き受けました。教育委員として学校を訪問することで,現場の先生たちの頑張りを知ることができました。 |
各校の地域性や独自性が面白い 就任前から地元の学校には関わっていましたが,県内のいろいろな学校に関わることができることがうれしったです。学校訪問で,学校ごとに地域性や独自性を生かした取組をしていることを見るのは面白いです。 |
一県民として教育貢献を! 責任が重く,楽しみよりはプレッシャーの方が大きかったです。教育に関しては素人なので,いろいろな勉強もしていますが,一県民として率直に意見を言うことで,教育が良くなればと思っています。 |
委員の皆さんはどんな人?
趣味や今気になっていることを聞いてみました!
細 川:全国各地を巡ってゴルフをして,その土地のおいしい物を食べたり飲んだりする時間が幸せです。
中 村:ジョギングをしています。走った後は気分爽快です!時間があれば,アクティブにスキーやフットサルもしますよ。
志々田:来年開かれる東京オリンピック・パラリンピックが気になっています。どうにかしてチケットを入手したいです!
近 藤:大人になって水泳を始めました。もう少しでバタフライが泳げるようになりそうです。目指せ4泳法習得!
菅 田:昔はスキー検定1級を取得するするほどスキーに熱中していましたが,最近は美術館に行って,作品を鑑賞するのが楽しみです。
会議では何をしているの?
教育に関する大切なことを話し合います。
教育委員会会議は,毎月1回開かれる定例会と臨時会があります。ここで教育に関する重要事項や基本方針を話し合い,決定します。また,県内の学校を訪問して得た学校の現状に関する知見を話合いに生かしています。
教育委員が今日も行く
学校へLET'S GO!~県立呉工業高等学校~
教育委員は定期的に県内の学校を視察しています。今回は細川委員が,キャリアデザイン科(総合学科)を導入し,図書館をリニューアルするなど,新しい試みを続ける県立呉工業高等学校(定時制課程)を訪ね,生徒や先生方と意見交換を行いました。
生徒の志望にきめ細かく対応するキャリアデザイン科の授業を見学
リニューアルした図書館で生徒と意見交換
学校の現状や取組について先生方と意見交換
訪問を終えて
企業と連携しながら,自分に合った進路を見付ける手助けをしていることに感銘を受けました。これからもいろいろな学校を訪問して学びの今に触れ,今後に生かしていきたいですね。
特別支援学校の取組
県立三原特別支援学校 カフェ「いこい」繁盛記
高等部の生徒が自分たちで企画し,地元の商業施設を使って月1回のペースで運営する三原特支カフェ「いこい」が人気を集めています。生徒たちはプロの指導を受けてオリジナルブレンドのコーヒー豆「たこみちゃんMAX」を開発し,ドリップ式コーヒーを提供。ケーキも,パティシエからの指導で製造する本格的なものです。同校は小学部から高等部まで一貫したキャリア教育に取り組み,接客のスキルを磨いてきました。これからも,皆さんに満足していただけるように頑張ります。
カフェ「いこい」は,イオン三原店などで月1回オープンしています。開催日は県立三原特別支援学校ホームページで御確認ください。
企画 生徒が企画・立案!
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運営 コーヒー専門店などへの注文も自分たちでします!
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接客 いつも大賑わい!中には常連のお客さんもいます!
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おしえて!よくばり先生
安芸太田町立上殿小学校
大久保 優(おおくぼ ゆう)先生
特色ある教育活動で児童と共に学び,成長していきたい!
[くりっぷ] 大久保先生こんにちは!今回は山あいの小さな小学校に,元気いっぱいさわやかなイクメン先生がいると聞いてやってきました。
[先生] はじめまして!私は現在5年生と6年生の複式学級で担任をしています。本校は児童数が25人と少ないですが,自然にも囲まれ,とても素晴らしい学習環境に恵まれています。新しい取組も積極的に行っていて,授業ではタブレットを使ったICTの活用に力を入れています。今の子供たちは情報検索等のインプットが得意なので,それを上手にまとめて伝えるアウトプット力を身に付けるプレゼンテーション学習に取り組んでいます。この分野は進化がすごく早いので,自分も置いてかれないように注意しないと…。
[くりっぷ] 上殿小学校は地域と密に連携した,伝統ある平和学習が行われていることでも有名だと伺いました。
[先生] はい,本校は毎年広島赤十字・原爆病院に入院中の患者さんを慰問する「やまゆり訪問」を行っています。地域の方々と一緒に育てたササユリや折り鶴,子供たちの文集を届ける活動で,子供たちにとっても,私にとっても学ぶことが多い,今年で69回を数える伝統的な取組です。
[くりっぷ] 素晴らしいですね!ところで,先生,御家庭では双子のお子様を育てるイクメンだとか…。
[先生] とっても可愛い双子の娘がいます!けれど,何事も二人同時で大変です(笑)。妻が本当に頑張ってくれているので,私も少しでも力になれるよう努力しています。休日は妻の息抜きを兼ねて,家族そろってショッピングモールに出かけています。
[くりっぷ] また,先生は小学校から大学までずっと野球部で活躍されたそうですね。
[先生] 子供の頃はプロ野球選手を目指していました!部活で学んだことは,持続することの大切さ。「誰にもできないことをする人が天才ではなく,誰にもできないくらい続けられる人が天才なんだ」という恩師から教わった言葉を自分の教え子たちにも伝え継ぎたいです!
お知らせ
11月1日 ひろしま教育の日
「ひろしま教育の日」は,教育の現状や教育委員会の取組を多くの皆さまに知っていただき,学校・家庭・地域が一体となって子供たちを育てていくことを目的に,平成13年に「ひろしま教育の日を定める条例」により定められました。
県内各地では,「ひろしま教育の日」に関連して様々なイベントが行われます。
また,11月1日~7日の期間中は,児童・生徒は県立文化施設の入館(園)料が無料となります。(イベントの詳細)