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広島県地方産業教育審議会(第2回)議事録(要旨)

1 日時

 平成19年10月16日(火曜日) 13時00分~15時00分

2 開催場所

 広島県庁北館2階 第一会議室

3 出席者

 10名

4 議事内容

(1) 開会

(2) 委員紹介

(3) 会長挨拶

(4) 協議

 1 県内の人的・物的資源を活用した教育指導の充実のための方策及び内容について
 2 産業界や継続する教育機関等との協力・協働体制づくりのための方策及び内容について
 3 高度な技術を持った教員の養成のための方策及び内容について

(5) 閉会

5 協議概要  

県内の人的・物的資源を活用した教育指導の充実のための方策及び内容について

委員: 県内にいる農業関係の人材を学校に招き,講義を聞くことにより,農業の専門的な内容について勉強すること,生徒自身が学校でどのような勉強をしているのかを自覚することが大切である。学校で学んでいることが社会とどのような関連があるのか,社会でどのように生かされるのかなどについて生徒に教える必要があるし,社会は生徒たちを応援していく必要がある。

会長: 授業などで,専門家の意見がほしい時に実際に専門家から講義を受けることができれば,より効果的である。

委員: 教育委員会などが,例えば,1か月ごとに県内で開かれる講演会等のリストをまとめた情報を学校へ流すようなことをしたらよいのではないか。

委員: 教育委員会は,インターンシップを推進するために,人的な情報も入った「協力者事業者リスト(広島労働局作成)」を各学校に流している。また,農業科では,農業に先進的に取り組んでいる人,生徒に指導ができる人のリストを各学校が独自に持って活用している。

委員: 福祉の分野として,今後の介護に関する人員の需要とか人材確保とかを考えると,今の黒瀬高校福祉科の定員で賄えるのか。少子化,団塊の世代の大量退職等社会的な変化がある。

会長: 福祉の面では高齢社会を迎え,現在の定員規模でよいのか見直すべきという御意見と承っておく。本審議会では,本県でどのようにして専門高校生を人材育成していくかが重要である。この度の答申では,学科の配置や定員などについて審議するものではないが,社会の状況等を踏まえて審議を進める必要があると思う。

 産業界や継続する教育機関等との協力・協働体制づくりのための方策及び内容について

 委員: 平成9年の答申から「将来のスペシャリスト」の概念が変わってきているのではないかと思う。具体的には,知識とか技術だけでなく,その周りを取り囲む遵法精神とか地域貢献などが新たに加わったことである。スペシャリストを育成するにはそれらを含めて養成をすべきというのが方向性であると考える。
デュアルシステムを実施する学校は,もっと高度な資格まで目指し,インターンシップを主として実施する学校は,もっと広く職場を知るということを目的にすれば,各学校を機能的に分けられる。また,人材育成推進機構のようなものを作って,情報提供をする場を作るべきではないか。

会長: 専門高校の教育は,県をあげて,学校を取り巻く産業界等の周辺からの応援団が必要であると考える。

委員: 特に工業の分野になるが,急激な変化をしている企業現場の状況を考えると,現代に合ったスペシャリストを育成するのは無理なのではないかと思う。よって,県全体だけでなく,各学校単位で後援企業をつくり,協力体制を構築していき,いつでも相談できる関係をつくっていくといい。また,地域貢献となると,大企業よりはむしろ,中小企業と地元の工業高校が,企業の過度の負担にならないように結び付いていくことが大切であろう。また,先生が産業の現場の現状を学ぶシステムが必要なのではないか。

会長: 専門委員会でまとめている将来のスペシャリストに必要な資質や能力について,広島県が持っている人的・物的の財産等をどう活用し,広島県らしさをどう実現していくかが重要になる。

委員: 地元の産業に対し思いを強くするという点と中小企業が採用に苦労しているという点で,デュアルシステムを農業科だけでなく,工業科も導入するとよい。また,インターンシップは,様々な産業を経験させることができることから,企業側ももっと協力体制をつくっていかなければならない。そのためにも,専門高校が開催する「スペシャリストの祭典」を企業の方にも見ていただき,専門高校の子どもたちの素晴らしさを産業界にアピールしていく必要があるのではないか。

会長: 専門高校の教育活動に企業に加わっていただき,仕掛けをつくっていくには今がよいタイミングであろう。国立大学も含めて大学への進学は,専門高校に対して推薦の特別枠を設けるなどずいぶん様変わりしているので,もっと社会に見えるような専門高校の位置付けが必要であると思う。

高度な技術を持った教員の養成のための方策及び内容について

委員: インターンシップやデュアルシステムを実施するためには,「よい生徒であれば就職に結び付けたい」という企業と教育する立場の学校との間に入り,両方を理解しているコーディネータの存在が非常に重要である。その仕組みを広島県で考えていけばいいのではないかと考える。また,企業でのインターンシップとの中間的な取組みとして専門学校でのオープンスクール等への参加も考えられる。教員の養成については,専門学校の教員の中に,事務所を開いてなおかつ教壇に立っているという者もいるので,講師として活用することができると考える。

会長: 現職の教員が学校を離れて,1週間から10日間程度研修に出ることは可能か。

委員: 県の派遣研修を活用すれば,半年,1年の研修は可能であるが,それ以外は難しいであろう。看護などで1週間,2週間の研修があればよいが,学校はその間の授業の編成などに困るのが現状である。

委員: 授業がある時期に研修に出ることは難しく,夏休みも様々な行事等が集中して難しいということなので,優秀で高度な技術を持った教員の養成をするためには,何らかの施策を打ち出していかなければならない。

会長: 教員が学校現場を離れて研修を受けるということとは逆に,専門的な知識や技術を持っている方々を週の決まった時間に半年間でも学校に派遣してもらったらどうか。そうすれば,教員は授業をしながら研修を受けることができる。

 委員: 1日単位ならば,外部講師の活用事業を高校で実施しているが,この事業は生徒が対象であるため,教員の高度な研修としては活用できない。学校外で教員が研修を行うには1か月とか半年の方が教員研修の制度上容易である。

委員: 「何曜日」と特定の日を決めて研修を実施することもできるのではないか。

委員: どこの企業も新入社員研修を行っているので,その機会を活用して教員も一緒に受講したらよいのではないか。

委員: 充実した研修を実施するべきだと思っている。農業でいえば,農業校長協会という全国組織が夏休みに1週間程度の「動物バイオテクノロジー」などの専門的な知識・技術の習得に係る研修を実施している。すべての学科にあるわけではないので,これからはすべての学科でこのような短期間の研修も必要である。
また,異業種間の交流も必要だと考えている。

委員: 中学生は,将来に対する夢や目標が薄い子どもが多い。高校を選ぶ時には,「あの学校はこういうところが素晴らしい」と魅力を感じる学校を選ぶ。専門高校に対しては,知識も必要だが,理論よりは実践という意味もあり,職場体験やインターンシップ等を取り入れている高校が中学生にとっては魅力を感じる。ところで,中学でも5日間の職場体験学習を行っているが,中学生への受け入れは2・3日ならまだしも5日間は難しいという企業も多い。

委員: 工場は安全をモットーとしており,製造ラインに子どもが入るのは危いため,職場体験は難しいであろう。また,現在は品質が一番大切である。

委員: 企業側の難しさはあるだろうが,中学生は職場体験をすることで,あやふやな夢や就職を希望しかなかった生徒が,働くことに興味を持つようになる。

委員: 職場見学でもいいのではないか。

委員: 職場体験をすることで,働くことに興味関心を持つ子どもが増えてくるのは事実だ。看護や保育などの実習をすることで,「子どものことが好きなだけではだめだ」とか「かなりしんどい仕事だ」ということが分かった上で,「この仕事に就きたい」という具体的な思いになることも多いので,できる限り職場体験をさせたい。

会長: 教育の産学連携として,産学が一緒になり様々な機関が力を入れていかなければ人材は育たない。高度な技術を持った教員を養成するための研修システムを作る必要があるということである。

広島県地方産業教育審議会について

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