学生が挑戦! AIで地域の課題・解決
ひろしまを学ぶ |
「若者のアイデア×AI」で、地域の困り事をお助けします!大学生たちが、大崎上島町に出向き、抱えている課題をAIを使って解決しようと挑戦中!
考案した解決策は、2月10日に広島市中区東千田町で開かれる、最先端テクノロジーやサイバーセキュリティに関するセミナーイベント「Tech To The Future 2026」のDay2に、「AIで未来を切り拓く~「地域×AI」広島からの挑戦~」で発表します。どんなアイデアが出てくるのでしょう?
舞台は大崎上島町
挑戦するのは、県内の大学生や高専生の7人。チームに分かれて、大崎上島町観光協会と佐々木造船株式会社を訪ねて、課題をヒアリング。AIを活用し、どんな解決策が打ち出せるのか、試行錯誤しながら、斬新な発想で構想を練っています。
学生たちを指導するのは、地元企業と、広島県のAI精鋭部隊「広島AIラボ」のメンバー。構想や実用性のアドバイスを担当します。 このプロジェクトは、若者にAIへの関心を広め、地域課題と向き合う探究活動として、広島県が企画しました。将来の研究や進路の選択に向けたステップにつなげる狙いです。
学生に密着
学生たちはこれまで、大崎上島町観光協会と佐々木造船株式会社を訪れ、現場の悩みを聞いてきました。11月にあった訪問では、自分たちが考えた案を担当者に説明。どんな困り事に、どんな解決策を提案したのでしょうか?
大崎上島町観光協会
「島のファンを増やしたい」。その大崎上島町観光協会の願いをかなえるべく、考案したのは、利用者の記憶に残る「案内とクイズを融合させたWebアプリ」。
アプリは、スマートフォンのGPS機能と連動。観光客が特定のスポットに「チェックイン」すると、チャットボットが登場し、その場所にまつわる歴史や知識をクイズ形式で出題します。より地域の魅力が伝わるように、事務局には、歴史や街情報などのデータの提供や、島の「名物人」の紹介をお願いしました。
担当者からは「観光客が自らQRコードを読み込む仕掛けがほしい」という声が。クイズの正解数に応じて「称号」が得られるようなゲーム要素の導入はどうか、などとアイデアを出し合いました。今後は、観光客の興味を引き寄せる仕組みを考え、アプリの中身を磨き上げていきます。
佐々木造船株式会社
佐々木造船が抱える課題は「外国人実習生とのコミュニケーション」、「工程管理のデジタル化」、「技術承継」と多岐に渡ります。学生は5案を提案し、とくに関心を集めたのは外国人実習生向けの「多言語翻訳AI」でした。
佐々木造船では、ベトナムなどの外国籍実習生が多く働いており、とっさの安全指示やコミュニケーションがスムーズに行かないことが懸念されていました。提案を聞いた担当者は「言葉の壁がなくなれば、実習生の定着率や生産性の向上にもつながる」と期待しました。
ほかにも、熟練された職人の技術をAIでマニュアル化する案や、音声でスケジュールを更新する案も。現場の声を聞きながら、実現可能なものを改良していきます。
地域の声聞き アイデア続々
ヒアリング後は、学生や広島AIラボのメンバーたちが集まり、各担当者の反応や提案内容についてフィードバック。広島AIラボのアドバイスを受けながら、アイデアの方向性を固めていきました。
大崎上島町観光協会チームは、「クイズを解くこと」自体を目的にするのではなく、AIとの対話やストーリー性を重視することで、ファンを増やしていけないかと考えています。
佐々木造船チームは、手応えのあった「多言語翻訳AI」の精度を向上。造船業界の専門用語や方言もカバーできる機能を充実させていくことを検討しています。
2月のコンテストまでに、アイデアをブラッシュアップ。学生たちの挑戦は続きます!
参加者の意気込みをお届け
活動の手応えや意気込みについて、大崎上島町観光協会チームの広島工業大1年赤瀬空良さんと、佐々木造船チームの広島工業大2年河村駿太さんに聞きました。
クイズアプリを作る上でのこだわりは。
島のリピーターの多くは、実は「人との関わり」を求めて帰ってくるのだと教えていただきました。ただクイズを出すだけならAIである必要はありません。スポットの案内を読み、その場でしか解けないクイズに答え、そこに島や住民の魅力を入れていきたい。
AIを通じて「島の人の面白さ」に触れられる、温かな人間味のある仕組みにしていく予定です。
発表に向けて意気込みを。
チーム内で毎週アイデアをぶつけ合い、練り上げていくプロセスが刺激的です。自分にはなかった視点が同世代のメンバーから飛んでくると、世界が広がります。「これなら絶対に面白い」と確信できるレベルまでアイデアを煮詰めたいです。
このプロジェクトを成功させて、その体験を自信にしたい。AIの存在が当たり前になる中、それらを駆使して新しい価値を生み出せる力を身に付けたいです。
アイデアを形にする中で、難しさはありますか?
造船の世界は、知れば知るほど奥が深くて一筋縄ではいきません。特に「安全性」への配慮と、厳しくなり続ける「環境基準への対応」という二つの大きな制約があります。
AIで解決するといっても、ソフトウエアだけで完結するのか、ハード面の改良が必要なのか。予算や締め切りがある中で、実現可能性と解決したときの影響力のバランスをどう取るか。その調整が難しく、大切にしたポイントです。
活動を通して学んだことは。
広島AIラボの方々は、学生では気付けない「どう実用するか」まで突き詰めて助言してくれます。自分たちのアイデアの甘さを痛感することもありますが、それが大きな学びになっています。
難しい課題や制約をクリアして、アイデアにたどり着いたときは達成感を感じます。道のりは険しいですが、佐々木造船の方々に「便利になった」と心から思っていただけるものを作りたいです。
AIイベントに乞うご期待!
考案した解決策は、2026年2月10日 (火) 、広島大学東千田キャンパスで開催予定の、最先端テクノロジーやサイバーセキュリティに関するセミナーイベント「Tech To The Future 2026」のDay2に、「AIで未来を切り拓く~「地域×AI」広島からの挑戦~」で発表します。
学生たちが描くアイデアがどんな完成形を見せるのか、乞うご期待!会場に足を運んでみてくださいね。
