戦後79年目の夏。平和な世界のために私たちができること
ひろしまを学ぶ |
広島にとって、絶対に忘れてはならない日、8月6日。今年は被爆、そして終戦から79年を迎えます。先人たちの努力によって復興し、広島は｢平和の象徴｣、｢希望の象徴｣として世界の人々から認められています。
今回は、日本では唯一広島に事務所を構える国連訓練調査研究所 (ユニタール) の取り組みと、広島から平和の輪を広げていくための取り組みをご紹介します。
目次
広島の復興の歴史を伝え、リーダーを育てるユニタール
ユニタールは、1963年に設立された、国連機関の1つです。特に途上国の政府関係者や個人に対する持続可能な開発目標 (SDGs) や環境保護、平和など幅広い分野の研修を専門としています。
スイス･ジュネーブの本部のほか、アメリカ･ニューヨーク、ドイツ･ボン、そして広島に事務所を設置しており、世界中に様々な拠点やネットワークをもっています。
広島事務所では、広島という地を活かし、平和で公正な社会の実現のため、人材育成に注力しています。若者を中心に、平和な社会を築くためのリーダーを育てています。
特に、アフガニスタン、南スーダン、イラクなど紛争後復興の過程にある国の人々へのプログラムなどには、広島という立地を活かして被爆の実相を伝えるとともに、原爆投下後の広島の復興についての学びを取り入れ、自国での復興を目指す足がかりとなればと期待しています。
若者へのメッセージ
ユニタール広島事務所では、広島県内の高校･高専などに通う生徒を募集して、｢国連ユニタール広島青少年大使プログラム｣を実施しています。広島から世界へ平和のメッセージを発信する若きリーダーの育成を目指しています。
2010年にスタートして以降、核なき世界や持続可能な開発目標 (SDGs) の実現等、時代のニーズに合わせてテーマを変えながら、学生たちが主体的に学び、行動するためのスキルを身に着けるプログラムを提供してきました。
卒業生は、進学先や海外でも活躍の場を広げているんだとか。ユニタール広島事務所は、こういったプログラムなどを通じて、国際舞台で働きたいという夢を抱く若者の育成にも尽力しています。
先行き不透明な世界情勢をよりよくしたい、持続可能な未来に貢献したい、という意欲があるあなた、是非チャレンジしてみませんか。(2024年度のプログラム募集はすでに終了しています)
平和な世界の実現に向けた取り組み
広島青少年大使プログラムに自発的に参加する若者だけでなく、まだ関心を抱いていない若者にも、緊迫した国際情勢や持続可能な開発目標 (SDGs)、平和についてしっかり考えてもらうために、県内の高校などで、ユニタールの活動やSDGs、平和を進めていくために必要とされる支援などについて、講演を行ってきました。
講演後のアンケートでは、平和を進めていくために必要な支援について、受講生から多くの意見が寄せられました。
中には、｢原爆のことを知り、未来へ伝承して平和な世界を実現させる手助けをしたい｣と考える受講生もいました。ユニタール広島事務所の取組を通じて、平和な世界を創っていくための輪が着実に広がっています。高校等での講演は随時受け付けています。
世界のリーダーと若者の対話
2024年8月6日に、核軍縮･不拡散の分野で活躍する世界のリーダーをパネリストに招き、未来のリーダーとなる若者とのパネルディスカッションを実施します。
今回議論するテーマは、核兵器なき世界の実現に向けて｢私たちには何ができるか｣。当日の様子は、ユニタールYouTubeチャンネルでも配信されますので、是非あなたも視聴してみてくださいね。私たちができることを考えるきっかけになるはずです。
スマホで参加！平和へのメッセージを発信しよう！
スマホを使えば、広島に在住している方はもちろん、そうでない方でも、平和への思いの発信などに簡単に参加することができます。一人ひとりの行動が大きな力となります。是非あなたの家族や友人にも声を掛け合って参加してください。
SNSを活用した未来へのおりづるキャンペーン
おりづるは世界共通の平和のシンボルです。被爆79年を迎える広島･長崎から、平和へのさらなる一歩を踏み出すために、SNSを利用して平和のメッセージを発信しませんか。
今年のテーマは、｢平和な未来に向けて私たちの声を届けよう｣。世界のどの国の人々も核兵器による破壊の脅威にさらされることのない、より平和な未来を私たちの手で選び、創っていくことは可能なのだという力強いメッセージが込められています。
2024年のキャンペーン期間は、8月6日～9日です。参加方法はとてもシンプル！以下の4ステップで簡単にできます。
- おりづるを折る
- 写真や動画を撮る
- 平和へのメッセージを｢#CranesForOurFuture｣
と一緒にSNSへ投稿 - 家族や友人に参加をよびかける
昨年は、ハリウッドスターなど、多くの著名人の参加もあり、閲覧数が過去最高を記録しました。是非おりづるを折ってハッシュタグ付きのメッセージをSNSで発信していただくとともに、キャンペーンの他の参加者の投稿もチェックしてみてくださいね。
TikTokでどこからでも！平和記念式典LIVE配信
8月6日に令和6年 (2024年) 平和記念式典 (広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式) が開催されます。この式典の様子を広島県公式TikTokアカウントからLIVE配信します。
若い世代を中心に幅広い世代に利用されているTikTokでの配信により、多くの方に、平和について関心を持っていただきたいという思いで、4年前から毎年8月6日に配信しているものです。
79年目の夏。改めて平和に関心を持つ意味。
平和の尊さを世界へ発信するため、広島ではユニタールを含め、さまざまな取り組みが実施されています。一人ひとりが平和に関心を持ち、行動することが、大きな力となります。広島県民にとって大切な日、8月6日。平和について考える1日にしませんか。