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ドナー登録検査の様子

骨髄バンクとは?ドナー登録は意外と簡単!

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皆さんは「骨髄バンク」をご存じですか?ドナー (提供者) 登録は進んでいますが、それでも移植を希望する患者さんのうち、実際に移植を受けられるのは6割程度の方。皆さんのドナー登録が、まだまだ必要です。

骨髄バンクへのドナー登録はどのように行うのでしょう?「どこで登録できるの?」「実際に骨髄を採取するの?」などの疑問や不安を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では皆さんの疑問や不安にお答えします。

骨髄バンクとは?

骨髄バンクのチラシ

白血病や再生不良性貧血などの血液の病気にかかると、造血幹細胞 (骨髄の中で血液を造る細胞) が働かなくなり、赤血球や白血球、血小板などがそれぞれ担っていた役割を果たせなくなって身体に不調が現れるようになります。

これらの病気は薬による治療のほか、患者さんにドナーから採取した健康な造血幹細胞を移植することで、正常に血液を造る力を回復させることができるため、骨髄バンク事業では、そのために必要なドナーを登録し、ドナーと患者さんを結びつける取組を行っています。

移植医療で重要なのは、ドナーと患者さんの白血球の型 (HLA型) が一致することです。

HLA型は赤血球の型である血液型より複雑で、兄弟姉妹では4分の1の確率で一致しますが、親子ではまれにしか一致せず、非血縁者間ではわずか数百から数万分の1の確率でしか一致しません。

移植医療が必要な患者さんは、日本国内に約1,200人います (2024年1月末時点)。ドナー登録者数は約55万人、うち広島県では約11,000人が登録していますが、一人でも多くの患者さんの命を救うためには、一人でも多くの方にドナー登録に協力いただく必要があるのです。

ドナー登録ってどうやるの?

ドナー登録をする男性

事前にドナー登録の条件を確認しておこう

ドナー登録できるのは、「骨髄・末梢血幹細胞の提供の内容を十分に理解している方」、「年齢が18歳以上、54歳以下で健康状態が良好な方」、「体重が男性45kg以上、女性40kg以上の方」の全てに該当する人です。

その他に「病気療養中または服薬中の方」や「悪性腫瘍 (がん) などの病歴がある方」「輸血を受けたことがある方」などはドナー登録できないケースもあります。必ず事前に日本骨髄バンクのサイト を確認するようにしましょう。

ドナー登録できる場所を探そう

事前の確認ができたら、いよいよドナー登録が出来る施設へ。県内に2か所ある献血ルームのほか、県内各地で行われる「ドナー登録会」や「献血バス」等で骨髄バンクのドナー登録ができます。また、献血と一緒にドナー登録することも可能です (ドナー登録に費用はかかりません)

広島市内にお住まいの方や通学通勤で日常的に広島市に行く機会がある方は、市内2ヶ所 (本通と紙屋町) に設置している献血ルームをぜひご利用ください。雰囲気もよく、リラックスしてドナー登録ができますよ。

献血 イメージ

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実際に登録してみよう

採血をする様子

今回は献血ルームでの登録の流れをご紹介します。受付で「骨髄バンクのドナー登録をしたい」と申し出ます。

それから「ドナー登録のしおり『チャンス』 」に沿って、骨髄バンク事業の概要や登録から骨髄・末梢血幹細胞採取の流れ、ドナーとなるリスクなどについて理解を深め、「登録申込書」に必要事項を記入します。

その後、血圧の測定や健康状態の確認のための問診があり、HLA型を調べるため、腕から約 2ml の血液を採血されます。これで、当日のドナー登録手続は完了です (実際には、HLA型が判明した後(※)、後日、日本赤十字社から「登録確認書」が届きます)

ドナー登録にかかる時間は15分程度 (混雑具合等によって前後します)。お仕事の休憩時間や買い物のついでに行ってみることもできそうですね。思ったよりも簡単に登録できる!と思った方、ぜひお近くの登録施設を探してみませんか?

骨髄ドナー登録が完了したら

白十字のモチーフを手に持つ様子

骨髄ドナー登録が完了すると、定期的に患者さんのHLA型と適合検索されます。※HLA型は、本人に知らされることはありません。

実際に、HLA型が一致し、ドナー候補者となると、確認検査や最終同意 (本人だけでなく、家族も) などを経て、いよいよ骨髄・末梢血幹細胞採取が行われます。

これからドナー登録をされる方は、実際に骨髄・末梢血幹細胞採取となったときに、家族の同意が必要となることや、リスクなどがあることも含めて、事前にしっかり確認するようにしてください。

また、県内の一部の市町では、ドナーに対して通院又は入院の日数に応じて助成を行っていたり、企業や団体の中には、ドナー登録に必要な通院や入院のための休暇を、特別休暇として認める「骨髄バンクドナー休暇制度」を導入している場合もあります。

そのほか、もっと詳しい情報を知りたい方は日本骨髄バンクのホームページをご覧ください。

ドナー登録に関するQ&A

「命のボランティア」にあなたも参加しませんか?

白血病などの重い血液の病気を診断される方は毎年数万人。そのうち約1,200人の方が骨髄バンクからの移植を望んでいます。

ドナー登録者は全国で約55万人、広島県では約11,000人いますが、患者さんと白血球の型が適合する確率は、数百から数万分の一。

ドナー登録者が増えることは、その確率を上げることにつながります。ドナー登録は「命のボランティア」とも言われています。あなたも参加しませんか?