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12月12日(火)に、菅田委員が福山市立常石ともに学園を訪問しました。

 福山市立常石ともに学園は、子どもの「自立」、「共生」、「自己実現」を目指し、令和4年4月に開校しました。公立では全国初となる、「イエナプラン」実践校として、開校以降、県内外から多くの教育関係者が視察に訪れています。
 今回は、福山市の掲げる「福山100NEN教育」と「イエナプラン」が融合した特色ある取組を視察しました。

 まず、甲斐校長から学校の様子を紹介していただきました。
 福山市の掲げる「福山100NEN教育」の姿は、変化の激しい社会の中で、子どもたちが自分の夢の実現に向けて、思いやりや助け合いの心を胸に、福山で、日本で、世界で、たくましく生きている、という姿です。この実現に向け、子どもの学ぶ過程を研究したところ、一人ひとり理解する過程や方法、学ぶスピードは異なること、子どもたちの問いは、教科・学年の枠を超えて、思考を広げ深めていくことが明らかになったとのことです。子ども一人一人を最大限尊重しながら、福山100NEN教育の実現に向けて取組を進める中で、オランダで実践している「イエナプラン」と出会い、本校への導入を決定したと教えていただきました。

 「イエナプラン」とは、一人ひとりを尊重しながら自立と共生を目指す教育であり、異年齢集団による学習のほか、児童自身が学習計画を立て、児童の状況に応じて教科の学習を進める「ブロックアワー」などの時間があります。「例えば、児童が間違った理解をしていても、児童自身が間違いないと思い込んでいる場合、丁寧な説明だけで正すことは難しいです。一斉と個別を組み合わせ、友だちや先生と対話したり、体験したりしながら、それぞれの理解に向けて粘り強く向き合っています。」と教えていただきました。

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 次に児童の様子を視察しました。授業は1~3年生のグループ、4~6年生のグループで学習を行っています。まず驚いたことは、一つの教室の中で先生の話を聞いている児童、クラスの仲間と話し合っている児童、一人で黙々と学習する児童など、多様な形で授業が進められていることでした。各授業のねらいは最初に児童に示すものの、そこに到達する方法は一人一人様々とのことです。また、児童が学年の隔たりなく話し合い、自分の考えを伝えていました。異年齢集団で学んでいく中で、児童が互いに得意なことを理解しあっている。年上、年下、という見方ではなく、相手の個性を意識して関わろうとする雰囲気が生まれていると教えていただきました。
 視察中、菅田委員から、「他校と違い、教室がガラス張りなどになっているのは理由がありますか」などの質問がありました。甲斐校長からは「本校は、学校全体が学びの場となっています。机や椅子も様々な形のものを用意しています。自立学習の時間は、自分の心地よい場所を選んで学習を進めています。」と教えていただきました。

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 授業視察後、再度、甲斐校長を交え、質疑を行いました。他の視察参加者からは「異動で赴任してきた先生は、他校との違いに戸惑ってしまうのではないか」など、多くの質問がありました。
 甲斐校長からは、「赴任直後は、ブロックアワーなどの言葉から、特別な取組を行っていると思う先生もいます。しかし、本校の取組は他の福山市立学校と同じ、福山100NEN教育の理念のもと行っています。先生たちはこれまでの学校でも、子どもの興味・関心、理解する過程を大事にしながら、授業をしてきています。常石ともに学園での日々の実践を通して、さらに理解が深まり、戸惑いはなくなっています。」と教えていただきました。

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