12月8日(金)に、志々田委員が県立世羅高等学校を訪問しました。
世羅高等学校では、すべての生徒の個性が花開くことを目指し、今年度から新たに「百花繚乱 世羅」をスローガンに加え、生徒が夢中になることができる、様々な取組を行っています。今回はその一つである、「特殊詐欺防犯教室」の取組を視察しました。
まず、大島校長から、世羅高等学校の取組について説明を受けました。
これまで世羅高等学校は、「総合的な探究の時間」の中で、地域の課題を生徒自ら発見し、その解決に向けた方策を提言していましたが、その提言は本当に実現可能なのか、もう少し検討が必要なことに気づいたとのことです。そこで、「実践まで行うこと」をコンセプトに、生徒の活動を学校全体でバックアップできるよう授業の改革を行いました。実践を行うためには、地域の方々の協力が不可欠ですが、高校生の頑張る姿に共感し、多くの方が協力してくださるとのことです。世羅高等学校の取組は地域の方々の協力なしで実現することはできないと教えていただきました。
さらに、世羅高等学校は「普通科」、「農業経営科」、「生活福祉科」の三つの学科がありますが、通常、各学科で行っている「総合的な探究の時間」を一つに統合し、学科の垣根を超えたチームで学習を行っています。各学科の生徒が互いの長所を組み合わせながら一つの課題に向き合うことで、世羅高等学校がより一つに団結できると教えていただきました。
次に、「特殊詐欺防犯教室」について視察しました。この取組は、世羅町、世羅警察署、ソフトバンクの協力により行われています。生徒は、広島県警が開発した防犯アプリ「オトモポリス」の使い方について、地域の高齢者の方々にマンツーマンで教えていました。自身が伝えなければならないことは何か、高齢者の方に理解してもらうためにはどのような伝え方をすればよいのか、身振り手振りを交えながら伝える生徒と、丁寧に耳を傾ける地域の方が印象的でした。
最後に、校長室にて質疑を行いました。
実は、本日の実践を行うまでに、何度か失敗があったとのことです。失敗しないように先生がフォローすることはできますが、あえて我慢し、失敗を経験させることを意識しています。高校卒業後、多くの失敗に向き合わなければならないことを見越して、失敗から立ち直る力を身に着けて欲しいと教えていただきました。
志々田委員からは、「世羅高等学校の取組を行う上で、アイデアはどこから生まれるのか」、「実践学習の実施に向けて、地域の方々と連絡、調整を行うのは大変ではないか」といった質問がありました。
大島校長からは、「地域の方との対話を大切にしており、地域の方との何気ない会話から学習のテーマが生まれる。また、若い先生が多く在籍しており、先生たちが互いに助け合って計画している」と教えていただきました。