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令和元年度第1回広島県教員等資質向上協議会の議事概要

1 実施日時・場所

(1) 実施日時

     令和元年9月30日(月曜日)14時30分~16時30分

(2) 実施場所

   県庁東館教育委員会室(広島市中区基町9-42)

2 主な議題

(1) 教育委員会事務局からの説明

(2) 協議

(3) 諸連絡

3 議事概要   

1 事務局から,配付資料によって次の項目を説明した。

(1)「広島県教員育成指標について(説明文)」の協議

(2)広島県教員育成指標の内容に関する協議(教諭)

(3)広島県教員育成指標の内容に関する協議(校長・教頭・部主事)

 

2 協議

(1)「広島県教員育成指標について(説明文)」の協議

ア タイトル「広島県教員育成指標の策定及び活用について」

  1. 校長の指標はあるが,校長になるために教頭から育成,という意味で「育成指標」としているならいいと思うが,「教員育成指標」に校長が入るのか。
  2. 過去の広島県のものは「教職員」だったと思うが,そこを今回「教員」としたのはなぜか。最初の協議会で,「何で「教員等」なのか」という話をしたときに,教員及び校長,指標の中に校長を含めるからということで「等」,という説明を受けたと認識している。その流れからいくと,やはり「等」なのではないかと思っている。

イ 「1 はじめに」について

  1. 1段落目の文章のパラグラフが長いので,2行目の「検討を行った」でいったん切った方がよい。
  2. 2段落目の「しかしながら」のところで,「グローバル化の進展などにより,様々な問題が複雑化・高度化する中で」とあるが,学びの変革等の必要性を求めたときに,AIや科学技術の急速な進展も随分社会に変化が起きて影響を与えているので,グローバル化と同時にもう1つくらい何か例示として挙げた方がいいのではないか。
  3. 以前作った「期待される役割と具合的な行動例」には事務職員もあった。今回ないのはなぜか。→今回の法改正による指標の作成については,事務職員は対象外である。→今回は法改正の背景があるので対象から外れている,ということが理解してもらえるように書いた方がよい。
  4. 2段落目の「ますます社会は先行き不透明な状況になってきており」というところが,暗い。ネガティブな表現になっている。もう少しポジティブな表現がある。→変化を前向きに受けとめる言葉などを入れ込んでいきたい。
  5. 教員に一番大切な資質能力は何なのかというところが,具体的に書かれていない。子供と一緒に考えていくこと,一方的に教えるだけでなく,わかる過程を一緒に作っていくことなどが求める資質能力の中心だということを書くとよい。→学びの変革をする上でも,「教える」ということから「学びを助ける」という形に大きく変換する中で,資質が変わってきていることを明確にした方がよい。
  6. 書きたいことはいっぱいあるが,それを書くことでかえって長くなる。多分今のところというのは2ページ目の1番下のところ,「この法改正を受け,広島県では~策定している」のところの「大綱の要素も加え」が,読む人が読んだら分かるかもしれないが,基本的な理念,こういうところを大事にして策定しているということについて,もう少し書き加えるとよい。それを受けてもちろん大学の方も,養成の段階で,こういうところが教員として大事な部分であるということを意識しながらカリキュラムを組んだり,実際に授業したりしていくというところで活用したい。
  7. 2ページ目の2段落目「ますます社会は先行き不透明」のところだが,これまでは駄目と言われていたことがよいになったり,よいと言われていたことが駄目になったり。我々の世代は知っていることがたくさんあれば優秀だったが,先生自体も180度変わってきて,子供の見方が変わってきている。これまで忘れ物をよくして何かと困らせる子だったのが,とても人に対して優しかったりすごい発想をもっていたりなど。なぜこういう指標を求めたかというと,我々が子供の見方を本当に変えていって,従来私たちが受けてきた教育じゃないんだ,というところがどんと出ていくと,経過とともに,これからの社会の価値観もまったく違って,よりよい生き方が認められている時代になっていくんだということが入ってくると,先生も一緒になって考えていこうという夢がある指標になっていくと感じた。

ウ 「2 広島県の指標の基本的な考え方」について

  1. 4ページ目(5)のキャリアステージの設定について,ここまでかっちりやると充実とそれ以降となってしまう。教員等の成長段階に応じていくつか段階を設けますよということで広島県の採用・充実・発展にしたということなので,年限というよりは,採用期はこういうことができる教員なんですよ,充実期はこういう力をつけましょう,というような言い方でやった方がいいかもしれない。指標を作るときもそういった議論をしましたよね。教員等が見て自分がどの期として関わっていくか,どの段階にあるかを自己評価するというのがイのところに書いてあるように,時期的なものというより,自分の教員としての成長度合いをこの3つの段階で見るという書きぶりの方が,指標の趣旨としてはいいのかもしれない。ただし,どの層をターゲットにした研修かというのはもちろんあってもいいと思う。
  2. 学校現場では,臨採の方とか非常勤の方とか,いろいろな経験年数の方がいて,経験年数も質も違う中で育成をどうしていくかというのが大きな課題となっている。そうしたときに臨採や非常勤の方をどこで読み取るのか。この指標の中でそれは別ということであれば,別のところで指導いただければと思っている。その辺の扱いというのはどうなのだろうか。→本務者としての採用期・充実期・発展期というのを出している中で,臨採・非常勤もそれぞれ個々の状況に応じた形で準じて用いていただきたいと思っている。そういう説明があればよかったのかと思う。

エ 「期待される役割と具体的な行動例」と指標の関係の図示について

  1. 行動例はすべてこちらに盛り込んでいるのでこちらを見てくださいというスタンスなのか,それとも行動例は行動例で残っていて,指標としてはこういうもの作りました,ということなのか。→事務局としては行動例は残るけれども指標も策定した,というスタンスで考えている。
  2. 図はなくてよいと思う。気持ちはよく分かるが,かえって分かりにくくなった。
  3. 指標は「こういったことができたらいい」ということが書いてある。それなら行動例自体を指標にしてもいいのでは。ただそうなると,もう少し指標の見直しが必要になる。
  4. 作成途中こういう風に考えたというのはいいけれども,これをあえて説明資料として使うのはどうかと思う。特にイの項目で要素を加えたとあるが,例えば上から2つ目の点線のところの「教職員一人一人~」というのは大綱ができたからとか学びの変革だから新しく加わっているわけではない。昔からの優れた校長らは皆やってきたことだと思う。こう書かれると今までやっていなかったように見える。「新たに明記した」などの表現に変えてはどうか。
  5. かつて策定したものは,それはそれできちんとしたビジョンを持っているが,これから資質を考えていくときにはこの指標で,というスタンスでいいと思う。そこがどういうものかというのをきちんと説明していけばよい。(4)の記載自体なくなってもよいが,各指標の項目について,例えばビジョンだとかマネジメントだとかこういう大事なものについて指標を作ったというような記載がないので,そちらを足した方がいいように思う。例えばステージの設定の後など。それをもって今ある行動例ともしっかり対応している,というのが分かると思う。

オ 「3 指標の活用」について

  1. ⑴の最初の○の「キャリア」が何のことを言っているのか分からない。もう少し別の言葉の方がいい。上の方でキャリアステージというのがある。
  2. 指標の活用について,教諭だけが自ら自己評価を行い自らの課題を明らかに,とあるが校長はしなくていいのか。子供たちに主体的な学びをしてくださいよ,自分たちで考えるようにしなさいよとするのだから,それは教諭だろうが管理職だろうが,自分たちでやっていくという形で,管理職は人材育成だけすればいいんだと捉えられないようにした方がいいと思う。
  3. そもそもタイトルに「育成指標」とあるが,誰が誰を育成するものなのか。全体的には評価の基準ではなくて,それぞれが目安として頑張るような表記になっていると思うのだが,育成の指標というと,校長が教員に示すようである。この名前でいいのかどうかというところで,育成指標というのは違う気がする。全体で見ると,評価するとか指導するとかいうものでないと思う。
  4. 教特法では「指標」となったが,それまでいろいろな答申では「育成指標」となっていたものが,最後には「指標」となった。答申などを読むと,まさに先生たちを指導する中間層が少ないということで,教員自らが自分のキャリアを考えながら,何を目指していけばいいのかというところが,今回の背景には強くあったと思う。そういう流れから,「育成」が消えたのかなと思っている。育てるということでなくて,自分が自己キャリアを形成するために何が必要なのかということが前面に出てきているので,そのあたりの背景,なぜ答申で「育成指標」から「指標」に変わったのかということが少しでも分かれば,考えられる。
  5. そもそもこれが「資質の向上に関する協議会」だから「資質向上指標」とか,そういう名前もありえなくないのでは。「資質向上」なら本人でもあり周りのサポートでもある。大学なら「育成」という表現も分かるが,現職の先生が自分で努力していくとかであれば,「資質向上指標」の方がいい気がする。

(2)広島県教員育成指標の内容に関する協議(教諭)

  1. 私は教育ネットワーク中国から推薦された者という形で参加させてもらっていて,ここでいろいろな議論に参加している。法令的にもここで共有したことに関しては,参加している大学はこれを尊重することとなっており,ここで1人で自分の考えを言うことに非常に重い責任を感じている。加盟大学にアンケートをしたところ,20大学くらいから思った以上に詳細な意見が集まった。全ての項目についてどう思うかというところを各大学が意見し,それを反映させていただいたということで,今の提案の形でありがたいと思っている。
  2. 7ページの「生徒指導」のところだが,学校現場で見ると様々な生徒指導上の問題があって,保護者との関係をきちんと作り上げていく,子供との関係だけではなくきちんと保護者に話ができる,そういった力が大事だと思う。そういうところがこの中で読み取れない。保護者・地域・関係機関との連携協力体制という形では書いてあるが,個人の資質として保護者ときちんと向き合えるような力を身に付けていくというような記載が必要かなと感じた。→その部分を生徒指導の中に入れるべきなのか,または授業のところに入れるかというところで,結局は組織マネジメントのところに入れている。本当は全部に入り込んでくる。図示すれば包含関係があるが,表にするとこういう形となった。「保護者・地域・関係機関との協働」のところに,例えば充実期であれば「保護者や地域の意見や要望を把握している」と項目を立てているところ。把握するためには先ほど言っていただいたように,保護者と向き合えるとか,そういったことだろうと思っている。ただ,要望等を把握しているのは分かるが,手段としてしっかり向き合うというところがいるのではないかというご指摘なのかなと理解している。
  3. 採用期に一番大事なのが子供の願いも保護者の思いもきちんと受け止めていく,ということだと思っている。
  4. 採用期において生徒指導というのは何なのかということをしっかり理解しないと,一方的な押しつけと,「きまりだから」ということになってしまう。このきまりは自分たちにとって必要なのかということを子供たちが自分たちで考えて決めるというような時代になっている。採用期から自分たちが受けてきた教育と違うということから入っていかないと,今の時代の激しい流れについていけないのではないかと思う。
  5. 大学で生徒指導論という講義について,文科省の教職カリキュラムというのがあって,事細かに先生の指導について書いてあって,チェックしないといけない。そういうことをやっているので,ここでは生徒指導の意義を理解して,非常に抽象的な言葉だが,大学としてこれを持ち帰って,どのように理解したかということに関しては今おっしゃったようなことを教えていくことになる。
  6. 修正案の2つ目の採用期のところで「指導計画に生かすことができる」とあるが,この「生かす」というのは反映するということか。「指導に生かす」というのは分かるが「指導計画に生かす」というのは,他のところではそういった書き方をしていない。ここだけ文言を修正した関係でこのまま残ってしまったのだろうが,全体を読むと統一されていない。

 (3)広島県教員育成指標の内容に関する協議(校長,教頭,部主事)

  1.  No.3とNo.15に文言の修正が入ったが,地域の力,コミュニティスクールを想定したときに,No.3は分かるが,No.15でなぜ「保護者や地域の力」を削除したのか。矛盾を感じる。片方ではこれを加えて片方ではあったものを削除するというのはどうしてなのか,単純に疑問をもったのだが。→ワーキンググループの議論の中,「保護者や地域の力を学校経営に生かす」としたときに,一方的に利用するような表現になっているのではないかと指摘があった。地域の力やいろいろな声を把握してみんなで作っていく,というところを表した方がいいのではないかということで,「地域の力を」という表現を取って,No.3に「成果と課題を共有する」という表現を加えた。→学校運営協議会などを作って,地域の人たちの承認を得たり,保護者や地域の力を利用したりするので,元のままでおかしいとは思わない。
  2. 文言を削ったことで,元々「力を生かす」だったのが「体制を生かす」という意味になっている。保護者や地域の力を「生かす」のだから,元のままでそんなに悪くない。
  3. 地域の人たちに,学校で先生たちがやっているものを助けてもらおうとか,それはやはり地域の力を借りるわけなので,消す必要はないと感じた。→そういった誤解がこの表現からは生じないということであれば,またワーキングで考えていきたい。
  4. 気持ちでは,コミュニティスクール制度についてどういう風に使ったらいいかなというのがあると思う。学校と保護者・地域の関係は,基本的には「パートナー」なのだと思うが,パートナーをどういう言い方で表現するかがここの悩みどころなのだろうと思う。ただ,校長にいつも言っているのは,コミュニティスクールで地域と一緒にやるとなっても,学校教育についての責任者は校長であり,地域は責任を取らないということ。いろいろな意見を聞いて学校経営を作り上げていって,それを保護者や地域の人に話をして了承してもらうということは,お互いできることはやるよという契約をするような話だから,そんな関係をどう表現するのがいいかなというのがある。
  5. No.3の修正案で,「保護者や地域とともに」と「共有し」の間が長く,読みにくい。「学校経営ビジョンの実現に向けた取り組みの成果と課題を保護者や地域とともに共有し」という表現の方が読みやすいのではないかと思う。
  6. 区分の書き方について,言葉の途中で区切れており,読み取りにくい。例えば下から3つめの「組織・環境づくり」は,「組織・」で改行して「環境づくり」を2行目にもってきた方が読みやすい。もう少し日本語を大切にした書き方にならないかなと思う。

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