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(2)特別支援教育の推進の内容(教員の専門性の向上・特別支援教育に関する普及啓発)

エ 教員の専門性の向上

(ア)免許法認定講習・教員長期研修派遣の計画的・継続的な実施

 特別支援学校においては,特別支援学校教諭の一種免許状や専修免許状の取得を促進し,高度な専門性を身に付けた教員による授業改善の推進を図ることが必要である。
 また,特別支援学級の担任及び通級による指導の担当教員の特別支援学校教諭免許状の取得を促進するとともに,特別支援学級及び通級による指導においては,教育課程の改善及び授業研究をとおして専門性に基づいた指導の充実を図ることが必要である。
 特に,障害種別に応じた指導内容・指導方法の工夫改善や自立活動等の指導の充実を図るため,高度な専門性を身に付けた教員を育成するよう,教育委員会は免許法認定講習の実施,大学院や教員長期研修への派遣について,計画的,継続的,積極的に推進することが必要である。
 なお,特別支援学校の教員,特別支援学級の担任及び通級による指導の担当教員の特別支援学校教諭免許状の取得を促進するため,現在,特別支援学校教育に係る免許法認定講習の受講者から経費を徴収しないこととしており,このことについては,当面,継続することが必要である。

(イ)研修の充実

 教育委員会は,特別支援教育に関する専門性を向上させる研修プランを策定し,一人一人の教員に自分がどのレベルにいるのかの自覚を促し,次のレベルを目指すようにする取組を行うことが必要である。
 研修プランの策定・実施に当たっては,教員のキャリアに応じた研修内容の設定,特に管理職を対象とした研修の充実が必要である。
 また,教育センターの専門研修講座やサテライト研修講座の受講申込み者が,希望する講座を受講できるよう受講定員枠を拡大するなど,特別支援教育に関する研修の希望に応えるような工夫が必要である。

(ウ)中核的な人材の育成

 広島県教育委員会は,各特別支援学校及び各市町において障害種別に応じた高い専門性を有し,学校間連携や地域で中核的役割を担う特別支援教育推進リーダー(仮称)を養成することが必要である。
 また,小学校及び中学校の校長は,特別支援学校教諭免許状を保有する専門性の高い教員を特別支援学級の担任や通級による指導の担当教員にするなど,特別支援教育のより一層の充実を図ることが必要である。

オ 特別支援教育に関する普及啓発

(ア)教員の意識改革

 幼稚園,小学校,中学校,高等学校においては,障害のある幼児児童生徒の指導について,担任一人が課題を抱え込むことを防ぐ学校体制を構築するとともに,特別支援教育の推進が教科指導等の充実につながること,全教職員で取り組む課題であることなどの意識を醸成することが大切である。
 また,幼稚園,小学校,中学校,高等学校の教員は,どの学級にも発達障害のある幼児児童生徒が在籍している可能性があることを意識するとともに,障害に関する認識を深めることが必要である。
 例えば,発達障害のある幼児児童生徒の中には,場や相手に応じてコミュニケーションを円滑に行うことに課題を有している者がおり,その課題に応じた指導や支援が必要であるにもかかわらず,教員は,学習上のつまずきがあまりみられないので指導上の課題に気付かないことがあることから,このような意識を改革することが必要である。
 さらに,障害のある幼児児童生徒の自立を図るためには,障害の状態・特性,発達段階等に応じた指導方法や指導体制の工夫改善が必要である。
 例えば,特別支援学校においては,障害の程度や発達段階,能力,特性等により,必要に応じて,個別指導の実施,グループ別指導の実施等の授業形態の工夫が大切であるという意識を持つことが必要である。

(イ)保護者・県民への普及啓発

 保護者や県民に対して,特別支援教育に関する理解が広まるよう広報活動等を通じた普及啓発を積極的に推進することが必要である。
 また,保護者が主体的に就職を希望するよう,個別の教育支援計画の策定等への保護者の参画を促進したり,保護者に対して,職業的な自立の促進に向けて先進的な取組を行っている特別支援学校の情報を提供したりすることにより,幼児児童生徒の自立を図る教育の重要性について保護者の理解を深めることが必要である。

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